タッ
「着地成功!流石私」
【厄介なことになってるわね〜♡】
「仮面ちゃん!カラス呼んでも大丈夫?」
【いいんじゃない?】
ピィィイ
《カァ!カァ!クァ?》
カラスなのに白く、毛先が少しピンク。極めつけは、白とピンクのオッドアイで小綺麗なカラスが来た
「中央に居る脳みそ丸出しの怪物がいる方向ってどこか教えて?」
「こっち?こっちであってる???」
【信じてあげなよ〜♡】
水に浸かってる緑谷くん達とその近くに手の男。奥に脳みそとボロボロの先生。少し離れたとこにワープ。まずは親玉と思わしき近い奴!手の男に殴りかかろうとする緑谷くんの姿。
「邪魔。」
ゴッ!!
今度は手応えあり。
「危ない危ない。ほんといい動きするなぁ…お前から先に潰してやるよ」
殴りを受けたのは脳みそ。効いて無い上に頑丈で少し硬い。
「脳無、このガキを殺せ」
巨体から考えられない速さで腕を振るわれる。
「すごい、霊華さんがあの敵相手にできてる」
「なんだよ。先生でも手こずってたのに」
「ケロ」
凄まじいスピードで攻防する。体術だけだと思っていたら忍者が使うような道具、拳銃なども使って投擲したり、斬りかかったりと。人間技じゃない戦闘スキルで渡り合っていた。
「あんなに投げてどうするのかしら。わざと外させてるのもあるものね」
「視線誘導なんじゃねぇの?ほら、わざと隙を作るてきな」
「霊華さんはもうやってるんじゃないかな。別方向に飛ばすことで意味があるんじゃ」
緑谷達が考察する中、私の内心は穏やかじゃない。いくら殴り斬りつけても効いておらず、すぐに切り傷が治る脳無に苦戦中。子供が近くにいるし、下手なことは出来ないけど表に出さず、無表情でジッと脳無を捉え続ける。
あの先生が血だらけになるぐらいの敵。油断禁物。焦らず、隙を作らず、攻撃をまともに受けない。一度でも攻撃を受けたら動かなくなる。粘れ、敵の視線を引き続ける。ひゅるり、と私と脳みその間に紐付きクナイが投げ込まれた。
「やっとね」
無表情だったがニヤリと口角を上げ、紐付きクナイを取って紐を伸ばす。既に何十本も飛ばしていたクナイから透明な紐がピンと張り、脳無を拘束する。
「爆」
仕込んでいた起爆札を引火させ、紐を伝っていく。私は先生を起こしてその場から去る。途端、ひどい怒号と爆炎が脳無を中心に上がった。
「すっげぇ!やりやがった!」
「そうか。初めっからあの敵の拘束と薄い導
火線で起爆させるつもりだったんだ」
早く先生を安全な場所に行かせないと。
「それで脳無を倒したつもりか?」
飛び出てきた無傷の脳みそ野郎がこちらに向かって腕を振り下ろす。先生を緑谷くんに向かって投げ飛ばし、コンクリートよりも強めで殴ってみた
ドゴン!!
「ありゃ?大丈夫??もう少し遊びたかったからそっちの分野に少し合わせてたのにダメだった?ごめんね?痛い?」
脳無の身体の3分の1がボロボロと崩れたが少しずつ再生してる
「よかった!これで…」
【アタシが遊べる!】
「(仮面ちゃんパス)」
【あなたの脳みそってどんな構造なの?お姉さん気になっちゃった♡】
一瞬で脳無の頭に乗って脳みそを1部切り取った
「は?脳無の脳みそを取るとか異常だろ」
【舐めたらどうなるんだろ♡楽しみ!(*>ω<*)キャッキャッ】
「(仮面ちゃん?ヴィランにまで引かれてるわよ〜)」
【…アタシは世界中のお宝が欲しい♡この脳みそくんのお宝が脳みそだったらそれを少しでも欲しくなっちゃうのは普通でしょ? 】
「(うわ〜無い)」
【(お宝好きとしてそこら辺は気が合うと思ったのに!酷い!!)】
「もう大丈夫、私が来た」
「オールマイトォォ!!!!」
「あー…コンデューだ」
オールマイトは笑っていなかった。オールマイトと脳無の戦闘。もう大丈夫だと安堵する2人だが、緑谷だけが知っているオールマイトの秘密。もう限界だと知っているから、脳無の爪が脇腹に刺されているオールマイトを助けようと飛び出した。
「オールマイトォ!!!!」
「浅はか」
緑谷と進行に妨害しようとした黒霧の間に手
榴弾が一つ。カッ!と誰かが襲う。
