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ふっかがかぜを倒した日から、一ヶ月経った。
涼太の部屋の窓から見える木に、ピンク色の花が咲き始めた。
毎日数が増えるから、最近は朝起きたら涼太と一緒に何個になったかなって数えてからみんなに「おはよう」って言いに行ってる。
今日も昨日より十個増えてたからみんなに教えてあげようと思って居間に行ったら、部屋の中がいつもとちょっと違ってた。
「ラウー、そっち持って」
「はーい」
「端っこね」
「入学式したときの画鋲の穴あってよかった、この柱固かったんだよね」
「あれからもう一年経ったのか」
「早いねぇー…ハタチ超えてから余計に早くなった気がしてる」
「そんなもんだよ。でも、大人も悪くないでしょ?」
「うん!毎日楽しい!改めて、今のこの生活とこの人生にありがとー!って感じ」
「若いね。そう言ってもらえるのはすごく嬉しいけどね」
「えへへ!よーし!早く終わらせちゃお!」
「でもさ、流石に朝からやらなくてもよかったかもね。夜からでしょ?」
「いいじゃん!だって今日はなんてったって…」
照とラウールは何してるんだろう。
俺の「にゅうがくしき」をみんながやってくれたときみたいな紙の輪っかを壁につけてる。花みたいなのもたくさんくっついてる。
わからないから聞いてみようかな。
「照、ラウール、おはよう。何してるの?」
「あ!しょっぴー、坊!おはよう!飾り付けしてるの!」
「かざりつけ?」
「翔太、坊ちゃん、おはよう。今日は特別な日なんだよ」
「特別?」
「そうそう!今日は坊の誕生日なの!」
「たんじょーび?」
「去年もやったの覚えてる?坊ちゃんが一歳になった日にみんなでお祝いしたの」
「あ、うん。覚えてる」
少し前に涼太が一歳になったときのことは覚えてる。
いつもよりみんながうるさかった日だ。
ずっと笑ってて、おっきな声で楽しそうに喋ってた。
「たんじょーびってなに?」
「その人が生まれた日のことだよ。みんな一年経つごとに一歳年を取るの。その度におめでとうって言って、お祝いをするんだよ」
「じゃあ、涼太は今日二歳になったの?」
「そうそう!健康で何事もなく歳を重ねられた、生きられたってことをみんなでお祝いする日なの」
「そうなんだ。涼太、おめでと」
「ぁぅ!ちょた!まんま!」
また言葉を覚えた。
たんじょーびには「おめでと」って言うのか。
使ってみたかったからすぐに伝えてみたけど、涼太はそれよりご飯のほうが大事みたい。
「康二にご飯もらってくる」って照とラウールに伝えてから台所に行った。
長い布をくぐって中に入ったら、今日は康二の隣に阿部ちゃんがいた。
「康二、阿部ちゃん、おはよう。涼太腹減ったって」
「おー!しょっぴー!坊!おはようさん!」
「翔太、坊、おはよう。朝ごはん、ちょっと待ってね。もうお皿に盛るだけだから」
「ねぇ阿部ちゃん」
「んー?なぁに?」
「みんなにもたんじょーびあるの?」
「ん…?あるよ。今日のことは誰かに聞いたみたいだね」
「うん。生まれた日がたんじょーびで、一年経ったらおめでとって言うんだって照とラウールが教えてくれた」
「そっかそっか」
「俺、みんなのたんじょーびにおめでとって言う。だからいつ来るのか教えて」
「ふふ、優しいね。ありがとう。ご飯食べながら教えてあげるね」
「うん。ありがと」
「ぐすっ…、ええ子やなぁ…ありがとうって言えるようにもなって…坊と一緒にしょっぴーも成長してんねやな…っ、」
「康二…、泣くの早くない?」
「阿部ちゃん無理やって…こんな尊いことが他にあるか?っちゅー話やで…っ」
