玄関のドアを開け、自分の部屋へ引きこもる。 ずっと同じ部屋の景色なのに、 慣れない口癖でいつも「可愛い」と呟いてしまう。
「俺の天使…可愛いね…」
らっだぁの部屋中には、ぺいんとの写真に埋まっていた。 慣れないというのも、この訳だ。 中には、ぺいんとと一緒にいる人たちに✕と赤く書かれた写真が数枚…
──────────────────────────────────
「おはよー!」
いつも会う度に元気な笑顔と声で挨拶してくれる。
「おはよw」
続けて俺も、流れるように挨拶する。 ぺいんとは人気者、俺とは全く違う世界にいるような、そんな存在… 気づけばぺいんとの周りには沢山の…敵…がいた。 俺にとってはその光景がとてつもなくいやだった。今すぐ帰りたいくらい。
「ぺいんとさんおはようございます!」
「おはよーぺいんと」
「ねぇねぇぺいんとさん、昨日─」
「そうやって汚らしい口で喋るな」なんて何回思っただろうか。俺のぺいんとなのに…─
1時間目は体育
ぺいんとの机に置かれたジャージを素早くとって、更衣室で自分に着せた。 名札なんて付け替えればいい。今まさにも、そのジャージを嗅ぎたかった。
「香ばしい香り…今回は薔薇の香りだね。」
ぺいんとが使うもの全ては、既に把握済み。 この前は果物の香りだった、ぺいんとって女子力高いよなぁ…
「なぁらっだぁ〜」
「んー?」
「俺のジャージ知らない?机に置いてたんだけど」
「知らんわw忘れたなら、今日は見学しなよ」
「そうするー」
今着ているのがぺいんとのジャージだなんて言える訳…いや、 言うわけないだろう。 ぺいんとが見学することによって、誰にも話されることは無いから。
「あー体育やりたかったなぁー」
木陰で見学していると、足音が聞こえてきた。
「やっほー!ぺいんとさん」
「あれ、死神じゃん。」
「おっす、今日ジャージ忘れちゃってw」
「俺もやw」
「一緒ですねー!w」
なんだか声が聞こえてきた。 …なんで話してんの?
「おかしい、今日は他に見学しないはず…」
「おいらっだぁ、どしたん」
「…なんでもない」
悔しい、悔しすぎる。 死神は悪くない、でも、何故か許せなかった。
コメント
6件
すごく嫉妬深いらっだぁさんとても凄く好きだな あのこうゆうシリーズってどうすればできますか?
おれだよおれ⭐️