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#鬼滅の刃オリジナル
わっふる
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#イラスト部屋
わっふる
83
#鬼滅の刃オリジナル
わっふる
396
「兄ちゃん、まだ寝ないの?」
布団の中から、梅雨が顔を出した。
「んー? 俺はもう寝るよ。」
「嘘だ。まだ本読む気でしょ。」
「ばれた?」
「ばればれ。」
二人で笑った。
両親はいない。
だから二人で暮らしていた。
裕福ではなかったけれど、梅雨がいるだけで家は明るかった。
「兄ちゃん」
「ん?」
「明日、晴れるかな。」
「さあ。」
「晴れるといいね。」
「…そうだね。」
また二人で笑った。
そんな、いつもの夜だった。
けれど、その夜。
梅雨が小さく咳をした。
「……兄ちゃん。」
「どうした?」
「なんか、熱い…。」
額に手を当てる。
熱かった。
「ちょっと待ってろ。水、汲んでくる。」
「うん……。」
「すぐ戻るから。」
時雨は桶を持って家を出た。
夜道を急ぐ。
「早く戻らないと。」
水を汲み、急いで家へ戻る。
そして、戸を開けた。
「梅雨?」
返事がない。
「梅雨?」
部屋の中は静まり返っていた。
時雨は弟のもとへ駆け寄る。
「……え?」
そこで、床に広がった赤いものが目に入った。
時雨の足が止まる。
手から桶が落ちた。
「……梅雨?」
返事はない。
「なあ……」
声が震える。
「梅雨?」
弟の姿を見つめる。
理解できなかった。
理解したくなかった。
「……嘘だ」
時雨の呼吸が乱れる。
「嘘だ、嘘だろ……?」
そして。
「うわああああああああっ!!」
家中に、絶叫が響いた。
涙が溢れる。
何度呼んでも、梅雨は答えてくれない。
「起きろよ……!」
声が枯れても叫び続ける。
「俺、すぐ戻るって言っただろ……!」
その夜。
時雨は、たった一人の家族を失った。
そして知った。
自分から大切なものを奪った存在が、この世にはいるのだと。
二年後。
「……鬼ってさ。」
今では雯柱として働いている時雨は刀を眺めながら笑う。
「ほんっと、嫌いなんだよね」
いつも通りの飄々とした笑顔。
けれど、その瞳の奥には二年前の夜が残っている。
「梅雨」
静かに弟の名前を呼ぶ。
「俺、まだ忘れてないから。」
夜空を見上げる。
「今度は、俺が斬るよ。」
その声には、もう迷いがなかった。
コメント
2件
ありがとう!!
いやもう、冒頭の兄弟のほのぼのしたやりとりが温かすぎて、その後の展開がマジで胸に刺さったわ…「嘘だ、嘘だろ…?」って時雨の絶叫が耳に残るし、弟の名前が梅雨ってのも切なさ倍増させてる。二年後の笑顔の裏にまだあの夜が生きてて、「今度は俺が斬るよ」って決めた時雨の強さ、ガチでかっこいい。続き、めっちゃ気になる🔥