「いや気持ちはすごいわかるよ?今心の中で必死に悶えてるもん。でもね!?この子の前ではいつでも「カッコいいお兄さん」でいたいわけ!!日々成長していくこの子たちがノンストレスでいろんなこと学べるようにそっと手を差し伸べ続けていたいわけ!!この葛藤!この喜び!俺が今この瞬間を、表面上のみ平静を保った状態で話してるこの頑張りが何故わからない!?」
「相変わらず拗らしてんなぁ…この強火担は…」
「…んー?なぁに?」
「さっきしょっぴーにしてた返事と全くおんなじハズやのに、圧感じんのはなんでやろか…」
「手止まってるよ?今日は朝から大忙しなんでしょ?だから俺がここにいるわけだし」
「すまんすまん、そんなカリカリせんとってや。今日は夜までほんまおおきにな」
「いいのいいの、こんな素晴らしい日になにかできることが幸せ」
康二はなんでか泣いてて、阿部ちゃんは右手に長い箸を持ちながら腕をおっきく振って怒ってる?苦しんでる?わかんないけど、とりあえずなんか叫んでた。
そろそろ涼太が腹減りすぎて泣きそうな気がしたから「ご飯どれ持ってっていい?」って聞いたら、二人とも慌ててご飯をお皿に入れ始めた。
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みんなでご飯食べてたら、ふっかが喋り始めた。
「今日の夜、親父がお帰りになる。ほんで、やることもう一回整理ね」
「「「はーい」」」
「まず康二と阿部ちゃんがご馳走担当」
「一週間前からメニュー考えてたんよ。よろしくな阿部ちゃん」
「できる限りのことは頑張る。得意なわけじゃないからあんまり期待しないでね?」
「なに言うてん!ほんまいつも頼りにしてるわ!阿部ちゃん料理うまいで」
「ふふ、ありがと」
「じゃあ次、照とラウールね。朝からありがとね、引き続き飾り付けよろしく」
「はーい!僕のセンスいい感じでしょ?」
「…うん。ラウールの配色センスは奇抜だね」
「岩本くん、絶妙な褒め方するね」
「まぁ、俺たちは多分パワーとタッパ要因でしょ…」
「…なんとなく言いたいことわかったかも…」
「まぁそうなんだけどあえて言わなかったんだから勝手に落ち込むな?次、目黒と佐久間と俺は、いつも通り掃除」
「はいはーい!雑巾掛け競争しようぜ!今日こそ絶対勝つ!」
「佐久間くんそれ言い続けて何年経ちました?」
「まぁ十五年は軽く経ってるな」
「おぉい!ふっかバラすなよー!いつか勝てるかもしんないじゃん!」
「はいはい、やってやるから騒ぐなって。そんで、最後に翔太は坊と遊んでてくれる?」
「わかった。それだけでいいの?」
「うん、すげぇ助かるよ。よろしくな」
「うん、いいよ。今日はみんな仕事しないの?」
「おう、今日はみんなお休み」
「へー」
今日は勉強も特訓もおやすみみたい。
みんなもおやすみ。照は外に行かないし、阿部ちゃんもラウールもやることがあるみたい。
俺のやることは、涼太と遊ぶことだって。
やることはいつもとあんまり変わらない。
なにして遊ぼうかな。
朝ごはんの時間が終わったあと、涼太の部屋に行った。
この間、阿部ちゃんがくれた塊で遊ぼうかなって思ってるんだ。
むにむにしてて、いろんな色がある。
袋に「かみねんど」って書いてあって、端っこにちっちゃく「2才からあそべます」ってことも書いてあったの。
だから、涼太は今日からこれで遊べるんだよ。
一緒にやろうって思ってたから、開けずに取っておいたの。
俺もやったことないけど、後ろにやり方が書いてあったから読みながら教えてやろう。
袋を破いて中に入ってた白い塊を出してみたら、ひんやりしててむにむにしてて、触ってて面白かった。
「えっと……、ちぎる…こう?…あ、できた」
使い方を読みながらねんどを引っ張ったら、ぶちって取れた。
ちっちゃくなったやつをもう一回引っ張って、半分にして、涼太に渡した。
