コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
柱合会議
「グワーってなって!」
蜜璃が話すのを皆呆然として見ていた。
その時、
「バタッ」
誰かが倒れた。
「鳳萊さん!?」
慌てて駆け寄る蟲柱・しのぶ。
そう。
倒れたのは、鳥柱・鳳萊 キョウ。
彼女は若くして柱まで上り詰めた。
噂では、10にも満たぬ頃に鬼を殺したことがあるらしい。
「すみ…ま…せん。紙…とふ…でを…」
「紙と筆?なぜ?流石に今は早く休んだほうが…」
「とても大事なことなゲホッ」
「とにかく!休、」
勢いよく息を吸ったキョウは、しのぶの言葉を遮るように一息でこういった。
「鬼舞辻無惨の顔が分かりました」
「えっ」
急に柱たちがざわつく。
「誰か!紙と筆をここに!」
「描かせるのですか?」
相変わらず淡白に霞柱・無一郎が言う。
「もし本当にそうなら大変なことに!」
しばらくして、紙と筆(と墨)が持ってこられた。
「ハアッうっ」
うめき、あらい息をしながら描き進めるキョウ。
それを皆が固唾を飲んで見守った。
しばらく描いたところで、、、
「ゲホッ」
慌てて手を口で押さえるキョウ。
それでも抑えきれずに血がボタボタと垂れ落ちる。
「一回休みましょう?ね?」
しのぶが言うのも聞かず、キョウは驚くべき行動に出た。
血が付いた手を紙に当てて、続きを描き始めたのだ。
「え」
きっとみんな引いてるんだろうな。
それでも何とか描き進めた。
実際には、色を付け足すためだったのだが。
「できました」
「これが、鬼舞辻無惨……」
「しかしなぜ鬼舞辻の顔が分かったんだ?」
誰かなんてもう考えられないくらい意識が朦朧としていたが、確かに誰かにそう聞かれた。
言うべきなんだろうか。
私の心臓は半分……
やっぱ言えない。
「言え……ませ……ん」
「言えないだと?それはどうして」
「あ…た様…方が知…べ…きこ…で…は…ざい…せん…」
途切れ途切れに聞き取れる言葉は、どこか恐ろしい雰囲気を出していた。
最後は、声を出すことさえできなくなって、まだ白紙の紙の隅に
『もしも、時が来る時が来ればお教えします。』
と書いた。
不安定な約束だった。
ついに倒れた鳥柱。
目覚めたのは3日後だった。