雰囲気だけ。

「もし、学校がなくなったらどうする？」

　

　

「え、なにそれ。…超嬉しいけど」

　

　

「嬉しいんかいっ」

　

　

「そりゃそうじゃん」

　

　

「まあねー」

　

　

君ってば、いつも素っ気ないね。

　

　

私と君って平行線みたいな感じって思うの。

　

　

一生交わる事なんてないけど、

　

　

でも、相手がいなきゃ、ただの一本線になっちゃう。

　

　

「じゃあ、空から大金が降ってきたらどうする？」

　

　

「……貯金するかな」

　

　

「使わないんだね」

　

　

「使わない主義なんでね」

　

　

もしも、の話は嫌い？

　

　

想像するの、苦手だったりするのかなぁ。

　

　

私が出鱈目言ってるからかな？

　

　

まあ、でも、私達、

　

　

よくある物語みたいに似てる、じゃなくて、

　

　

全然違う人だけどさ、

　

　

凸凹くらいが丁度良いよね。

　

　

テトリスだってそうじゃない？

　

　

凸凹が積み重なって一つになるんだものね。

　

　

　

　

【悲報】2030年には、地球滅びる？

　

　

YouTubeのショート動画で、

　

　

私より出鱈目な嘘情報。

　

　

……

　

　

「明日さ、地球が滅びたら、どうする？」

　

　

なんて、少し怖くなっちゃって、聞いてみる。

　

　

「君に会いに行く」

　

　

はっと胸が高鳴った。

　

　

うそ、そんなの言う人じゃなかったじゃない。

　

　

「え、えへ、う、うそだぁ～(笑)」

　

　

「嘘じゃない」

　

　

真っ直ぐ私を見るものだから、

　

　

本気なんだ、そう思った。

　

　

どうしよ、嬉しい。

　

　

なんて、出鱈目って思われる、らしくない言葉が、

　

　

喉につっかえて、二酸化炭素として吐き出した。

　

　

「学校なんてサボって、走っていくよ。

　

　

降ってきた大金で、好きな物食べに行こ。」

　

　

すっと酸素を吸い込む。

　

　

そんな出鱈目……

　

　

「あははっ、変な奴～」

　

　

「そう言っといて笑顔ですねぇ？」

　

　

だって、嬉しい。

　

　

平行線。

　

　

今、垂直に交わる。

　

　

凸凹テトリス。

　

　

今、一つとなって消えていく。

　

　

明日地球が滅びても、

　

　

もう、心配ないね。