島に上陸した神楽たちは、突然開戦を告げられた。
「それじゃ、未来の名プレーヤーたち!健闘を祈る!」
そう言い残し、ケネディは船で去っていった。
島の15カ所で降ろされた神楽たちはそれぞれ7日間のデスサバイブに挑む。賞金は夢の一億円だ。
「よっし!行くべ!」
しかし、王尾に止められる。分かってないなぁというような顔をされ、少し腹がたつが、王尾の意見を聞く。
「神楽くん、聞いてなかったの?これはデスサバイブだよ?食料も自分で用意しないとー。釣りざおあるから、それ使って釣ろ?私サバイバルとか好きなんだ~!」
確かに、荷物がすごいなと思っていたが、これが原因か。王尾が、ヨイショとリュックから荷物を取っている間に島の状態を覗く。魚を釣る感動するほどの蒼い海はもちろん、自然の建造物があるとは思えない雄大な自然だ。その隙に、茜里と王尾はもう釣りをしていた。ここら一帯ではどのような魚が釣れるのだろうか。ネクラは横でビクビクしているが、周りをしっかり観察しているようだ。ここはNo.4と信用していいだろう。
釣りを終えた神楽は、これまた王尾が持ってきた斧でめいいっぱいの力で大木を切り倒し、着火剤を使い、火を起こす。そして、木で作った串に魚を串刺しにし、焚き火のすぐそばに刺す。やっとサバイバルっぽくなってきた。何分か立つと、焼き魚の芳醇な香りが辺り一帯に広がった。神楽がそれを颯爽と取り、ガツガツと食い込む。とりあえずこれで食料面は解決だろう。腹を満たした一行は少しでも賞金を増やすため、島の中心部、妖牢獄へと向かった。
大型のルーキー、南雲台真白は早くも妖牢獄へと到達しかけていた。建物が見えた、と思った瞬間、ドオン!!という衝撃音と人影が上から落ちてきて、土煙を立てる。
「へっ!賞金は俺一人でいただくぜ。まあ、ここには戦闘を楽しみに来たんだ」
そこに立っていたのは、大男だった。2メートルほどの身長に、派手に逆立てた青髪が目立つ。胸を開けた服から覗いているのは太陽光で見事なまでに焼けた、褐色の肌。そして歴戦の猛者の風格を漂わせる数々の傷があった。まず間違いなくレベルの高い強者だろう。まさに獣と例えるのが正しい眼光で、鋭く睨んでくる。
「俺の名は咲耶 倫太郎。元は妖牢獄の看守をやっていた。さあ、いざ尋常に勝負!」
唐突だがどうやら、断る選択肢はないようだ。ならばー
ダッ!!と、激しく大地を踏み、真白は監獄の中へと入っていった。
「ふむっ!まずは鬼ごっこといったところか!」
真白が監獄に入る。ゆっくりしている暇はない。薄暗いロウソクや行灯がこちらを照らす。数多の道があるので、これは追いつかれる心配はなさそうー
「さあ!逃げろ逃げろ!!」
こんなに早く追いつかれるとは思っていなかったが、一番右の緑色のロウソクに照らされているという摩訶不思議な道を選び、ひたすら走る。しばらく走っていると、襖だらけの廊下になり、和式の様相となる。すると、ミシミシという嫌な音を立てて、襖が膨らんだ。いわゆる真打ち登場といったところだ。
バキィィ!!という音が辺り一帯に響き渡り、妖と思われる巨大なカエルが出てくる。
「オ……お前……ニンゲン……?ココ……コロス!」
カエルの張り手打ちをくらい、大広間へ真白がふっ飛ばされる。他にも鳥や熊などの妖が真白を取り囲む。その時、廊下を人が走ってくる音が聞こえる。万事休すーと思ったとき、
「大丈夫ですか!?」
巨大な鎌をもった青年が現れた。見た目は二十代前半。にぶい銀色の髪にストレートパーマをかけている。スマートなメガネをかけ、いかにも知的で、こんな野蛮なゲームに参加するような見た目ではない。
「待ってくださいね、今助けますっ!」
彼が鎌を振り上げる。
「異能力!八尺鎌!振り下ろし!」
鎌のサイズが少しのび、彼が鎌を振り下ろすと、妖が一掃される。それと同時に、先ほどのカエルが大広間へ走ってくる。
「ふっ!」
それにもろともせず、彼は鎌でカエルの首を切り取った。
「大丈夫ですか?」
「…はい、ありがとう御座います…」
「よかったら、一緒に最深部まで行きません?俺の名前は、澤地 大河っていいます!」
「……南雲台真白です…」
大広間を抜けると、収監所のようなところへ出る。そういえば、咲耶はどこへ消えたのだろう。いやー、それよりもおかしいことがある。それを澤地が口に出して言う。
「妖が……いない!?」
その時、収監所のオリから声が響く。
「あれー、もうここまで来たんだ。すごいねぇ」
その声の主は、最初に質問していたメッシュの髪の青年だった。
「もうここの妖は全部倒しちゃった。賞金奪うなら、俺をリタイアさせてみなってこと」
今収監所で、欲望にまみれた金銭ゲームが開幕したー!
コメント
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鎌って何かカッコいいし、最高って感じるの自分だけかな?🫠