2B視点
敵超大型兵器は倒した
9Sの機転のおかげで私達は死なずに済むのかもしれない
そんな夢は打ち砕かれる
敵超大型兵器の看板に落ちた私は倒した超大型兵器周囲から敵性反応を感知していた
私が感知できるほどの敵性反応となると9Sはとっくに気が付いているんだろう
私は身体を起こしポッドに周辺の状況の説明を求めた
ポッド042「報告…超大型兵器同時3体出現を確認」
ポッド042「現状況について記憶と一致」
ポッド042「9Sのパーソナルデータ、記憶データのバックアップは完了している」
2B「わかった…後は私のデータバックアップだけお願い」
ポッド042「現在対応中だが超大型兵器の出現により電波妨害が発生中データバックアップに時間を要する」
2B「…」
すると9Sが飛行ユニットに乗って看板へ降りてきた
9S「2B!大丈夫ですか!?」
2B「あぁ私は大丈夫だ」
9Sがポッドに私の怪我の治療のため止血ジェルと論理ウイルスワクチンを出すよう命令している
2B「ここで治療をしても意味はない、早く9Sは逃げて」
9S「何を言ってるんですか2Bは!」
9S「そんなこと…出来るわけない決まってるじゃないですか!」
9S「飛行ユニットになんとかして2人で乗って戦線を離脱しますよ」
私の治療を慣れた手付きで進める9S
その時だった
敵のミサイルが飛んできて咄嗟に私は9Sに覆い被さった
鈍い音が看板に響き衝撃波が疑似皮膚に伝わってくる
私はミサイルが止んだので顔を上げる飛行ユニットが破壊されていた
2B「飛行ユニットが…」
9S「そんな……」
9S「ポッド!脱出経路の再模索と司令部への連絡を______」
9Sの声を遮って私は名前を呼んだ
2B「9S…」
2B「脱出は…不可能に近いよ」
9Sは必死に訴えた
9S「不可能なんかじゃない!少しでも生き残れる確率があるなら二人でっ…」
私は9Sの手を握り言った
2B「9S、君には…付き合わせてしまうことになるけれど……ブラックボックス反応で敵の一掃をしよう」
そう言うと9Sは黙り込んでしまった
9S「…嫌です」
9S「僕だけならともかく、2Bまでなんて……そんなのダメですよ…」
2B「お願い」
少し間を空けて9Sは口を開いた
9S「それなら少し時間をください」
私は間髪入れずに9Sに静かに話す
2B「それは出来ない、今は時間がない」
9S「でもっ…」
なきそうな9S
それでも私は……君を救う為に
2B「お願い…9S」
私は未来を変えるんだ
9S「…わかり……ました…」
渋々私の言葉を受け入れてくれた9S
すぐさまポッドにバックアップ状況を確認した
ポッド042(バックアップはつい先ほど完了した)
なんと心強い相棒なんだろうか
2B(ありがとうポッド)
私はポッドとのネットワークで感謝し自身のブラックボックスを胸元から引き出した
9S「…ブラックボックス反応による敵戦力の破壊を…申請……」
『申請を…許可します』
9Sがブラックボックスを掲げる
9S「貴方と共に戦えて…光栄でした」
2B「私もだ」
私は9Sに笑いかけそしてブラックボックスを交えた
瞬間…
眩い光と大きな衝撃が身体に伝わり私の意識は途絶えた
ボディユニットとの再接続を確認し再起動する
眼を開き身体を起こす
白と黒の単調な視界が広がる
どうやら無事バンカーに戻って来れたようだ
2B「ポッド、9Sは?」
ポッド042「9Sは再起動シーケンス中、あと数分で完了する見込み」
2B「記憶は…?」
ポッド042「バックアップデータを無事定着完了している」
2B「よかった…」
私はベッドから立ち上がるとゴーグルを付け直し自室を出た
9Sの部屋へと急ぐ
ドアを開け中へと入る
ベッドで横になっている瞳を閉じた9S
ポッド042「司令官からの通信」
ポッドがホログラム通信を展開する
司令官「2B及び9Sの任務遂行を確認した、自爆による破壊とは…あまり無茶をするなよ」
2B「はい…」
司令官「話は変わるが9Sの再起動が終わったら9Sと一緒に司令部まで来てくれ」
2B「了解しました」
私は通信を切り9Sのベッド横にある椅子に座ると9Sの再起動完了を待った
しばらくして…
ポッド153「ヨルハ機体9S…再起動完了、おはようございます9S」
9S「…うんおはよう」
9Sは身体を起こし私を見た
9S「2B…」
2B「戦闘前に私と9Sのデータをポッド達にお願いしてバックアップしてもらった」
2B「データに不備はない?」
9Sが数秒確認作業をする
9S「はい、不備はなさそうです」
2B「そう…ならよかった」
9S「あの…2B」
2B「なに」
9S「僕のデータのバックアップをしてくれてありがとうございます」
2B「9S、貴方はもっと自分を大切にして」
9S「…」
9S「はい…わかりました」
2B「わかったならいい、司令官が呼んでるから一緒に行くよ」
私と9Sは部屋を出て司令部へ向かった
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