「グッ!」
「やっと捕まえた。ワープ」
【(えーまだ楽しみたかった♡)】
「まったく…仮面ちゃんに楽しませるとロクなことないわね……」
【(いやぁそれほどでも(///∇///)ゞ)】
「褒めてない!!」
私が黒霧の首を掴んだまま地に埋め込ませる。逃亡しないよう背中に体重を乗せ、ナイフを心臓の上に当てる。また脳無の下半身が凍り、死柄木に攻撃しようと影が動く。
切島くんの攻撃は簡単に避けられ、オールマイトは氷結で手が緩んだ脳無から離れることに成功した。
「平和の象徴は君らに殺られない」
「みんな…!!」
「出入り口を押さえられた……」
首とナイフを持つ手に力を入れる。目はずっとワープを捉えたまま。
「動くなワープ。怪しい動きをしたと私が判断したらすぐ心臓刺すから♪」
「ヒーローらしかぬ言動…」
「怪我大丈夫か?」
「怪我のうちにはいんない」
「攻略された上にほぼ無傷…すごいなぁ最近の子どもは…恥ずかしくなってくるぜ敵連合…!脳無、あの女をやっつけろ。出入り口の奪還だ」
体制を戻し、氷結で崩れてもなお動く脳無。割れた所から肉が迫り上がって何事もなかったかのように戻っていく。
「身体が割れてるのに…動いてる…!?」
「みんな下がれ!!なんだ!?ショック吸収の個性じゃないのか」
「別にそれだけとは言ってないだろう。これは超再生だな」
「!?」
「脳無はお前の100%にも耐えれるよう改造された、超高性能サンドバッグ人間さ」
霊華に向かって目に見えぬ速度で突進する脳無に、オールマイトは庇おうとした。が、それを止めたのは本人。
「少しじっとしてオールマイト」
目に見えない何かにぶつかって止まる。見覚えのある細い糸が脳無の動きを止めた。壁と地面に何十本も刺さったクナイの紐の壁が脳無が動きを止めた。だが何も仕込んでない紐
のためすぐに切れる。オールマイトはその一瞬の隙を見逃さず脳無を1発入れて後退する。
「爆破したい所だけどちょうど切らしてて。一瞬だけ止めるのが精一杯。」
「3対5だ」
「モヤは霊華さんが押さえてる!」
「とんでもねぇ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃ…撃退できる!!」
「ダメだ!!!逃げなさい」
「………さっきのは俺がサポート入らなけりゃやばかったでしょう」
「オールマイト、血………それに時間だってないはずじゃ…あ…」
「それはそれだ轟少年!!ありがとな!!しかし大丈夫!!プロの本気を見ていなさい!!」
あっちは任せて、こっちに集中するか。激しい打撃音をBGMにワープに視線を落とす。
「聞たいことが山ほどある」
「何をされようと話しませんよ」
「言葉は一つの手段。どうにでもなるし」
「………?」
ナイフを持ち替えて手を心臓の上に乗せる。
「ここに来たのはオールマイトの殺害だ け?」
「………」
「あの手が親玉?」
「………」
「バケモノが勝利の鍵?」
「………」
「他に、仲間いる?」
「………」
「だんまり…当たり前ね。まぁあんな甘ちゃんの子供を仮リーダーしてる時点で、今日が初陣」
「!な、何故」
「作戦の詰めが甘すぎ。目先にヒーロが多く所属する雄英の侵入、初っ端から目的を宣言、情報力のなさ、連携皆無。この作戦での勝機があのバケモノのみ。誰が考えた?幼稚なお遊戯でつまらない作戦。楽しくない」
なんだこの子どもは。私を押さえるこの子ども。私達を恐れず、脳無と闘い、頭が良く切れるヒーローの卵。
「あなたの個性、どうせ知ってる場所じゃな
いとワープ出来ない。不便だよね?転送。視察しなきゃどこも行けないから。モヤなのに全身物理無効じゃないの残念で仕方ない」
いや、こんな子供がヒーローの器じゃない。
「あの子供、もしかして育て中?ヒーローの増悪を煮詰めた新たな指導者。悪くないけど戦闘経験皆無。殺気が甘い。子共の面倒は大変だねぇ…ワープ」
どちらかといえば私達と同じ、敵の器じゃないか。
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