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照【佐久間、悪い】
照からそう一言だけのメッセージと1枚の写真が送られてきた。
メッセージを開くと、壁にもたれかかって座っている蓮の写真。
俯いているから、いまいち表情が読めない。
今日は9人での仕事のあと、行けるメンバーだけでご飯に行っていた。
俺はもう1件仕事があったため、不参加。
珍しく蓮が行ける事になって快く送り出したのだが・・・
【蓮どうしたの?寝てる感じ?】
状況が理解出来ず、首を傾げたまま返信をすると、即既読がついて次は短い動画が送られてきた。
照【珍しく酔っ払って、駄々捏ねて寝てる】
『しゃくまくんがいないならうごかない・・・ぐぅ』
動画を再生すると何を言っているのか呂律の回っていない真っ赤な顔の蓮。
普段飲酒をする機会があってもちゃんとセーブするのに、ここまで酔うのは珍しい。
照【仕事で疲れてる中申し訳ないんだけど、迎えにきてやってくんねぇか。】
照【佐久間が来てくれないと帰らないってキリないんだわ】
続けてそうメッセージが続いて店のURLが送られてきた。
今日は朝から動いていたから正直身体はへとへとだけど、メンバーが困ってるなら仕方ない。
それに、こんな状態の恋人を放っておけるほど俺も薄情じゃない。
「しゃあねぇなぁ、もう」
スマホと財布だけ持って、送られてきたURLの場所へ車を走らせた。
「あっ!佐久間くん!」
店に着いてメンバーが居る座敷の席に案内されると、ラウールがいの一番に気付いてくれた。
そこには照、ラウール、翔太、阿部ちゃん、蓮の5人。
「佐久間、悪いな」
「今日、めめ珍しくちょっと飲み過ぎちゃったみたいでさ」
座敷の奥を見ると、送られてきた写真のままの姿で未だ寝ている蓮。
「最近こいつ忙しかったしな、明日オフだし気が抜けたんだろ」
お前もちょっと休んでいけよ、とノンアルコールビールを渡された。
流石に寝ている185cmの成人男性を1人で運ぶのはキツいし、蓮が起きるまで翔太の言葉に甘えることにした。
「めめさぁ〜ほんと、佐久間くん大好きなんだねぇ」
ニッコニコのちょっとほろ酔いのラウールが酒を持って俺の隣に座る。
「いきなり何だよ」
「最初は普通だったんだけど、途中から佐久間くん愛を語り出してさぁ〜」
「あれはちょっと流石の俺たちも照れちゃったよね」
阿部ちゃんの苦笑いで察した。
蓮、絶対余計な話したな。
「・・・ごめん、気遣わせただろ」
「お前が謝る話じゃないだろ、それに俺らの中で1番多忙を極めてるこいつが、こんだけ甘えられる相手がいて良かったなって思ったわ」
なんか珍しく翔太が優しい・・・?
何話されたのかは分からないけど、そんな変な話じゃなかったのかな?
「佐久間、目黒起きたぞ」
ちょうどノンアルコールビールを飲み切ったくらいのタイミングで、蓮の目が覚めた。
蓮の横にしゃがんで、俯いている顔を覗き込む。
「蓮?大丈夫か?」
まだ酔っていることに変わりはないからぽやぽやと幼い表情の蓮。
いつもの格好良い姿から考えられない顔につい破顔してしまう。
「はれ・・・?さくまくんら・・・」
ぽやぽやの蓮が俺を視界に捉えてフニャと笑う。
うん、可愛い。
「そーだよ、佐久間だよ。迎えに来たから帰ろ?」
メンバーの前でこんなことをするのは正直恥ずかしかったが、両手で蓮の両頬を挟んでペチペチと子供をあやすように振る舞う。
「おれのためにきてくれたの?」
「うん、蓮のために来たんだよ」
「へへ・・・うれしいな・・・さくまくん、すきだよ」
そう言って蓮は俺にチュッとキスをしてきた。
背後でラウールの「きゃっ」とわざとらしい声が聞こえる。
蓮のこのモード(佐久間くん大好きモード)は非常に危険だ。
前に自宅でお酒を飲んだ時に2回ほど同じような状況になり、俺は蓮の気の済むまま抱き潰された。
たいていオーバーワークと酒の酔いが合わさった時にこのモードになる。
だから、早く帰らなければとんでもないことになる。
でもここまで酔ってるのは過去振り返っても殆ど無いから、今日は襲われなくて済むかもしれない。
いずれにしても、早く連れて帰らないと店にもメンバーにも迷惑がかかってしまう。
「もう、立って、帰るよ」
「佐久間、車まで連れて行くの手伝うわ」
よいしょ、と蓮の腕を肩にかけて立ち上がると照が蓮の反対側の腕を自身の肩にかけて手伝ってくれた。
「ごめんな、照」
「いいって、まぁ目黒も疲れてるんだろ、明日お前もオフなんだし、2人でゆっくり休めよ」
「ありがと」
そう話しているうちに俺の車に辿り着いて、蓮を後部座席に乗せる。
「車から家まで大丈夫か?」
「んー、まぁ大丈夫っしょ、何とか歩かせるわ」
「気をつけて帰れよ」
「照や皆も夜遅いから気をつけてな」
そう言って照へ別れを告げたあと、車を走らせ数十分前まで居た自宅へ蓮を連れて帰った。
「照、ありがとうね」
「そろそろ俺らも帰るか」
「いやー、それにしてもめめの佐久間くんへの愛すごかったねぇ〜」
「照の『佐久間の好きなところは存在』を超える名言出たな」
「俺のそれと比べんなよ、俺のは普通に仲間というか家族みたいな意味だから!」
-—
「蓮、家着いたよ・・・もー重い、自分で歩いてよ〜」
結局、家に着いた頃には蓮は熟睡していて、車から自室まで蓮を担いで引き摺って帰ってきた。
「んん〜さくまくん・・・」
「なぁに?」
「・・・愛してるよ」
「もー、分かってるってば、俺も愛してるよ」
「だいすき」
「分かってるってば〜」
この酔っ払いを早く寝かさないと、と玄関から寝室へ連れて行く。
その間も蓮から発せられる愛の言葉の数々。
「れん、俺も愛してるし、大好きだから今日は一緒に大人しく寝ようね?」
本当はお風呂に入れたいけど、この酔い様は危険だ。明日朝イチで一緒にお風呂に入ろう。
子供を寝かしつけるように、ポンポンと一定のリズムで胸をさすって寝かしつける。
すぅ・・・と素直に眠りについた蓮を横目に、先ほど翔太から送られてきたメッセージを開く。
1件動画だけが添付されていた。
蓮を起こさない様に、音量を最小限にして再生する。
「うひゃ」
そこに映っているのは、泥酔をする前の頬をピンクに染めて頬杖をついて微笑んでる蓮の姿。
『俺にとっての佐久間くんは宝物というか、生きる上でなくてはならない存在なんだ』
翌日、🖤さんは全く記憶がなかったとさ(^^)
ゆんしょ
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