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こはる
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#切ない
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第61話
ノアがいなくなってから一晩が経った。リナは、明日の朝までに帰るって言って出ていったらしい。
変な事に巻き込まれているのは、確実なんだけどな。生きててくれよ。
俺は、「行ってきます」と一声かけてから、訓練場へ向かった。
リナの教えがあるからか、俺とラルフとローベルトは、剣術の技術は高い方だ。
「昨日、リナから話を聞いたか?」
休憩時間に、ローベルトが隣に座った。
話? 何かあったのか?
「いいや。全く聞いてない」
「暗殺者が何人も入り込んでて、とんでもなかったんだ……こっちは、違う件で追われてるのに……」
暗殺者が何人も入り込んでいた……? はぁ……?
「グレーテが懸賞金をかけられているという情報を手に入れた。リナも巻き込まれている可能性があるから、気をつけていた方がいい」
「昨日の騒ぎはそういう事だったのか……あ、それでノアは、あれから見なかったか? 突然いなくなったんだ。リナも明日の朝まで帰ってこないって言うし……」
「ノアが……? あれから入っていないはずだ。それに、今いなくなるなんて……危ないんじゃないか?」
「流石にタイムリー過ぎるよな……でも、何か金色の目の二十代くらいの男を客室に入れて言い合ってたんだ。関係ない事はないんだと思うが……」
……腐れ縁仲間。前に言ってた呪いに関係あるのか分からないけど、勘は敵じゃ無いと感じている。
「分からないな……ん? あれ、何だ?」
そう言ってローベルトは、空を飛ぶ紙を指さした。多分、魔道具。リナオリジナルの魔道具だったような……
俺が口を開こうとした瞬間、急降下してきた。
すると、足元の土に刺さった。
「何だこれ……?」
ローベルトは、目をパチクリさせている。
「リナの魔道具だ」
「魔道具……こんな物も作れるんだな……」
俺が内容を読もうと手に取ると、封筒が開いて手には便箋だけになった。
何だこれ?
取り敢えず内容を読むと目を疑うような内容だった。
「何が書いて……って!」
____
走り書きですみません。
私は、カナルにいます。そこで、星霊の剣を回収しました。勿論、ノアもいます。
でも、ノアと一緒にとある裏の魔導師狩りに行けと、この前の男に命令されたため数日空ける事になりました。
縛り上げた後は、そちらに送ります。お手数をおかけしてすみません。
第二部隊と第六部隊にも連絡をしてくれると幸いです。
____
……裏、の、魔導師、狩り……嘘だろ……
「……リナって何者だ?」
「強いサントラップの従業員だ」
「そうだよな……と、取り敢えず第二部隊まで行くか……」
そう言ってローベルトは、立ち上がって第二部隊――審問部隊の休憩場に向かって歩いた。
俺は、母さんや父さんに話してから遅れて行った。
第二部隊は、審問部隊と言って収容所の管理を保安局員と一緒にする部隊。
リナが深く関わりのある部隊は、第五部隊と、この第二部隊と、第六部隊の分析部隊。
分析部隊は、呪物の解析や、魔道具の管理を主に担っている。リナが押収した呪物は、一回そこに提出してから、解呪をして燃やすらしい。
俺は扉を二回ノックしてから、第二部隊の休憩室を開けた。
「あぁ。サントラップのか。分かった」
「はい。ありがとうございます」
ローベルトは、第二部隊隊長とそんな事を話していた。
「あ、ニルス。話の内容を説明してくれないか?」
「分かった」
「君は……サントラップの息子さんかい?」
隊長は、そう言って俺の事をじっと見つめた。
「はい。セリーナがいつもお世話になっています。早速本題に入りますが……」と言った後、声を潜めながら「セリーナからの手紙です。ノアが出ていったのを追っていったらなぜか手紙を……」
と俺がそこまで言った言葉を遮って「星霊の剣って、あの呪いを解かないと持てない剣だよな。それをどうやって……」と声を潜めながら呟いた。
「あの子は訳アリなんですよ。これが来て俺たちも腰を抜かしたんです。それに、懸賞金をかけられているという話も……」
「懸賞金……分かった。聞き込んでみる」
「「ありがとうございます」」
二人で団長に頭を下げた。
❂
「苦しいよ……お母さん……」
俺はベッドの上でお母さんの帰りを待った。でも、帰ってくる事は殆どない。
風邪をひいた。俺は獣人だから、ちょっとやそっとで死なないから、大丈夫らしい。人間の子はもっと苦しいんだって。
「今日のご飯よ」
お母さんが、持ってきたのは珍しく温かいご飯だった。記憶にある限り初めてだ。
いつも冷めきったスープと水。偶にパンがでる。
「わぁ……ありがとうございます」
俺は、ぼんやりする身体を起こしてスプーンを持った。スープを口に運ぶと、温かくて美味しかった。
どんな味だったかな……?
沢山食べた。パンも食べた。
「美味しい?」
お母さんの笑顔が俺の心を灯した。
初めての事ばかりで、夢だと思ってしまいそうだ。
「はい」
コメント
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うわっ、一気に展開したね……! リナがまさか星霊の剣を回収してノアと一緒に裏の魔導師狩りに行くなんて、ちょっと信じられない。でも、あの走り書きの手紙の軽さがリナらしくて笑っちゃった。あと、最後の回想で幼い誰かがお母さんに優しくされてるシーン、すごく切なくて胸がぎゅってなった…。あの温かいスープの味、忘れられないんだろうな。今のリナとどう繋がるのか気になるよ。