テラーノベル
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ソア
「……離れない。」
気づけば、
そう答えていた。
テオの身体を支えながら、
ぎゅっと制服を掴む。
すると。
テオ
「……それ、反則。」
ソア
「何が。」
テオ
「期待する。」
苦しそうに笑うテオ。
その顔を見た瞬間、
胸が締めつけられた。
ソア
「期待していいじゃん。」
テオ
「ダメ。」
ソア
「なんで。」
テオは答えない。
ただ、
雨を見つめている。
ソア
「また急に遠く行く。」
テオ
「……。」
ソア
「私は嫌だよ。」
「何も知らされないまま離れるの。」
その瞬間。
テオ
「離れるつもりだった。」
ソア
「……え。」
雨音が強くなる。
テオ
「最初から。」
「お前に近づく気なかった。」
ソア
「じゃあなんで…。」
テオ
「無理だった。」
テオがゆっくりソアを見る。
その目は、
今までで一番真っ直ぐだった。
テオ
「お前といると。」
「ちゃんと笑えるから。」
ソア
「……。」
テオ
「だから苦しい。」
胸が痛い。
好きって言葉より、
その一言の方がずっと苦しかった。
テオ
「病気のこと知ったら、
普通は離れる。」
ソア
「離れない。」
即答だった。
テオは少し驚いた顔をする。
ソア
「私は。」
「テオのこと、ちゃんと知りたい。」
沈黙。
雨の音だけが響く。
そのあと。
テオ
「……もう遅い。」
ソア
「え?」
テオ
「とっくに好きだ。」
世界が止まったみたいだった。
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