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│序章│
山の中に建つその館は、外から見るよりもずっと大きかった。
「……思ったより広いな」
佐野勇斗がそう言って、玄関を見上げる。
声は軽いが、響き方が妙だった。
「古い建物って、音が残んだよ」
吉田仁人が答える。
「それにしても、誰もいないのは不思議やな」
塩﨑太智が周囲を見回した。
「管理人とかおらんの?」
曽野舜太が聞く。
「聞いてないけど……とりあえず入ってみる、?」
山中柔太郎は、扉の取っ手に手をかけたまま言った。
扉は、音もなく開いた。