テラーノベル
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ソア
「……え?」
雨音の中、
テオの声だけがはっきり聞こえた。
テオ
『好きになんなきゃよかった。』
苦しそうな声。
弱った表情。
いつもの余裕なんて、
どこにもなかった。
ソア
「テオ、座って。」
急いでベンチに座らせる。
テオ
「……平気。」
ソア
「全然平気じゃない。」
額に触れると、
熱かった。
ソア
「熱あるじゃん…!」
テオは目を閉じたまま、
小さく笑う。
テオ
「怒ってる。」
ソア
「当たり前。」
「なんで無理するの。」
テオ
「会いたかったから。」
また、
そんなこと言う。
心臓が痛い。
ソア
「……私も。」
テオ
「え。」
ソア
「会いたかった。」
言った瞬間、
顔が熱くなる。
でも、
もう隠せなかった。
テオは静かにソアを見つめた。
雨の音。
近すぎる距離。
苦しそうなのに、
その目だけは優しかった。
テオ
「そんな顔すんな。」
ソア
「どんな顔。」
テオ
「泣きそう。」
ソア
「……だって。」
怖い。
この人が、
本当にいなくなりそうで。
その時。
ふわっ
テオの手が、
ソアの頭に触れた。
優しく撫でるみたいに。
テオ
「大丈夫。」
ソア
「説得力ない…。」
テオは少し笑った。
でも次の瞬間、
その身体がふらつく。
ソア
「っ、テオ!」
咄嗟に抱きとめる。
近い。
雨の匂い。
熱い体温。
そして。
テオ
「……離れんな。」
耳元で落ちた声に、
息が止まりそうになった。
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