ずっと、私の虜であれ。
「おはよ~!」
「あっ、はよー!」
「おっはよーお!」
教室のドアをガラガラの鳴らしてご挨拶を少々。
たった三文字。私からすれば楽勝だよね。
なんて思いながら、私は自分の席へと向かう。
自分の席へ座ると、私はまた、ご挨拶を少々。
「ふふ、… おはよう」
「えっ、あぁ、おはよう…」
後ろの女の子にご挨拶をふりまぶしたら、
まるで赤い着色料をクリームに入れた様になった。
君、私の事好きだね?
それは見透かすのなんて簡単な事だった。
まるで目分量かの様に。
ふわっと見て感じて、
にこっと笑って、
そんな、適当に少し甘さを足せば、完成してしまう。
気付いてない振り、中々に、得意。
移動教室。
あ、今、私の事見てるね?
窓に反射してるし、
レンジで加熱してるかの様に視線は鋭いし、
バレバレだよ。
そんなの、私、溶けちゃう。
…なんてね(笑)
窓から空を少し眺めて、耳に髪をかける。
少しは綺麗に見えるかな。
彼女、一途だもんね。
好きな人には尽くすタイプでしょう?
別に、彼女の事これと言って興味はないけどさ。
取り敢えず、今は、彼女、一人。
彼女から感染してくれたらいいな。
みんな、
ずっと、私の虜であれ。
決して、私を一人にしないでね。
……これ、本望。
ねぇ、お願い。
彼女なら、あなたなら、信じているよ。
コメント
5件
ちゅきです
今回もめちゃくちゃ良かったです!!!! 恋してるって分かりやすい人も居ますよね それが夢中=感染になるのも好きです… 一人になりたくないから、 皆、私の虜になれって言ってるんですね… 虜になったら味方してくれたり、 仲良くしてくれる人も居るかもですから 次回も楽しみに待ってます!!!!