テラーノベル
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付き合ってみて分かったのだが、阿部は結構、性に対して貪欲だし、抱かれることが大好きみたいだ。
昼間はお堅いキャスターとか、インテリキャラで清潔感を売りにしているくせに、夜は見違えるほどに激しい。こちらが嬉しさを通り越して心配になるほどに乱れている。
『昼は淑女、夜は娼婦』とかいう言葉を地でいくような乱れっぷりに、俺はこれは大変な相手と付き合い始めてしまったと、内心打ち震えていた。
今も足下に跪いて、俺のものを美味そうにしゃぶっている。上目遣いにちらちら見上げる顔がたまらなくエロティックで、俺はいつもより早く絶頂を迎えそうだった。
ライブで痛めた脚が不自由そうだからしばらくここに通うね、と、自分のせいでもないのに悲しそうな顔をする阿部を家に引き入れたのが運の尽き、阿部は毎日律儀に、こうして性処理までこなしている。
こちらとしては想いに応えて抱いてやれないのがもどかしい。
❤️「……阿部…そろそろ…」
💚「うふっ。いいよぉ………」
阿部は細く長い指を器用に使い、さらに感じる箇所を擦り上げながら、鈴口にキスをした。
そしてまた、大きく咥えようとしたその瞬間。
いきなりドアが開いた。
💙「は??????」
思わず腰を引いてしまい、盛大に阿部の顔に俺の飛沫が飛んだ。
そんな中、俺は、突然乱入した幼なじみとバッチリ目が合っている。
阿部が何事かと汚れた顔のまま、振り返る。
小さく息を呑むのがわかる。
俺だってまだ開いた口が塞がっていない。
💚「………翔太?」
💙「ごごごごごめん」
慌てて飛び出そうとする、翔太を、引き止めようと急に立ちあがろうとして、痛めた脚が悲鳴を上げた。
❤️「いっ………!!」
💚「舘さんっ!ダメっ!!!」
💙「これ、返す。悪いな、突然押し掛けて」
❤️「いや、この可能性を考えなかった俺が馬鹿でした」
翔太に渡してあった合鍵を返してもらう。
阿部と付き合う前、たまに夕飯を食べに来ていた翔太に、面倒だからと合鍵を渡したままなのをすっかり失念していた。
阿部はいそいそとお茶を淹れているけど、とてもそんな空気感じゃない。
それでも笑顔を絶やさぬ強心臓。やっぱりこいつには敵わない。
翔太は挨拶もそこそこに、明らかに動揺したまま帰って行った。
❤️「ごめん、阿部。深い意味はないから」
💚「んーん。いいの。2人仲良しだもんね」
❤️「…本当に何ともない?」
阿部はにっこり笑う。
そして、唇を舐めた。
💚「むしろ見られて、興奮しちゃった♡」
…改めてとんでもない逸材と付き合い始めてしまったのだと、ごそごそと再び下半身をまさぐられながら、俺は静かに瞑目した。
おわり。
コメント
18件
阿部ちゃん!! 頼もしい😆✨
くだらなくて笑う(作者)