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当たり前

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当たり前

3 - 第3話

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2025年11月30日

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**テスト返し**

「及川ー」

「はーい!」

「次、頑張れよ。」

「え?」

先生の声に驚いて顔を上げる。そこには、真っ赤なチェックがついた答案用紙が置かれていた。

また怒られる…。また、あの冷たい目が見えるんだ…。


「ゴクッ。」

息が詰まりそうになる。

だけど、普通を演じなくちゃ。

大丈夫、大丈夫。

「90点?」

「う、うん…。」

「ふーん、けっ、お前、頭悪そうなくせに、毎回いい点数取ってんじゃねぇか。」


本当は、怒りたくてたまらない。

でもそんな自分は、どこか隠さなくちゃ。

「普通」じゃなくちゃいけない。

感情を抑え込んで、笑顔を作らなくちゃ。

『大丈夫、冷静だよ。』って、心の中で繰り返しながら。


ふぅ…。深呼吸。

「ふっふ〜ん!岩ちゃん、何?嫉妬してるのぉ〜?」

「何言ってんだよ!?」

ガツン!


痛みが走る。

「いったぁぁい…笑笑」

無理して笑う、





**帰り道**

「じゃあな、及川。」

「うん。」


家に帰りたくない。

どうしても足が重くて、進めない。

目の前の家が、どんどん遠くなっていく気がする。

「もう、どこか遠くに行けたら…消えられたらいいのに。」

でも、足は動かなくて…結局家の前に立っている。


ガチャ…。

「ただいま。」

「テスト、どうだった?」

おかえりも言わないのか…


「はい。」

「チッ。」

あぁ、来た…。


「徹、これ、どういうつもり?」

「バレーも下手くそ、勉強もできない。」

「あなたに、何ができるの?」

「ずっと言ってるでしょ!?こんなこともできないなんて、許されないの!」

「できて当たり前なの!できないのは、おかしいことなの!」


それでも、返事をするしかない。

『うるさい』って言えたら、どんなに楽だろうか。でも言えない。

何もできない自分が、こんなにも嫌い。

でも、笑って答えなきゃ。

「うん…笑」

「母さん、ごめんなさい…。

迷惑かけないように、頑張るね。」

「次も、同じ結果だったら…。」

「わかってる、わかってるよ。」


「部屋で、勉強してくるね。」


ガチャ、バタン。

「はぁ〜〜、終わった。」

今日は全然怒られなかった。

でも、それが逆に怖い。

怒られないってことは、もう何も期待されてないってことだってわかってる。

それでも、少しだけ…心のどこかで、期待してしまっている自分がいる。


「ふっ笑笑あっはは…」

「バカみたい…。」


ポタ、ポタ。

「え?」

ポロポロ…涙がこぼれ落ちる。

「なんで…止まんないんだ…?」

止まれ、止まれ…。

泣くなんて、ガラじゃない。


だけど、どうしても止まらなくて…。

「ッ泣。」

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