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リーダーの弱音を吐く場所

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リーダーの弱音を吐く場所

1 - 弱音を吐く場所

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2024年02月20日

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♢  side Fukazawa Tatuya 

   どうもー「深澤 辰哉」です。今日は俺が語り手です。

俺はSnowManと言うアイドルグループに所属している最年長。SnowManのファンの子なら知ってくれていると思うけど、最年長だからと言って別にリーダーでは無いです。メンバーにいじられる側のキャラだし、佐久間に勝てるかは分からないけど中々の盛り上げ役だと思うな。

   さて、先程リーダーと言う単語が出たので、今日はSnowManのリーダーについて話をしよう。

リーダーは皆ご存知の通り、あの筋トレ大好きな甘党「岩本 照」ですね。背が高くてスタイルも良くて、その上SnowManのダンスの振付師、才能あるリーダーです。

ですが、彼はリーダーだからと言ってよく1人で溜め込んじゃうタイプなんです。だからたまーに溜め込みすぎて練習中にぶっ倒れるって言う事があるんですよね。そんな性格の「照」。メンバーは勿論知っていますが、いつ溜め込んでしまっているのかが分からないなんて事がほとんどです。そんな中で頼られているのが……そう”俺”なんです。照のとある癖を見抜いた俺は、それで照のストレスを発散させる事によって、それから倒れる事は無くなりました。

これをメンバーにも伝えて、皆で助けて行こうと思っていたんだけど、照は「嫌だ」って言うから俺だけに任されているんです。

♢ 

   今日は雑誌の写真撮影。今回はペアを組んで撮るのだが、SnowManは全員で9人居る為、2:2:2:3と言う組み合わせで行く事になった。実は、この雑誌撮影では事前にファンの人達へ、どのペアで撮って欲しいかと言うアンケートを実施していた。その中で決まったペアが……。 

・「岩本 照」&「深澤 辰哉」

・「阿部 亮平」&「佐久間 大介」

・「宮舘 涼太」&「渡辺 翔太」

・「目黒 蓮」&「ラウール」&「向井康二」 

と言うペアとなった。

そして、1番最初の撮影が俺と照だった。 

『では岩本さんと深澤さん、宜しくお願い致しますね!』 

「よろしくお願いしまーす。」 

Hika「よろしくお願いします。」 

『まず此方の衣装に……。』 

私服から準備された衣装へと着替え、撮影場所へ移動する。 

『では、初めにそちらの段差に岩本さんが登って頂いて、1つ下の段差に深澤さんが登って頂いて…………お二方共、背中合わせで座って頂く感じでお願い致します!』

♢ 

   それからの撮影は順調に進んでいた……のだが、俺はその照のとある癖を撮影中に見つけた。 

「(次で最後か………………ん?)」 

ふと、照の方を見てみると……。 

「(……あ、唇噛んでる。)」 

ストレスが溜まっている時、照は誰も見ていないと思ったら唇を無意識に噛む癖がある。アイドルだから自分の顔に傷がつくことはあまり許されないし、照は何回も噛んで出血するという事が何回もあった。だから俺は、周りの人の隙を見計らって照に辞めるよう伝えている。 

「照。」 

小声で、そう問い掛ける。 

Hika「ん?」 

「(噛んだら駄目。)」 

と思いながら、自分の唇に指を当てて伝えてあげる。 

Hika「!、」 

「血、出てない?」 

Hika「ん、大丈夫……ごめん……。」 

「……撮影終わったら、話したい事があるんだけど、良い?」 

Hika「……分かった……。」

♢ 

   そして撮影が終了、次ペアの「阿部」&「佐久間」が撮影へ向かった。 

俺達は楽屋に戻り、一段落した所で照にこう提案した。 

「照、さっきの話なんだけどさ。」 

Hika「あ、うん……。」 

「今日の夜、景色見に行かない?」 

Hika「……良いの?」 

「うん、行こ?」 

Hika「……っうん、ありがと……。」

♢ 

   自宅、俺は照を待っていた。撮影が終わった後、景色を見に行こうと誘い、照の運転で行く事になった。俺が誘った癖に免許を持っていない為、電車で行こうかと言ってみたのだが、照は「車の方が早いし。」と言ってくれたのでお言葉に甘える事にした。 

そして、家のチャイムが鳴る。 

「あ、来た来た。」 

荷物を持って、玄関へ駆け寄る。 

Hika「用意、出来てる?」 

「ほら、完璧。」 

特に貴重品が入ってる訳でも無いけど、荷物を照に見せた。 

Hika「ん、じゃ……行こうか。」

♢ 

   彼の車の中ではほとんど無言だった。だけど、気まずいと言う空気は感じられず、心地よい無言の空気だった。照が運転中に俺に話しかけて来たけど、俺はそれを制止して「後で話そう」と言った。 

Hika「…………ねぇ、ふっか、」 

「ん!」 

Hika「?、」 

「話は後!着くまでのドライブ楽しもうよ。」 

Hika「……うん、分かった。」

♢ 

   ……そして。 

「お、ラッキー誰も居ない。」 

時間帯は夜中、俺達がこの空間を占拠した。

俺は景色がど真ん中で見えるベンチに駆け寄り、そして座る。 

Hika「……。」 

「ほら照!」 

ベンチをポンポンと叩いて、照に座る様に促した。 

Hika「……ん、」 

「やっぱここの景色は最高ー!いつ見ても綺麗だし、静かだし!」 

Hika「ふっかの声はうるさいけどね。」 

「いいじゃーん俺ら2人だけなんだし。」 

Hika「まぁそうだけどさ。」 

「……いつも思い出すんだよな、照と何回もここ来てるから。」 

Hika「……、」 

「…………で、どした?」 

Hika「…………。」 

「言いたくないなら良いよ、無理に聞かない。」 

Hika「……不安、だった。」 

「……不安?」 

Hika「俺、このままで良いのかなって、」 

「……もうちょい詳しく言える?」 

Hika「リーダーらしい事、あんましてないしさ……最近振付もあんまり良いの浮かばなくて、俺……振付出来なくなったら、SnowManに要らないんじゃないかなって……思って、」 

「…………ばか。」 

Hika「いたっ!」 

   俺は話し終わった照の頭に軽く拳を当てた。 

「何言ってんの、照がリーダーで居てくれてるから今のSnowManがあるんだよ。」 

Hika「お、俺がリーダーだからって……、」 

「照が俺達を引っ張ってくれてるんじゃん。俺達じゃ出来ない、照しか出来ない事だよ。」 

Hika「……ふっか……。」 

「それに、振付が出来なくたって俺達と一緒に考えれば良いでしょ!笑」 

Hika「っ、」 

「ね?照は1人で考え込み過ぎ、リーダーだからって俺らメンバーも頼ってよ。互いに人間なんだからさ、誰だって悩みはあるよ。」 

Hika「っうん、ごめん、ありがと……っ、」 

「泣け泣け、泣くのは悪い事じゃないし!」 

Hika「っうん……っ、」

♢ 

Hika「っはー…………うん、ありがとうふっか、落ち着いた。」 

「良かった、いつもの照だな。」 

Hika「ふふ、なにそれ……笑」 

「元気な照が1番!」 

Hika「アレ、言わないの?」 

「アレ?」 

Hika「すまいる!って。」 

……ドラマの奴だ。 

「あれはドラマの中だけだって……笑」 

Hika「えー笑」 

「ほら、帰り運転よろしく!!」 

Hika「はいはい笑」

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