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やばいですわ……。怖いですわ……。楽しみです……。
自分以外の誰かになりたいと思ったことはある?もしくは、誰も自分のことを知らない世界に行きたいとか。
……俺は最近よくそんなことを考える。ミセスという船が大きくなってくるにつれて、ミセス、もしくは表現者としての「大森元貴」としての「自由」の範囲は広がっていっても、個人としての「大森元貴」の「自由」はどんどんと削られていく一方だ。
記者の前で発した言葉だけでなく、ラジオでの会話とか、ある番組で共演者との絡みがどうだったとか、インスタに更新された写真への反応だとか……そんなことまで全て余すことなく見張られてるみたいに、即座にネットニュースにあがる。
そして、何気なく放った言葉が、ちょっとした動作が、いろんなSNSを通じて匿名の人々によって「評価」される。好意的なもの、悪意が滲んだもの、狂信的なもの、憎悪が込められたもの……。目を通すだけでぞっとするほどの「匿名の感情」たちに曝される。
ねぇ、人があくびしてる動画切り取って何が楽しいの?まことしやかに騙られる根も葉もない噂、よくそんな結びつけ方ができるな。豊かすぎる妄想力に拍手喝采。ふたつみっつ、ミセス関連の記事を読んだと思ったら、もうオススメ記事はそればっかりだ。気持ち悪。関連画像に並ぶ俺の顔、顔、顔。ツクリモノの笑顔は道化師のようで。なんだか全く別の人間みたいだ、と思う。
本当にそうだったら楽なのに、なんて思ってしまう日もある。
疲れているのだ。俺が「俺」を演じることに。「俺」に向けられた感情に、期待に、沿うような演技が求められることに。
「疲れた……」
声に出してみても何にも解決しないけれど。
つけっぱにしていたPCのデスクトップが光って通知を告げる。あぁ、でも今日は、君に会えるから。
俺はまだこの世界を泳いでいられる。