テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
latte
732
芙月みひろ
494
#溺愛
桜咲かな
558
#長編
結愛
319
実は宗一郎は、お堅いスーツの下には、優しい心を隠しているらしい、真紀ちゃんが惚れて結婚するだけのことはある、魅力的だとジェニは思った
財務部まで赴き、しばらく彼と今後の収益シュミレーションについて話し合って、目標設定の数字を出し、ジェニは社長オフィスを後にした
初めは宗一郎の事を氷の塊のような男だと思っていたが、人間付き合ってみると意外な面が現れる、それは竜馬も同じだった、ジェニは竜馬の人間らしい部分や、ユーモアさえも垣間見た
今ジェニは竜馬の強さと複雑さにとても魅力を感じていた、エレベータ―に乗り込み、1階のボタンを押した、さっきの階で少しだけ期待していた、竜馬と偶然ばったり出会わなかった事を、残念に思って肩を落とした、もう当分は、彼のいるあの階には用事は無い
―竜馬さん・・・遠くからでも一目見たかったのにな、残念―
チェッとジェニが唇を尖らせた時、突然エレベーターが閉まる寸前で、なんと竜馬が肩でドアを開き颯爽と乗り込んできた
ジェニの心臓が跳ね上った、エレベーターのドアが開いてるうちは、二人は視線を合わさずに、出口に向かって同じ方向を向いていた・・・しかしエレベーターが閉まった瞬間、くるりと同時に向き合った
閉じられたエレベーターの中・・・二人っきりの狭い空間で、重力が降下する感覚を感じながら、ずっと会いたかった彼を見つめる・・・ジェニは彼を見てワクワクして目を煌めかせた
ところが彼は、厳しめの顔でジェニを見つめ、ハァーッとため息をついた
「頼むからそんな目で僕を見るな」
「そんな目ってどんな目?」
「僕にこんな事をして欲しそうな目だ・・・」
竜馬が呻いて壁にジェニを押し付けたと思ったら、次は荒々しく唇を重ねて来た・・・待ってましたと期待に胸を躍らせ、口を開けた、彼は舌をジェニの中に差し込み、片手でジェニの髪を優しく後ろにひっぱって上を向かせ、片方の手はジェニのお尻をつかんでいる
束の間・・・ジェニは仕事を忘れた・・・納期間際の仕事が三件もあるのに、今まで自分が会社で仕事以外の事に夢中になるなんて・・・今彼とエレベーターの中で二人っきりで彼としているキスの事しか考えられなくなった
それは突風のようで、あまりにも激しく、あまりにも甘美だった、竜馬はジェニの舌を強く吸い・・・何もかも奪いつくそうとする、そしてしっかりと押し付けてくる彼の硬くなったモノ・・・
竜馬が少し唇を離し、ジェニの口から頬をたどって耳へと唇を這わせなが引き寄せる・・・腰をぴったり合わせ、さらに硬くなっていることを伝える
「君は・・・いったいどんな魔法を使ったんだ?10メートル先でも君の姿を見ると、僕はこんなになるんだぞ、どうしてくれる?」
「私のせいなの?」
「他の誰のせいだと言うんだ」
ハァッ・・・と熱い吐息を漏らし、ジェニがこのどうしようもない感情の爆発に対処しきれずにいるうちに、彼がスカートをまくり上げて、ストッキングとパンティの中に手を入れて来た
「だ・・・ダメ、こんな所で」
「でも、もうこんなになってるよ?」
―ああっああっ!そんなにされたら!―
ジェニは目を閉じて快感にのけぞった
.。 .:・.。. .。.:・
彼女の白い首が露になって、竜馬の指で快感に震えている・・・なんでこんなに美しいんだ、頭が吹っ飛ぶ!
