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※わなかぶです。初挑戦です。



…何で、好きになってしまったんだろう。

艶のある金色の髪。

端正な顔立ち。

鍛え上げられた剣術。

そして、カタギに優しく、外道を許さない心―。

初めて会ったときから、俺はあの人が…和中の兄貴が好きだった。俺がまだペーペーでミスをしたりなんかすると、苛烈なヤキをよく入れられたもんだが、俺の命が危険な時は必ず助けてくれた。傷の手当てだって、入院したときの見舞いだって、欠かさずしてくれて…

勘違いなのは分かっている。けれど、惚れずにはいられなかった。



今日も、兄貴と共にシマを荒らした奴等を粛清し、帰路についていた。

そんな時だった。

和中「…む、雨か…」

小峠「事務所まではまだまだありますし…どこかで雨宿りしますか」

和中「とりあえず、最寄りの建物に入るぞ」

和中の兄貴は俺の手を引き、近くの建物へ入っていく。

この時、俺は何で気が付かなかったんだろう。兄貴と一緒に入った建物がラブホだったってことに…



小峠「止みそうにないですね…」

和中「…」

ふと、和中の兄貴が俺の顔をじっと見つめていることに気付いた。

小峠「?…どうかしましたか?兄貴」

速まる鼓動をどうにか押さえ、平静を装って兄貴に訊ねる。

和中「あぁ、…すまない。……」

和中の兄貴は何かを言い渋っている。

小峠「何か…言いたいことが?」

和中「…華太の顔が、とても白く美しく見えてな…それでつい見入ってしまったんだ」

小峠「っ!…」

心臓の音がもはや耳から聞こえているような気がした。まだ、勘違いしてんのか。俺はっ…!

小峠「…」

もう、我慢できない。俺は想いの限りを兄貴に話した。

小峠「俺は、ずっと貴方が好きでした。ずっと俺のことを気にかけてくれて、危なくなった時には助けてくれて…惚れないわけがなかった」

自分では気付いていなかったが、俺の目には涙が溜まっていた。そのせいで視界がぼやける。

和中「…俺も、お前がずっと好きだった。先刻の顔も、そして今の顔も、俺にとっては何物にも代えがたい程愛らしく見える。

…こんな気持ちは初めてだ」

このときの俺の気持ちは、どうにも言い表せそうにない。そんな俺に気付いているのかいないのか、和中の兄貴は言葉を続ける。

和中「兄貴分として愚かな感情だというのは承知している。だが、お前には俺だけを見てほしい。俺だけに、お前に触れさせてほしいんだ」

俺は静かに頷いた。兄貴が俺の唇に触れる。優しく手を握って、ベッドに寝かせてくれる。

和中「…華太」

―今夜は、一緒に寝ようか―。

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