第18話:「中国の黒幕 」
🚷 シーン1:赫の影
星峰特区・第七観測塔。その最上階に、赫察総局の特務端末がずらりと並んでいた。赤を基調にした制服を着た赫察総局の幹部が、冷たい視線で部下に命じる。
「暗号接続を強化しろ。あの“ギア”という碧族、想定より手強い」
その男の名前は 赫良鎮(カク・リャンジン)。赫察総局のエースであり、“情報の断絶者”と恐れられる男だ。髪は短く刈り上げ、片目に銀の義眼をはめ、冷徹な笑みを浮かべる。
🚷 シーン2:潜入ギア
その頃、別の通信塔の地下にあるデータノードに、ギアが潜入していた。黒の戦闘ジャケットにメカニックベスト、ゴーグル越しに淡く光る目が不気味に沈む。
「……面倒な壁だな。こっちはフラクタルじゃない、アルゴリズムの勝負ってわけか」
ギアの腕の端末から、青い回路が走る。彼が口にしたのは、フラクタルではなく暗号命令。
《サイバースルー・キー》
画面に無数の中国語のコマンドが並び、システムの壁が少しずつ崩れ始める。
その瞬間、すずかAIの声が静かに耳へ届く。
「敵側、再構築中。ギア、現在のプロトコルでは5分が限界です」
「なら、その5分で暴いてやる」
ギアの指が踊るたび、赫軍兵団の情報が次々とモニターに表示されていく。
🚷 シーン3:暴かれる真実
ナヴィスとゼインは、ジャムツァと共に隠れ家の中継室でギアの映像を受け取っていた。ナヴィスはいつもの青い防弾ジャケットに身を包み、カメラを肩に乗せたまま、歯を噛みしめる。
「これが……中国政府の“計画”……」
画面に映っていたのは、赫軍兵団の最高機密――
「フラクタル戦争計画 - 世界秩序の再編」
すずかAIの声が、いつになく重く響いた。
「彼らは、“生きた碧族”をエネルギー源として、フラクタル兵器の大量生成を試みています」
ゼインは、黒のバトルスーツを軋ませながら拳を握りしめる。
「……あいつら、本気で“戦争”を起こすつもりか」
ナヴィスは唇を噛み、カメラの録画ボタンを押す。
「なら、俺たちはこれを世界に知らしめるしかない」
🚷 シーン4:赫察の逆襲
その頃、赫良鎮はギアの侵入を察知し、端末を叩きながら呟いた。
「……ギア。貴様の名は覚えた」
指が走ると、赫察総局の特殊ユニットが地下施設へ派遣される。
だが、そのとき既にギアは脱出していた。
「ログアウト完了。あとは、ナヴィス、お前らの舞台だ」
🚷 シーン5:情報の拡散
ナヴィスが暗号化されたデータを、日本の碧族情報機関へ送信する。ギアが作った特殊プロトコルが、赫察総局の監視網を欺きながら走る。
「送信完了」
「すずか、どれくらいで解析される?」
「最短で30分。これが外に出れば、世界が中国の本性を知るでしょう」
ナヴィスは静かに目を閉じ、そしてカメラを構え直す。
「次は……もっと踏み込むぞ」
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