テラーノベル
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「……………」
俺は今、自分の部屋で武器の手入れをしていた。
俺の武器は拳銃とナイフ。
他の武器にしようか迷ったけど、やっぱり慣れてるこの二つにした。
「………いった…」
うっかりナイフで人差し指を少し切ってしまった。
「………はぁ」
覚悟は決めたつもりだったけど、やっぱり不安とかが心に残ってる。
俺はぼーっと切れた人差し指を見る。
あの手紙が来てから、自分でも上の空だと思う。
こんな状態で、明日戦えるのかな…
「さ、さもくん…ってさもくん!?指どうしたの!?」
部屋に入ってきたななっし〜が、俺の人差し指を見て慌てだした。
「え、あ…」
「えっとえっと、どうすれば…」
「だ、大丈夫だよ。絆創膏あるから…」
俺は机の引き出しから絆創膏を取り出して人差し指に貼る。
「よ、良かったあ…」
「人差し指ちょっと切っただけなのに、ななっし〜は大袈裟だなあ。」
「だって…心配で…」
「それで…どうして俺の部屋来たの?」
俺がそう言うと、ななっし〜が俯く。
「………私おどろくさんに我儘言って、明日行かせてもらえることになったけど…どうしても不安で…」
…ななっし〜も同じなんだ…って
「ななっし〜明日行くの…!?」
「うん…だって私だけ家にいるわけには行かないもん…!」
ななっし〜の目は、俺よりずっと覚悟を決めた目だった。
………
ななっし〜は戦うことに怯えてるみたいだったけど…
もしかしたら俺が知らないだけで、ななっし〜はちゃんと成長してるのかもしれない。
「…大丈夫だよ。」
「…え」
「きっと…明日は大丈夫だと思う。」
俺はあの時みたいにななっし〜のことを抱きしめる。
「………あれ」
俺の体は震えてて、目から涙が出てた。
「…さもくん、大丈夫だよ…」
ななっし〜が俺の背中を擦る。
「う…うぅ…」
ずっと抑えてた、不安とか、辛さとか、裏切り者がいた悲しみが今になって出てきたらしい。
かっこ悪いなあ…
でも安心する。
「……………」
俺、凸もりはドアノブに掛けていた手を離し、その場を離れた。
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