「涼太、はい」
「ぁぅ、まんま?」
「違うよ。食えない。こうやるの」
「ぅー!にー!きゃきゃ!」
白いねんどはゆで卵みたいに見えるから、食べれるって涼太は思ったみたい。
手でころころして丸めるって書いてあったから、真似して教えてみた。
だけど、涼太はねんどを右手で握ってぶんぶん振り回してた。
書いてある遊び方と違うけど、涼太が楽しそうだからいっか。
前に描いたことがあるパンダを作ってみようと思って、黒いのも袋から出してころころする。
床に置いてた黒いねんどを涼太が掴んで、ぷちってちぎった。
両手に白と黒のねんどを握って、またぶんぶん腕を振ってる。
涼太の口から「ふんっ!ふみゅっ!ふぬっ!」って、こいつの腕が動くのと一緒に声が聞こえてくる。
口に入れないように涼太を見ながら、パンダの顔を作っていった。
こんな感じだったと思うって思い出しながら体も作って繋げたら、またおばけみたいなやつができた。
「…なんだこれ?」
袋に描いてあった写真のやつと全然違くなっちゃった。
俺が前に絵で描いたやつには似てる。
あとでみんなにも見せてみよう。
「ぅーあ!めぅ!ぅりゃ!」
涼太は、にぱって笑いながら二つのねんどをくっつけたあと、ぐちゃって握りつぶして灰色の塊を作って笑った。
涼太といろんな色のねんどを混ぜて新しい色を作ってみたり、犬とかうさぎとかの動物を作ってみたりしてたら、康二が部屋に入ってきた。
「お昼ご飯の時間やで、一回おしまいにしよか」
「わかった」
「お、なん作ったん?」
「俺パンダ作った。涼太はこれ」
「……パンダ…やな!そう言われてみればパンダやな!坊のこれは…なんや…?」
「わかんない。花かなって思ってた」
「おぉ、花か。…確かによーく見てみたら、この辺とか花びらみたいにも見えるな。坊は天才かもしれん。赤いから薔薇か?」
「ばら?」
「そういう花があるんよ。花には一個一個名前ついてんのやで」
「じゃあ、あれにも名前ある?」
「お?あれは桜や」
「さくら、今日は十個増えてたんだよ」
「ほうか。綺麗やね」
「うん。さくら好き。涼太と毎日何個咲いたか数えてる」
「ほうかほうか。そんな話聞いたら阿部ちゃん倒れそうやな」
「?」
「気にせんでええよ。メシ食い行こや。今日はうどんさんや。夜がっつりやからな」
「うん。うどんもすき。涼太行くぞ」
「んむ!ぁ!ぁっこ!」
「うん、おいで」
お昼ご飯を食べ終わった後は涼太はお昼寝する時間だから、部屋まで連れて行って布団に寝かせた。
薄い毛布をかけて、お腹の上をポンポン叩いてたら涼太はすぐに寝ちゃった。
すぐにそばから離れると起きて泣くこともあるから、もうちょっとだけ叩いてようって思ってたら俺も眠くなってきた。
目が開かなくなってきてそのまま寝て、はってして起きてまた寝てって繰り返してるうちに、佐久間と特訓してるみたいな気がして、「あ、今夢見てる」って思ったら、もう全然目が開かなくなってた。
目が覚めたら、涼太は起きてて隣に座ってた。
自分だけで立ってみたり、またすぐに座ったり、近くにあった涼太のおもちゃをかじってみたり、一人で遊んでた。
「涼太、おはよう」
「んきゅ!」
「喉乾いたね」
「ぁじゅ」
涼太と二人で台所に行って、冷蔵庫から麦茶を出した。
ストローがついたコップに麦茶を入れてこぼれないように蓋をしめる。これは涼太の。
俺はいつも使ってる自分のコップにお茶を入れて飲んだ。
喉乾いてたからあっという間になくなっちゃった。
もう一回入れて飲もうかなって思ったけど、お腹いっぱいになっちゃったからやめておいた。
涼太のコップはそのままこいつに持っててもらって、もう一回涼太を抱っこして台所から出ていった。
部屋に戻ってたら、遠くからたくさんの足音が聞こえてきた。
