🖤side
🖤「…ん」
パチ、と目が開く。
いつの間にかソファで寝ていたみたいだ。
…あれ、でも可笑しいな。昨日は飲み会に居て…それで…あれ、どうしたっけ。酔い過ぎて記憶が飛んだのかな。ひとりで帰ってきたのか?
まとりあえず…今日はオフだし、家でゆっくりしようかな。着替えるか。
そう考えて寝室へ移動す、…移動し、たのだが…
🖤「…え゛。」
そこには岩本くんが寝ていた。
え、なに。なんで? 俺岩本くん家に泊めたの?
これは…起こした方が、良いよな。
ベットで寝ている岩本くんの元へ歩いて、布団をゆっくり剥がす。
🖤「岩本くん、起き…」
でも、そこにいる岩本くんは少し違った。
あれ、なんか…赤い跡が…てかこれ、キスマじゃんね…。
岩本くんって誰かと付き合ってんの?そうだとしたらめっちゃショックなんだけど。
いやでも、昨日までなかったもんな。…もしかして、俺が酔った勢いでやったとかある?
いやいや、…えマジ?
🖤「い、岩本くん…起きて」
💛「…ん、なに…ぃッた、何?」
俺が岩本くんを揺さぶると、少し時差はあったが、岩本くんは体を起こした。そして同時に顔を歪めて、腰を触っていた。
💛「…あ、」
岩本くんは何かを思い出したみたいに目を開いた。
🖤「あの…さ、もしかして…これやったの俺?」
俺がそう問い掛けると、岩本くんは静かに頷いた。
🖤「あー…そっか。…ごめん。怖かったでしょ。」
💛「…覚えてないんだ。」
🖤「酒のせいでちょっと…」
…うわ、気まずい。どうしよう。
やったな、俺。いやでも、初めてなんだから折角ならちゃんと覚えてたかったな…。
💛「…帰る。」
🖤「あ、ちょっと待って!」
立ち上がって、淡々と帰る用意を始める彼の手首を掴んだ。
そうしたら岩本くんはビクッと体を跳ねさせ、少し涙目で耳まで赤くしてこちらを振り返ってきた。
うわ、どうしよう。めっちゃ可愛い。めちゃくちゃにした…あぁ、もうしたのか。いや待って、今するのは絶対だめだ。えっと…でも、ちょっとくらいなら…
欲に負けて、岩本くんに軽く口付けをした。そしたら、岩本くんは数秒固まってから動揺したように俺の手を振り払った。
🖤「あ、ごめん」
💛「…なんなんだよ、ほんとに。」
🖤「…順序は違うけど、俺、岩本くんが好き。」
💛「大分間違ってるよ、順序。」
🖤「分かってる。だから、その…絶対、俺の事好きにさせて、責任取るから。」
💛「は?ちょっと…よくわかんねぇわ、ごめん。」
岩本くんは乾いた笑いを口にしながら、俺の家を出ていった。
これは…嫌われたな、多分きっと絶対。
いやでも、振り向かせなきゃ。
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