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きなこ ペア画ちゅー
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#メメントリ
❀ 花惇 ✿
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昼休み。
俺はいつものように、机に突っ伏して寝ていた。
昼飯を食べた後は眠くなる。
それだけ。
別にサボってるわけじゃない。
桃「……いるま、また寝てんの?」
聞き慣れた声がして、薄く目を開ける。
顔を上げなくても誰だかわかる。
らん。
紫「別にいいだろ。昼休みなんだから」
桃「そういう問題じゃないでしょ。午後、体育あるじゃん」
紫「知ってる」
桃「じゃあ起きろよ」
紫「やだ」
そう返すと、桃が小さくため息をついた。
……ほんと、こいつは真面目だな。
俺なんか放っておけばいいのに。
それなのに、わざわざ俺のところまで来て起こそうとしてくる。
桃「……ほんっと自由だな、お前」
呆れたような声。
なんとなく顔を上げる。
目の前にいる桃と目が合った。
……近い。
こいつ、こんな顔してたっけ。
少し困ったような顔。
でも、俺のことを本気で心配してるのがわかる。
なんとなく、もう少し見ていたくなった。
紫「らん」
桃「……なに」
名前を呼んだだけなのに、桃が少し警戒したように俺を見る。
紫「お前、俺のこと気にしすぎじゃね?」
桃「はぁ!?」
一気に顔が赤くなる。
……わかりやす。
桃「そ、そんなんじゃないし! ただ寝てたら先生に怒られるだろって思っただけ!」
紫「ふーん」
桃「なに、その顔!」
紫「別に」
思わず笑ってしまう。
なんだろう。
こいつ、からかうと面白い。
紫「……かわい」
桃「は?」
しまった。
口に出てた。
紫「なんでもない」
桃「絶対なんか言っただろ!」
紫「言ってない」
桃「言った!」
騒ぐ桃を見て、また笑う。
そのとき、少し離れたところから赤が声をかけてきた。
赤「お前ら、昼休みから仲良いな」
紫桃「「仲良くない!」」
……見事に声が重なった。
俺と桃で顔を見合わせる。
桃「……こいつと一緒にすんなよ」
桃がぷいっと顔を逸らした。
その横顔を見ながら、俺はまた笑っていた。
*
放課後。
教室を出ようとしたところで、窓の外を見る。
雨。
桃「……最悪」
声が聞こえて、振り返る。
桃が窓のところに立っていた。
どうやら傘を持ってきてないらしい。
……あいつ、雨の日に傘忘れるとか。
紫「らん」
桃「……いるま?」
俺が声をかけると、桃が振り返った。
紫「帰んねぇの?」
桃「雨降ってきたから……」
紫「傘は?」
桃「ない」
やっぱり。
俺は赤から借りていた傘を鞄から出す。
本当なら、一人で帰ればいい。
なのに、
紫「じゃあ一緒に帰る?」
自分でも、なんでそんなことを言ったのかわからなかった。
桃「……え?」
紫「俺、傘あるから」
桃「いや、いいよ。俺、雨弱くなるまで待つし」
紫「いつ弱くなるかわかんねぇだろ」
桃「でも……」
紫「ほら」
紫は桃の腕を掴んで玄関まで歩く。
桃「ちょっといるま、なにすんの」
紫「うるせぇ、ほら」
紫が傘を開く。
紫「入れよ」
桃は少し迷ってから、俺の隣に入ってきた。
桃「……お邪魔します」
紫「なんだよ、それ」
桃「だっているまの傘だし」
紫「別に俺のじゃねぇ」
桃「じゃあ誰の?」
紫「なつの」
桃「まさか、とったの?」
紫「違う、快く貸してくれたの」
桃「…なっちゃん可哀想」
紫「大丈夫だよ、あいつはあいつでこさめと帰ってっから」
桃「えっこさめ!?うらやましぃ……」
……なんだよ。
こいつ、そんなに瑞と帰りたかったのか。
……まあ、どうでもいいけど。
そんなことを考えながら歩く。
ふと横を見る。
桃がいる。
いつもより近い。
傘が狭いせいで、肩が触れそうな距離。
なんとなく意識してしまって、俺は前を見る。
……なんだこれ。
別に、桃と帰るだけだろ。
なのに妙に落ち着かない。
すると、桃が少し俺から離れた。
桃「……」
そっちに行くと濡れる。
紫「……らん」
桃「なに?」
紫「そっち行くと濡れる」
桃「え?」
俺は傘を桃のほうへ傾けた。
紫「もっとこっち」
桃「……でもいるまが濡れるじゃん」
紫「俺はいい」
桃「よくないだろ」
紫「じゃあ近づけよ」
言った瞬間。
桃が固まった。
桃「……っ//」
……顔、赤。
少しして、桃が俺の隣に戻ってくる。
桃「これでいい?//」
紫「ん」
近い。
さっきよりずっと。
でも、不思議と嫌じゃない。
むしろ――
このままでいい気がした。
*
しばらく無言で歩く。
雨の音だけが聞こえる。
なんとなく、この時間が終わってほしくないと思った。
……なんでだろう。
紫「なぁ、らん」
桃「なに?」
紫「俺らってさ」
桃「うん」
紫「いつからこんな普通に一緒に帰るようになった?」
桃「……知らないよ」
桃が小さく笑う。
その笑顔を見て、胸の奥が少しだけ変な感じになった。
俺は誤魔化すように笑った。
紫「だよな」
それだけ言う。
でも、頭の中では別のことを考えていた。
――明日も、こいつと帰れたらいいな。
そんなことを思ってしまった自分に、少し驚く。
まだ、この気持ちが恋だなんて。
俺は知らなかった。
ただ、
なんとなく、
桃のことが、気になっていた。