時間を潰せるとしたら、小説だろうか。
長編だからこその続きが気になると言う行為で全話見るとしたら、結構な時間がかかりそうだし、
何か科学や歴史系だとしたら私の性格上、
何言ってんのか分からず飽きてしまいそうだし
だとしたら、やっぱり小説か
小説、と言っても私の今までの人生に縁が無かった。
だから、どれを見たらいいのかわかんない。
子供向けすぎてもつまらないし、
だと言って、難しすぎても飽きる。
この中間のラインの見極め方がとても難しい
『…ぁ、』
辺りを見渡していると、とある本と目と目が合った気がした。
『遠回りな君との恋』
それは言うまでもない「恋愛小説」だった。
惹かれるように手を添え,ページを捲る。
恋愛、と言うのはよくわかんない。
でも気になる。とても気になる。
自分ではなく主人公の恋だからこそ見れる
面白さ、応援したくなるもどかしさ。
そして三角関係。
…借りよう。
3冊手に取って、私は図書館を出た。
次に中庭に来た。
今は春日の光が暖かくとても居心地がいい。
気を緩めたら寝てしまいそうなほどに
近くにある一本の木き腰掛け、
先ほど無断で借りてきた本に目を通す。
…意外に面白い。
ベタすぎる、と言うわけでもなくオリジナルの展開で、とても読みやすい。
これは当たりだな。
私は立て続けに読み続けた。
~ー~視点
俺は徹夜で仕事していた。
あれもこれも、全部”ゾム”のせいや
インカム壊して無くして、挙げ句の果てには「めんどくさいねん、要らんやろ」って
ガキか、ボケ
作るこっちの身にもなってほしいねんけど
…最近、気持ちが晴れへん
外は晴れとるけど、
気分転換に外に出るのもええかもな
そう思い、俺は花が咲く中庭へと向かった
中庭に入り、綺麗な花々を見る。
その花の中心に生える、「一本の木」
俺はこの木が好きだった。
名前は知らないけど、気がついたら生えていた
この暖かい季節になると満開になって、綺麗に散っていく。
いつもなら「綺麗やなぁ」で終わったのに、
今日は先客がいる様だった。
散りゆく木花に腰掛ける、1人の少女
その姿は様になっていて、思わず目を奪われてしまう。
「ゆう」
俺は小さな声で彼女の名前を呼んだ。
だが、言葉は虚しいことに俺の声は
花の様に散っていく。
俯いていて、表情はわからないがコテっ、と首が座っていない。
多分眠いのだろう。
気づかれない様に近づき、
「寝ていいで」と言った。
すると、彼女は『ありがとう』と言って眠りについてしまった。
女子にはあまり慣れていないが、
なぜだか、この子は妹の様に感じる。
小動物感というか、守ってやらなきゃと本能がそう思う。
隣へ座ると、ゆうは俺の肩へ頭をすりすり、と
擦り付けてきた。
めっちゃいい匂ッ,…じゃなかった。
くすぐったいが、それ以上に恥ずかしいと思ってしまう。
でも、この時間帯は大体の奴らが訓練しとるし見られないやろ。
俺はこの時間を存分に堪能することにした。
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