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そのDMを読んでから、俺の頭は真っ白になっていた。公式事務所からのメッセージ、そこには俺が犯人だという暗示があった。真実を隠し通すことができるのか、それとも真実を語らなければならないのか――
心の中で、何度も繰り返した。
「俺は犯人じゃない。」
でも、事務所からのメッセージには「誤解」と書かれていた。それが俺をさらに混乱させた。誤解?俺は一体どうすればいいんだ?答えが分からない。
心臓が高鳴っている。周囲の音も耳に入らず、ただ携帯の画面を見つめるばかりだった。その時、ふと目に入ったのが、「返信」ボタン。
「返すべきか?」
もし返事をしなければ、事務所はさらに調査を続け、俺のアカウントや過去の行動をさらに掘り下げるだろう。だが、もし返事をしたら――どうなる?
その時、頭をよぎったのは、ただ一つ。
「別に、何も知りません。」
俺がやったことは、ただの誤解だ。もちろん、俺が皇様を殺したなんてあり得ない。ファンとして愛していたし、彼女の配信を見て楽しんでいた。それに、どうして俺が犯人にならなきゃならないんだ?あんなこと、あり得ない。
無意識のうちに、指がスマホの画面を滑らせ、メッセージの返信欄に文字を打ち込んでいた。
「別に、あんたのことなんか何も知りません。」
短い、冷たい一文。送信ボタンを押す前に、何度も確認する。しかし、気持ちの中には後悔の余地などなかった。これが最善だ。証拠がないなら、否定するしかない。それが、俺の唯一の選択肢だ。
その瞬間、携帯画面に「送信済み」の文字が表示される。あの事務所に、俺の言葉が届いた。
だけど、俺の心はまだ落ち着かなかった。返信を送ったことで、事務所がさらに追い詰めてくるのではないか、そんな不安が胸に広がる。
不安と疑念に駆られて、携帯の画面を何度も確認した。もしかしたら、何か返事が来ているかもしれない――いや、もし来ていたとしても、それはまた俺を追い詰める内容だろう。そう思って、ついには画面を見ないことを決めた。
だが、結局、数時間後、もう一度スマホを手に取ってしまった。
画面を開くと、今度は新たなメッセージが表示されていた。
公式事務所からのメッセージ
「まずはご返信いただきありがとうございます。私たちは、誤解の中で行動されていることを理解しています。しかし、調査を続ける中で、行動がますます怪しく見えてきました。」
「怪しく見えてきた」?
その文字が、また俺を揺さぶった。もしこれが脅しだったら、どうする?もし本当に、俺が怪しいと思われているなら、どうやって説明すればいい?何もやっていないのに…。
「私たちは引き続き調査を行い、必要な対応をさせていただきます。誠実に対応いただけることを信じております。」
「ファンボック! 公式事務所」
そのメッセージを読み終わると、胸の中で何かが崩れた。俺が犯人だと疑われていることに変わりはない。だが、それだけではなかった。事務所は、俺に「誠実に対応するように」と言ってきている。
このまま、俺の正体がばれれば、もう後戻りできない。
「誠実に対応」? それが意味するところは一体何だ?今更、どうやって説明すればいい?
「べ、別に、あんたのことなんか…///」
声に出して、呟いた。けれど、その言葉には全く力がない。
俺が言ったことを、果たして誰が信じてくれるのだろうか。