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プルルルプルルル
午後9時、ケータイ電話が鳴る。
「もしもし、今部屋にパソコン取り入ってるから、もう出るよ」
「分かった。もう家の前居るからね」
「はーい」
電話の奥で陰の笑い声が聞こえた。
おそらく、螢も居るだろう。
パソコンを鞄に入れ、急いで階段を降りる。
黒のスニーカーを履き、ドアを開けると、三人の姿があった。
「ほんとにごめんな、こんばんわ」
「「こんばんわ!」」
「うん、こんばんわ、あと緑、謝んなって、な?」
「うん、ありがとう。」
「おう!じゃあ、行くか」
真っ白なパーカーの背には真っ黒の羽が描かれている。
俺はフードを深く被り、先頭で歩く。
偽名で呼び合い、本性をだし、殺気をただ寄せる。
人通りの少ない道を出来るだけ通り、緑の親がもう使わないからと、貸してくれた家に向かう。
家につくと、早速ハッキング開始。
緑が言う特徴をハッキング用パソコンで打ち込み検索をかける。
いつもは30分くらいで終わるはずだが、俺はあることに気がついた。
“もう答えが乗っている”
素人やハッキング初心者からみたらすごくわかりにくいが、たしかに答えが乗っている。
「緑、終わったよ。」
「いつもより早くない……?」
「答えが早く乗ってたから。」
「そっか、ありがとう」
ハッキングはいつもより早く終わると、データを緑に送る。
すると、データを見た緑が眉間にシワを寄せて
「こいつらだ…」
と呟く
明らかに怒っている。
何があったかは詳しくは知らないが、多分、俺達誰が絡んでいるんだろうと言うことはわかった。
俺達が相手に怒りを覚えるのは、
毎回仲間を傷付けたか、裏で仲間の暴言を吐かれたか…そう、全部仲間絡みで怒りを覚える。今回もそうだろう。
「もう寝よ〜…?僕眠い…」
「そうだな、寝るか」
今日は夜も遅いし、皆、この家に泊まった。
「おやすみ、皆」
「「「おやすみ」」」