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無邪気な悪魔
ある昼下がり、スニフは珍しく1人で考え事をしていた。三角座りで顎を手で支えて唸る。
(…なんだろ、新手のいたずら?それかただ単に見せつけてきているのかな…)
ムーミンには、そう見えていたようだ。
…バッ
その刹那、風を切る音が聞こえるくらいのスピードでスニフがこちらを振り向き、お世辞にも早いとは言えない走りでこちらに向かってきた。
(うわっ。なんなんだよ…)
だが逃げたところで誰かを味方につけてこちらを悪者にしてくるのは知っていたから、冷めた目で見ているだけだった。
「……ムー…ねえってばー!…ムーミーーン!!!」
「なんだよスニフ、いきなり走り出して。」
また何か見せたいものでもでき「子供ってどうやって生まれてくるの!?」
…うん?
「今日一日ずうーーっと考えてたんだけど、どうしてもわからないんだ!教えて?」
まじか。…えー、まじかあ。というか、お互いもうすぐ14歳になるのに、まだ知らなかったのか…。というか、なんでいきなり。
「…そういうことは、パパやママから聞かなかったのかい?」
「もう聞いたけど、ムーミンに聞いてこいって」
「はあ…」
息子の性教育をほったらかすなよ…
「…えーっと、そんなに知りたい?」
「知りたい」
「…そう。えっと、じゃあ…」
真実を知ったスニフがどんな顔をしたかは、ご想像にお任せします。