しかし、竜馬はどこか冷静な自分がエレベーターが10階で止まった重力を感じていた
エレベータ―が10階に到着した音と共に、無念の思いでさっとジェニの股間から手を抜き、素早く彼女のスカートを降ろした
瞬時に呻いて不満そうな顔で、ジェニを焼きつく視線で見つめてから、背を向けた
そして扉が開くと同時に、自分の後ろにジェニを隠した、ジェニは息を切らし鼓動を高鳴らせたまま・・・なんとか自分を取り戻し、スカートと衣服の乱れを直し、ファイルを胸の中でキツク抱きしめた
10階からはドヤドヤとブリーフケースを持ったスーツ姿の男性が3人入って来た
「おや!」
「これは、これは!社長!おはようございます」
「ああ、おはよう」
三人とも竜馬を見ると深々と挨拶をした、竜馬も爽やかに会釈した、おそらく広報部の社員だ、一人は手にスマホを押し付けたまま乗り込んで来て、誰かと何やら話し込んでいる
「社長!サムデンの買収契約ですが、五十二週契約をまとめようとしたんですが、先方は同じ割引率で十三週にしたいと言うんですよ」
「二十五週で手を打ってくれ!それ以上は一円たりとも負けられないと言ってな!」
「承知しました!」
まるでついさっきまで素早く淫らな行為をやってのけていた事などおくびにも出さないで、竜馬は涼し気に言ったのに、ジェニは唖然とした
竜馬は社員と話しながらも、ポケットに手を入れ勃起したものが目立たないように位置を変えた、欲求不満で睾丸が痛い!ジェニのせいで病気になりそうでイライラした
エレベータ―が1階に到着し、正面玄関から二人は駐車場に向かった、ジェニは双子の受付嬢に手を振り、ズンズン前を歩く竜馬に小走りで追いついた
「バカバカ!あんなことして!もし誰かに見られたどうするの!」
ジェニがファイルを抱えながら言うと、竜馬は歩道を歩きながらムッとした顔で言った
「誰にも見られてないからよかったじゃないか」
腹立たし気に、ジェニは竜馬の背中を軽く小突いた、するとクルリと竜馬が振り向いて小突いているジェニの腕を掴んだ、ものすごい形相でジェニを睨んで言った
「こんなことはいつまでも続けられないぞ、ジェニ!ずっと寸止め状態なんだ!どこまで君は僕を煽るんだ!頭が爆発しそうだ、あんまりだ!」
切なそうに眉をしかめている・・・こんなに辛そうな彼の顔を初めて見たジェニは驚いた
「いいかっ!次にまた君がそんな目で近寄ってきたら、もう遠慮はしないぞ!必ず君を抱く!君が眠っていようと、酔っ払っていようと、朝だろうと昼だろうと!」
彼女は目を見張り、驚きと面白がる気持ちとが入り交じった表情を浮かべている、竜馬はビシッとジェニに指を突き立てた、周りからは、あたかも彼女に宣戦布告しているように見える
「君を貫いて!揺さぶって!朝まで離さないからな!覚悟しろ!」
ジェニはファイルを抱きしめ、その場に棒立ちになっていた、しかしキラキラと瞳を輝かせ、顔は半笑いだ、竜馬は必死で我慢している自分がバカらしくなった
フンッと鼻を鳴らし、ズンズンとジェニをその場に置いて駐車場に向かって行った
.。 .:・.。. .。.:・
ジェニは肩を怒らせて去って行く彼の背中を目をパチパチして見送った
「なによ・・・あんな辛そうな顔しちゃってさ・・・まるで私がいじめているみたいじゃない・・・」
そして乾いた唇を舐めて思った・・・近いうちにまた彼の家に突撃してみようかと考えながら
.。 .:・.。. .。.:・
その時・・・
竜馬とジェニがいた場所の反対側の道路の路肩に、静かに停車している黒のベントレーのハザードランプが切れた
ダークグレーの後部座席の、パワーウィンドウが下がり、中から竜馬の婚約者「伊藤愛莉珠が ひょこっと顔を出した
アリスは去って行く二人の後ろ姿を見つめて、ポツリとつぶやいた
「あの女性は・・・どなた?」
.。 .:・.。.
コメント
1件
97話、読み終わりました。エレベーターのあのキスシーン、めちゃくちゃ熱かったですね。寸止め状態の竜馬の「次は遠慮しない」宣言も、切実で笑っちゃいました。でも最後の婚約者アリスの登場で一気に空気が変わった。あの引きは反則ですよ、続きが気になりすぎます。星キラリさん、今回もドキドキさせていただきました!