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前回わずかに引用した、溢れかえる劣化コピー、そして自分たちを「神格化」あるいは「悪魔化」するクソリプの数々。
そのあまりの低能ぶりに、WARAUのメンバーたちは、ついに居ても立っても居られなくなった。
彼らは、問題を起こした2人に呼びかけ、動いてもらうことにした。
その際に一つだけ、約束を取りつけていた。
【“声”をむやみに荒げないこと。】
一方で、しばらくの間ではあったが隠遁生活を送っていた翔太とパレル。
二人はそれぞれ、別々の場所から、しかし呼応するように動画での声明を同時発信した。
そこに映っていたのは、かつての傲慢な支配者の顔ではない。
ただ、どこまでも深く、暗い「闇のはじまり」を見つめる二人の、剥き出しの横顔だった。
心象の、原風景
動画の中で、二人は淡々と、しかし「刺さりすぎる」事実を語り始めた。
「俺たちがなぜあんなことをしたか? 理由は一つだ。親が、ロボットにしか見えなかったからだ」
翔太の声は震えていた。
「家の中に、心を持った人間なんていなかった。父さんも母さんも、ただ『親という役目』をこなす機械だった。俺が何をしても、何を言っても、彼らにとって俺は『空気でさえなかった』。存在していないのと同じだったんだ」
パレルもまた、冷たい瞳で画面を見つめて語る。
「私の家も同じ。完璧なインフルエンサー、完璧な娘。パパとママが求めていたのは、それだけ。私の心なんて、最初から一ミリも見ていなかった。私は、全く居ないも同然だった」
「なんのために?」
その問いが、動画を見る者たちの胸を抉る。
彼らは、世界をあざ笑うことでしか、自分の「存在」を証明できなかった。
誰かを怒らせ、誰かに憎まれることで初めて、「自分はここにいる、空気じゃない」と実感できたのだ。
彼らの悪行の根底にあったのは、「無視」という名の巨大な暴力に対する、悲痛なまでの抵抗だった。