「彼の本音と私の決意」
まるで独り言のような響きだった。
なにがほしいか考えていて、そのまま口から 零(こぼ)れ出たような。
「え……」
思考が停止して、頭の中が真っ白になる。
……結婚?
今、そう言ったの……?
眼差しが優しくて、真剣で―――。
時間が経つにつれ、じわじわと体が熱くなってくる。
「すぐに返事がほしいとは思ってない。でも俺の気持ちは変わらないから、千夏(ちなつ)の心が決まったら返事を聞かせて」
皓(ひかる)くんは私の左手を取り、指輪をなぞった。
それから手を引き、私を傍へ引き寄せる。
抱きしめられたわけじゃなかった。
背中に回された手も、握られた左手も、まるで大事な宝物に触れるように、そっと。
彼が言ったのが本心だとわかって、息が止まる。
”俺と結婚して”
さっきの声が耳に 蘇(よみがえ)る。
そう言ってくれたのは嬉しい。
嬉し*****
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