誰か来るって思って止まって待ってたら、角からふっかと目黒と、ちょっと遅れて佐久間が飛び出してきた。
みんなで雑巾掛けしてた。
「やばい!きつ!ラスト…っ!んにゃぁぁあッ!」
「くっそ…!あの人雑巾掛けも早いのかよッ!!」
「おめえら遅えぞー、掃除するとこまだ全然残ってんだからなー」
三人とも楽しそう。
俺もやってみたい。
ふっかと目黒に置いてかれてる佐久間に話しかけてみよう。
「ねぇ佐久間。俺もそれやってみたい」
「おー!翔太!いいよ!」
「どうやるの?」
「雑巾に両手ついて、そのカッコのまま走るの、やってみ!」
「わかった。佐久間、涼太抱っこしてて」
「おっけー!坊おいで!」
「ぅま!ちゃ!」
「くぅ…っ…!やっと泣かれずに抱っこできるようになってきた…!」
「ここに手置いて…走る…、っふ…!」
佐久間に教わった通りに走ってみたら、すすすーって進んで行った。
廊下の板が次の板にどんどん変わっていって、面白い。
壁にぶつかる前に止まって走ってきたところを見たら、床がぴかぴかになってて嬉しくなった。
「楽しかった?」
「うん。楽しい。綺麗になるの、嬉しい」
「そっかそっか、翔太は掃除が好きなのかもね」
「うん、これ好き。またやりたい」
「そっか!じゃあ今度からは翔太も掃除当番の仲間入りだ!」
「うん。俺もやる」
「にゃはは、ホントにいい子だなーっ!」
「やめてよ、頭ぐちゃぐちゃになっちゃったじゃん…っ」
「んははっ!手伝ってくれてありがとね、遊んできな?」
「うん、わかった」
「坊よろしくね」
「うん」
次は俺も掃除するって約束したあと、佐久間はまた雑巾がけして走って行った。
今度はなにして遊ぼうかなって考えながら部屋に戻った。
ねんどもやっちゃったし、したいことも思いつかなかったから畳の上に寝っ転がってみた。
ぽかぽかするから気持ちがよくて、気付いたら歌ってた。
この間お皿洗いしたときに康二が教えてくれたやつ。
「ん!ぅ!ぁ、きゃ!」
「…?涼太?」
歌歌ってたら、涼太が急に動きだした。
腕を振ったり、足をばたばたさせたりしてる。
歌うのをやめたらぴたって動きが止まって、俺の方を見た。
「……」
「うぁ?」
うーん。涼太はなんて言ってるんだろ。
「ちょた!んー!ぅー!」
「? 歌えって言ってるの?」
「ぅちゃ!」
「いいよ。康二が教えてくれたんだよ」
もう一回歌ったら、涼太はまた体を動かした。
腕も足も全部使って、手を叩いて、びょんびょんって体を伸ばして、なんだか踊ってるみたいだった。
楽しくなってきた。
笑いながら歌って、涼太も踊りながら笑って二人で遊んでたら、後ろから声が聞こえてくるなって気付いた。
振り返ってみたら襖のところに、びちょびちょの阿部ちゃんがいた。
服も髪も全部乾いてるんだけど、なんでか、びちょびちょだなって思ったの。
だって、顔が全部濡れてるんだもん。
「ぅ“ぅ“…っ…尊い…ッ、じゃすてぃす…ぐすっ」
「阿部ちゃんなにしてんの?」
「いないものだと思って続けてください…っ、ずびっ…」
「え。見られてるって気付いちゃったからやだ」
「気散らせちゃったねッ、ごめんねぇぇっ…!」
「いいよ」
「すんっ、はぁ…幸せだった …あ、そうだ。本当はちゃんと用があって来たの。あまりにも尊いシーンに立ち会っちゃったもんだから、ついつい目からなんか出てたみたい。そろそろ組長お帰りになるよ。お出迎え行こっか」
「そうなんだ。わかった」
阿部ちゃんと涼太と三人で玄関まで行って、いつもみたいにみんなで並んだ。
すぐに組長が乗ってる黒い車が門から入ってきて止まった。
みんなでおかえりって言ったあと、玄関に入った組長はこっちを見てからにこって笑った。
「みんなただいま。涼太、お誕生日おめでとう」
