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琥珀
51
682
#からぴちBL
りと。@就寝中
2,226
第2話「なんで、俺が」
――翌朝。
ya「……眠い」
昨日の夜から、どうにも落ち着かない。
理由は分かっている。
『おやすみなさい、ゆあんくん』
昨日、なおきりさんから来たメッセージ。
たったそれだけなのに。
ya「……なんで気にしてんだよ、俺」
スマホを伏せる。
そのとき。
ピンポーン。
ya「……誰だよ」
玄関を開ける。
no「おはようございます、ゆあんくん」
ya「……なおきりさん?」
no「はい」
手には小さな紙袋。
no「朝ごはん、よかったらどうぞ」
ya「え?」
no「昨日、あまり食べていなかったように見えたので」
ya「……見てたの?」
no「見てましたよ」
ya「……」
なんだ、この人。
落ち着いているくせに、こういうところだけ妙に距離が近い。
ya「……ありがと」
no「どういたしまして」
ya「じゃ、俺もう行くから」
no「はい」
ya「……」
no「どうしました?」
ya「……いや」
ドアを閉めようとする。
すると。
no「ゆあんくん」
ya「ん?」
no「今日もよろしくお願いしますね」
ya「……うん」
ドアを閉める。
ya「……調子狂う」
――撮影スタジオ。
監督「今日のシーンは、二人が少しずつお互いを意識していく場面です」
ya「はい」
no「分かりました」
スタッフ「立ち位置はこちらでお願いします」
二人が並ぶ。
昨日よりも近い。
ya「……」
no「緊張してます?」
ya「してない」
no「そうですか?」
ya「……なおきりさんこそ」
no「僕ですか?」
ya「なんか余裕そうだから」
no「そう見えます?」
ya「うん」
no「ふふ」
ya「……何」
no「ゆあんくんも、余裕そうに見えますよ」
ya「……俺は余裕あるし」
no「本当に?」
ya「……ある」
no「なら、よかったです」
そう言って、なおきりさんが笑う。
――カット。
監督「いいですね!次、もう少し距離を近づけて!」
ya「……」
no「失礼します」
なおきりさんが一歩近づく。
ya「……近い」
no「監督の指示ですよ」
ya「分かってる」
no「顔、赤いですよ?」
ya「……暑いだけ」
no「そうですか」
また笑う。
ya「……絶対分かってるだろ」
no「何がですか?」
ya「……なんでもない」
――休憩。
ya「……疲れた」
ソファに座る。
すると、隣に誰かが座った。
no「お疲れ様です」
ya「……なおきりさん」
no「はい」
ya「なんで隣?」
no「空いていたので」
ya「……そう」
しばらく沈黙。
no「ゆあんくん」
ya「ん?」
no「少しだけ、質問してもいいですか?」
ya「……何?」
no「Domですよね?」
ya「…………」
一瞬。
空気が止まった。
ya「……なんで」
no「やっぱり」
ya「……今の、カマかけた?」
no「はい」
ya「……性格悪」
no「すみません」
そう言いながら、なおきりさんは笑っている。
ya「……誰にも言うなよ」
no「もちろんです」
ya「俺、Domって公表してないから」
no「知っています」
ya「……え?」
no「僕も公表していませんから」
ya「……なおきりさんも?」
no「はい」
ya「……じゃあ、なおきりさんは」
no「Subです」
ya「……」
思わず顔を見る。
穏やかな表情。
いつもの丁寧な話し方。
なのに。
ya「……全然見えない」
no「よく言われます」
ya「……」
no「でも」
なおきりさんが少しだけ顔を近づける。
no「ゆあんくんも、Domには見えませんよ」
ya「……っ」
no「可愛い顔してますから」
ya「は……?」
顔が熱くなる。
ya「何言ってんの……」
no「本当のことですよ」
ya「……なおきりさん」
no「はい?」
ya「……そういうの、ずるい」
no「何がですか?」
ya「……分かってるくせに」
なおきりさんは、また笑った。
その笑顔が。
なんだか悔しい。
Domなのに。
俺のほうが振り回されている気がする。
――撮影終了。
ya「……お疲れ様です」
no「お疲れ様でした」
二人でスタジオを出る。
外はもう暗い。
no「一緒に帰りますか?」
ya「……いいけど」
並んで歩く。
ya「……ねえ」
no「はい?」
ya「さっきのこと」
no「はい」
ya「……誰にも言わないでよ」
no「もちろん」
ya「絶対だからな」
no「約束します」
ya「……」
no「それに」
ya「?」
no「僕も、ゆあんくんにしか言っていません」
ya「……そっか」
少しだけ嬉しくなる。
マンションに着く。
エレベーターを降りる。
そして。
いつものように隣同士の部屋の前に立つ。
no「じゃあ、おやすみなさい」
ya「……おやすみ」
no「ゆあんくん」
ya「ん?」
no「明日も一緒に帰りましょうね」
ya「……」
ya「……うん」
なおきりさんが部屋に入る。
ドアが閉まる。
ya「……なんなんだよ、ほんと」
胸がうるさい。
Domなのに。
Subのなおきりさんに、こんなに振り回されるなんて。
ya「……俺、絶対こいつには逆らえない」
そう呟いた瞬間。
隣の部屋から。
no「……聞こえてますよ」
ya「…………は?」
壁越しに聞こえた声。
ya「……っ、最悪!」
no「ふふっ」
ya「笑うな!!」
no「すみません」
ya「……もう知らない!」
ドアの向こうから、楽しそうな笑い声が聞こえる。
――この日から。
二人の秘密を共有する関係は。
少しずつ、特別なものへと変わっていった。
――第2話 END
きゃー!(?)
♡めっちゃくれてありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです!
少しずつ特別な関係になっていく2人…
書いてて楽しかったです!
話変わるんですけど、たつじゃぱの
あなたにすきってつたえたい
が人気ランキング?5位になってて、めっちゃ嬉しいです!!
ほんまありがとうございます!😭
これからも♡よろしくお願いします!🥺
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コメント
1件
みぅです🥀 第2話、読みました。朝ごはん差し入れてくるなおきりさん、もう完全に「気になる人」の距離感だよね…「見てましたよ」ってサラッと言えるの、ずるい。あと、DomとSubの秘密を互いに打ち明けるところ、ゆあんが「逆らえない」って自覚してからの壁越しの声、最高にニヤニヤしちゃった💞 静かに距離が縮まる感じ、めっちゃ好き。次の更新も、ちゃんと読みに行きますね🌙