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バスルームから聞こえる、舘さんの使うシャワーの水音。そして、心なしか鼻歌も一緒に。

緊張と背徳感でこっちはいっぱいいっぱいだというのに、舘さんは全く悪びれる様子もないどころか、余裕さえ感じる。


さっき言われた。


❤️「こういうのはね、深刻に考えちゃだめなんだよ」って。


照のことで腹いせに抱かれにきたとか、そういう事情も汲んでもなお、舘さんは楽しむつもりでしかないらしい。

ま、その方が気楽でいいけど。






なぜこんなことになっているかと言うと。

俺は照とついに喧嘩になったのだ。


出発が明日に迫ったというタイミングで、俺は我慢できず照の家に押し掛けた。


💚「やっぱ行くの、やめてくんない?」

💛「急にどうした?」


照は、荷作りの手を止めて、俺を見た。

その目線には、驚きしかない。俺が欲しい罪悪感とか心配、とか振られるかもしれないと感じる恐怖とかそういうのが全く抜け落ちている。

ただ、単純に戸惑いとか困惑とかそういったものの色しかなくて俺は不機嫌を隠すことができなくなってしまった。


💚「彼氏が他の男と旅行とかヤダ」

💛「え?いまさら?」

💚「いまさら?」

💛「阿部、平気そうにしてたじゃん」

💚「は?」

💛「だから気にしないのかと思って。相手、ふっかだし」

💚「気にするわ」

💛「マジか」

💚「マジだよ」

💛「んー。でも、今回は…ごめん」

💚「なんで」

💛「もう色々段取った後だし、旅行は阿部と付き合う前からの約束だったし」

💚「俺がわがまま言ってるっていうの」

💛「気持ちはわかるけど」

💚「わかってねーじゃん」

💛「……ごめん」

💚「もういい。後悔すんなよ!?」



そう言って、俺は照の家を飛び出してきた。

照は追いかけて来なかった。


売り言葉に買い言葉なんて、俺にしては珍しいけど、それだけ結構真剣に照のことが好きなんだよ、わかれよ。


俺は舘さんに電話を掛けた。

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