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miけぴン
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花梨
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#一般人
유리
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【第二話:ゼロ秒の奇跡】
杯戸ショッピングモールの観覧車、72番のゴンドラ。
松田陣平は、電子液晶に表示された爆弾のカウントダウンを睨みつけていた。
もう一つの爆弾のありかを示すヒントが、爆発の三秒前に表示される。
それが、卑劣な犯人の仕掛けたルールだった。
松田は最初から、自分の命を諦めていた。ここで自分が死んでも、ヒントを携帯のメールで佐藤たちに送れば、多くの一般人の命が助かる。
液晶の数字が、無情にも減っていく。
『残り15秒』
松田は携帯のボタンに指をかけた。表示される文字を、一文字でも多く打ち込むために。
『残り5秒』
『残り4秒』
液晶に、次の爆破場所を示す文字列が浮かび上がる。松田の指が猛然と携帯の画面を叩く。
『残り3秒』
「――東都タワー、か」
『残り2秒』
送信ボタンを押そうとした、その瞬間だった。
ガツン!!!
突然、ゴンドラの窓ガラスが外側から激しく叩かれた。
見上げれば、作業員の制服に身を包み、ヘルメットとゴーグルで顔を深く隠した、小柄な人影がロープでぶら下がっている。
「なっ……!?」
『残り1秒』
「そこ、伏せろ大馬鹿野郎――っ!!」
少年特有の、まだ少し高い声が響く。
同時に、少年が窓ガラスを特殊なカッターで一瞬にしてくり抜き、ゴンドラ内へ滑り込んできた。
少年は松田の襟元を強引に掴むと、ゴンドラの床を蹴り、そのまま外の空中へと二人して身を投げ出した。
少年の手首から、マジック用の高強度ワイヤーが伸び、観覧車の鉄骨へと鋭く巻き付く。
『残り0秒』
ドガァァァァァン!!!
背後で、72番のゴンドラが炎を上げて吹き飛んだ。
凄まじい爆風と熱波が二人を襲う。しかし、少年が事前に開いていた「仕掛け傘」のような特殊なパラシュートが風を孕み、二人の落下速度を劇的に殺した。
そのまま、モールの植え込みへと転がり落ちる。
「……てめぇ、何者だ……っ」
松田は激しく咳き込みながら、手の中の携帯を見る。メールは爆発の直前に「送信完了」となっていた。
そして、隣に目をやる。
そこには、ゴーグルを外した少年が、息を切らせながら不敵に笑っていた。
「ふぅ……間一髪。お巡りさん、命がけのマジックは、生きて観客の拍手をもらってからが本番だよ」
その生意気な口調、そしてどこか見覚えのある整った顔立ち。
松田の脳裏に、数年前に爆弾から救った、あの「ボウズ」の姿が鮮烈にフラッシュバックした。
(まさか、あいつ――)
「おい、お前……」
松田が手を伸ばしかけた瞬間。
少年は、手元から強烈な閃光弾を炸裂させた。
「うおっ!?」
眩い光に視界を奪われ、松田が思わず目を瞑る。
数秒後、光が収まり、視界が戻ったときには――そこにはもう、誰もいなかった。あるのは、夜風に揺れる植え込みの葉だけ。
「……チッ、煙に巻きやがって」
松田は頭をガリガリと掻きむしり、立ち上がった。
先ほどの少年の姿をもう一度思い返そうとして、すぐに首を横に振る。
「んなわけねぇか。あの時のボウズなら、まだ中学生くらいだろ。こんな無茶な真似ができるわけがねぇ……。ただの、通りすがりのイカれたガキか」
松田はそう自分に言い聞かせ、何とか自分の記憶を振り払った。
まさかその「ただの中学生」が、自分の言葉を胸に抱き、本当に自分を救うためだけにここに現れたのだとは、この時の松田は知る由もなかった――。
コメント
8件
松田さんギリギリ助かってよかった…!
いやー、めちゃくちゃ熱かったです!タイトルの“ゼロ秒の奇跡”、本当にギリギリで決まった。松田が自分の命を捨てる覚悟でヒント送ろうとしてたのに、あの少年が「そこ伏せろ大馬鹿野郎」って飛び込んでくるカタルシスが半端ない。あの元気な少年、まさか過去の“ボウズ”か…って思わせて閃光弾で消えちゃう伏線の置き方、続きが気になりすぎます。