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続き水×青
―――――
その夜
ベッドに入っても、青くんはなかなか眠れないみたいだった。
隣で横になっているのに、ずっと小さく震えている。
「……青くん」
名前を呼ぶと、ぴくっと反応する。
「……寝れない?」
少しの沈黙のあと、
「……ごめん」
「なんで謝るの」
「……迷惑、かけてる」
それを否定するように、僕は少しだけ近づく。
「迷惑じゃないよ」
「……でも」
「むしろ、頼ってくれたらよかったのに」
そう言うと、青くんは少しだけこっちを見た。
暗い中でもわかる
まだ不安でいっぱいな顔
「……なにがあったのか、聞いてもいい?」
無理には聞かないつもりで、あくまで優しく
すると
青くんの手が、ぎゅっとシーツを握った。
「……スタッフの人がッ」
ぽつり、ぽつりと話し始める。
「最初は……普通だったのに……」
「……うん」
「だんだん……触ってきたり……距離、近くなって……」
言葉が詰まる
それだけで、どんな状況だったかなんとなくわかってしまう
「やめてくださいって言ったのに……笑って……」
「……っ」
思わず、拳に力が入る
「……そのうち……帰りもついてきて…」
「は……?」
抑えきれず、声が低くなる。
「家も……知られてて……」
「……っ」
最悪だ。
「……好きだって…何回も言われて……」
「断っても……?」
「……うん…俺、好きな人がいるから…ちゃんと断ったのにっ…」
「……だんだん、怒るようになって…」
「断ったら……仕事に影響するって…メンバーがどうなってもいいのかって」
その一言で、空気が一気に重くなる
脅しだ
「……それで、逃げたの?」
「……うん……」
「もう、無理で……」
「……誰にも言えんくって…」
「……怖くて…っ…」
そのまま、また涙が溢れてきた。
「っ..ごめ……」
「謝らなくていい」
即座に遮る。
「青くんは悪くない」
「でも……」
「全部、その人が悪い」
はっきり言い切る
すると、青くんは少しだけ息を止めた。
「……ほんとに…っ…?」
「ほんと」
迷いなく答える
「だから、もう一人で抱えなくていい」
ゆっくり、頭を撫でた
「……僕達がいる」
その言葉に
肩の力が、また少しだけ抜けていた
「…でも……また来たら……」
「来させない」
「もし来たら、僕が出る」
「……っ」
「それに、ちゃんと対処する」
警察、事務所、証拠——
やるべきことは頭に浮かんでる。
「青くんを一人にしない」
その一言で、
青くんの目からまた涙がこぼれた。
でも今度は——
さっきより少し、安心した涙だった。
「……っ、ありがと…」
小さく呟いて、
青くんは僕の胸に顔を埋める。
「……もう、大丈夫」
そう言って、背中を優しく撫で続けると
しばらくして。
「……すぅ…」
規則正しい寝息が聞こえてきた。
やっと、眠れたんだ
「……よく頑張ったね」
聞こえないくらいの声でそう呟いて、
そっと前髪を避ける。
——守る
絶対に。
こんな思い、もう二度とさせない
青くんを抱き寄せたまま
静かに目を閉じた。
―――――
翌朝、チャイムが鳴る
「……誰?」
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