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夏が終わろうとしてるこの日。

「じゃあ行こっか」

「うん!!」


私達は、今日、天界に行く。


約束の合言葉は


『夏はこの世へ、夏以外は天界へ』








水西洸神社の連なる鳥居をくぐると、

その先は白く輝く何処かだった。

目が慣れて、

周りを見渡すとそこには沢山の動物や

見たことの無い建物があった。

「お、__久しぶり〜」

「元気だった〜?」

「あれ?やっと見つかったんだ」

「ついに__もこの時か〜」

色々な声が聞こえる。だが、姿は見えない。

所々聞こえない言語は私だけ聞こえないのだろう。

「結衣、行こう」

「うん」

そう言って私は海について行った。


「ここ、結衣の部屋ね」

そう言って案内された場所は

一言で言うと大きな『庭』だったのだ。

普通の庭と違う点は、

沢山の動物が居るということ。

私が目を輝かしていると、

「気に入った?」

と言いいながら海は私に微笑んだ。

「もちろん!!」


なんだか天界に来てから海が大人びた気がする。

前までは海が年下で私が年上のような

立場だったのに、、。

これじゃ、形勢逆転じゃないか。








天界で過ごして1年程経った。

「もう少しで夏だなぁ〜」

「夏になったらあっちの世界行く?」

あっちの世界か、、。久しぶりに行きたい。

というか未夢にこのこと言ってないから

心配されてそうだ。

尚更行かなきゃならない気がしてきた。

「行く!!」

「了解〜」







そうして夏はすぐに来た。

「あー、、暑っつ、、」

久しぶりの暑さだ。

「結衣、会いたい人、居るんでしょ?」

「僕、ここで待ってるから会いに行ってきていいよ」

「ありがと!行ってきます」

「行ってらっしゃい」


「未夢!!!!」

そう言いながら私はチャイムを鳴らす。

「結衣!?!?」

そんな声と共に、勢いよくドアが開く。

「どこ行ってたの!?」

私は今までのこととこれからの事を話した。

「急に居なくなったからびっくりしたんだけど!?」

「ごめんごめん〜、言うの忘れてた」

「めっちゃ心配したんだからね!?」

「すいません、、」

「とりあえず、無事で良かったわ!」

「夏しか会えないのは悲しいけど、

うるさいのが居ないからいっか」

「え!?酷くない!?」

「冗談だってw」

「びっくりした、、」

「天界って楽しい?」

「うん!」

「じゃあ良かった」

そう言いながら未夢とびきりの笑顔で笑った。



「じゃあまた来年!!」

「またね〜」

そう言って自分達の居場所へ帰った。


「海〜遅くなってごめん!!」

「大丈夫だよ〜」

「帰る?」

「もうちょっとここにいる!」

「分かった」


もう少しだけ

この心地いい懐かしさに居させて。





.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺ ⊹˚.


あるところに運命の人に出会うために

運命の人探しをしている女の子が居ました。

そこで出会ったのはある男の子でした。

その男の子と女の子は

小さい頃に会っていましたが、

女の子は覚えていませんでした。


ある日、女の子は突然、

その男の子のことを思い出しました。

女の子はこの男の子を運命の人だと思っていました。

元々、男の子は女の子を好きで、

女の子に告白をしました。

そして、女の子と男の子は付き合いました。

男の子は女の子にあることを言いました。

それは、男の子がその女の子の

夏の守り神だということでした。


後に、その女の子と男の子は

『最初で最後の神様と人間の結婚』

になりましたとさ。めでたしめでたし。


.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺ ⊹˚.

「───めでたしめでたし」

「ねぇねぇママ?これってパパとママ?」

「どうだろうね」

「教えてよ〜!!」

「秘密」

「むぅ、!!」

「パパに聞くからいいもん!!」



私の恋は夏限定でした。







【番外編】〜私の友達は夏限定〜


私の友達はよく運命の人探しをしていた。

正直私は運命の人なんて居ないと思っていた。

この世の中に、運命の人という者が

運良く現れるわけが無い。

そう思っていたからだ。


だが、

ある日その友達から1件のメールが送られてきた。

そのメールには、

『私の運命の人見つけた!!』

と書いていた。


多分、運命の人は

『運命の人』

を信じている人の前にしか現れないのだろう。

だから、今まで私の前に運命の人なんて

現れなかった。ただそれだけのことだ。

でも、少しだけ私の心には

『羨ましい』

という気持ちが居た。何故だろう。


そのメールが送られてきて3日後、

その友達は突然、消息不明になった。

メールをしても未読無視。

学校にも来ていない。

でも何故だか皆は、私の友達の話をしない。

何故だろう。


もう、忘れてしまったのだろうか?


そんな言葉が頭によぎる。


でも、そんなことは無かった。

春が終わり、夏が始まろうとしている日、

その友達は私の家のチャイムを鳴らした。

私は驚きながらも

急いで今までどこに居たか聞くと、

その運命の人と結婚して天界に行ったらしい。

そして、その運命の人は小さい頃に会ったこと

があってその人は夏の神様だという。

私は情報量が多すぎて、

頭がパンクしそうだったが、

何故だかその友達らしく思った。


いつも友達は私が予想している斜め先のことをする。


その友達は、夏にはこっちに来れるが、

夏以外は天界に行くらしい。

正直、私はその友達が幸せならそれでいい。



そんな会話も終わり、

私達は自分達の居場所へ帰った。





私はその友達が帰ってから、

大粒の涙を零して泣いた。

友達が生きていた安心感。

夏以外はその友達と会えない寂しさ。

そんな感情が一気に涙となって溢れた。




次に、

友達が出来たら私はその人にこう言うだろう。



私の友達は夏限定です。


と。

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コメント

1

ユーザー

感動する…😭

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