「二歳の誕生日ケーキはフルーツホットケーキかぁ!美味しそう!よかったね、涼太」
「ぁぃ!んま!!」
「生クリームはもう少し先やな思うて、今年はホットケーキと果物ぎょうさん用意したで!」
「阿部ちゃんが作ったのどれ?」
「ハンバーグ」
「は、はっ、、ハンバーグ…!?」
「え…苦手だった…? 」
「ううん、違うよ阿部ちゃん。めめは今ね、感動してんの」
「え?」
「佐久間くん、言葉にできない。あとはお願い…あむ…」
「人に説明させといてお前は食うのかよ!」
「んぐ…はぁ…っ、、く…っ…」
「食べながら泣いてる人初めて見た…こわ…」
「しょうがないよ。だってめめだもん。好きな人が作ったハンバーグだよ?卒倒モンでしょ」
「うんごめん。一つもわからない。」
「はぁ…そっか…。」
「えぇ…そんな悲しそうな顔しないでよ…ごめんね…?」
「なら阿部ちゃん、俺のお願い一個叶えてくんない…?そしたら元気出るから…」
「…嫌な予感……」
「ハンバーグに「萌」って書い…」
「断るッ!!!」
「はぁ、康二くんのご飯おいし〜。」
「今日は坊が主役やってん、唐揚げは無いねんけど堪忍な」
「ううん、僕、康二くんのご飯全部だぁい好き!」
「ほ、、ほうか…っ…」
「辰哉くん、体調はもう大丈夫なの?」
「はい、おかげさまで。すいません、心配かけて」
「ううん、元気になってよかった。心配くらいさせてよ」
「ふっか、顔にご飯ついてるよ。取ってあげる」
「いいって…!自分で取れる、っ!」
「ふふっ、やっぱり回復の妙薬は照くんだったね」
「親父ッ…!!」
涼太が一歳になったときもだったけど、今日もみんなはたくさん喋って笑って、楽しそうだった。
俺も楽しい。
ご飯もうまいし、涼太が組長と一緒にいる。
みんながここにいる。
みんなここで、俺も一緒に、生きてる。
毎日そうだけど、今日は特別。
「はぁ、ご飯美味しかったね佐久間くん」
「んね!阿部ちゃんのご飯食べれてよかったね」
「みんなといるとホント楽しいね!康二くん!」
「ほやねラウ。来年も再来年も、ずっとこんな風に過ごしたいわ」
「それは俺も同感。みんなの誕生日がくる度にそう思うよ。不思議な繋がりだったけど、今こうやってみんなと一緒にいられて本当に嬉しいよ」
「阿部ちゃんが内定辞退しないでいてくれてホントによかったよ。ありがとね」
「ふっかそれ毎年?毎イベント?で言ってるよ?」
「そうだったっけか?んまぁ、そんくらい感謝してるってことよ」
「ふふ、僕も辰哉くんとおんなじかな。ここにいてくれてるみんなに、本当に感謝してます。いつもありがとう」
「「「へいっ!」」」
「じゃあ、名残惜しいいけどおやすみの時間も近いし、そろそろ締めようか」
組長がみんなの方を見てから、涼太を抱っこした。
「涼太、改めてお誕生日おめでとう。涼太は僕の宝物。生まれてきてくれてありがとう。なかなか帰って来てあげられなくてごめんね。それでも、いつでも、どんな時でも涼太を想ってるよ。みんなと仲良く、元気に過ごしてね」
「「「坊!お誕生日おめでとー!」」」
今日は特別な日。
涼太のたんじょーび。
涼太の歳が一個増えた日。
みんなと、涼太と、俺がここで生きてる。
いつもよりも、今日はもっとそうやって思えて嬉しいって思う。
嬉しいから、涼太が元気に生きられてよかったって思うから、俺ももう一回伝えよう。
「涼太、おめでと」
涼太はみんなの声を聞いたあと、きょろきょろしてからにぱって笑った。
「ぁぃっ!!」
3.25 Happy Birthday,Ryota.
続
三文小説
コメント
4件
はぁぁぁぁ⋯⋯ 本当にこのお話自体が尊いっ✨ 幸せです⋯ありがとうございます⋯⋯⋯⋯

2歳から ダンスの才能垣間見えちゃう涼太くん バラ作っちゃう涼太くん🌹最高!