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月城 蓮桜音
34
羽海汐遠
14,514
#オリジナル
ゆいらーめん
512
「お、アリストじゃん。それに俺のタイプのリサちゃんと黒いの」
え? 何の冗談ですか?
目の前の玉座に座っているのは、この街にきて受付で真珠のブレスレットを渡してくれた金髪のお兄さん……。
「アリスちゃん、知ってたの?」
コソコソとアリスに確認する。
「いや、この国の王を見るのはボクも初めてなんだけど……」
アリスもルードもびっくりしすぎて反応に困っているようだ。
「あれ、俺のこと忘れちゃったの? カナシーナー」
「陛下! ふざけずに話してください!」
「息子1がキビシー」
「陛下!」
「2もキビシー」
「「陛下!」」
ハイハイと、肩をすくめながら彼は二人の王子と同じ青紫色の目をこちらに向けた。
まって、三人並ぶと兄弟にしか見えないのだけど。いくつのときの子供なんだろう。
「そんな調子だから秘密に彩られた王と言われるのですよ。公開しづらい――」
「パパ泣いちゃうぞ」
「陛下」
「そうだった。アリスト、リサ、ルード。トレントの討伐御苦労であった。これでいいんだっけ?」
なんだろう、しまらない……。
「えー、リサは聖女のようなので俺の嫁にこない?」
「陛下」
「我が国に留まり、この国をともに豊かにしないか?かー、めんどくせぇー!」
「陛下!」
「うちには、アミスちゃんがいるからいいじゃん! アミスちゃん俺と結婚しよー」
…………なんて言えばいいのでしょう。誰か教えてー!!
アミスも、苦笑いしている。
「アミスは私の――」
「陛下、我が国にはすでにもう一人、聖女になる事が出来る者がいます。これ以上望むのは危険ではないでしょうか?」
え……、この国に二人もいるの?
「何、アミスちゃん。マジそれ?」
「ハーフィ様が、確認しております」
「息子1、マジ?」
「――」
「おーい」
ハーフィ王子は黙っていた。何故だろう、アミスの横をずっと見ている。横にいるのは、ルミナ?
「もー、俺遊びに行ってもいい? フィルムーナが来る前に」
「ニュウム様――」
びくりと王が震える。部屋の入り口からクレス王子のような髪色の女性がコツリコツリと歩いてくる。
「今日は、逃がしませんよ?」
「フィーちゃん見逃して?」
「いいえ」
「命短し恋せよ俺ー! 街に俺を待つ子がいるんだぁぁ!」
「陛下には私がおりますので必要ございません」
「緊急事態だっていうから戻ってきたのにこの仕打ちー!」
「常に王として――」
なんだろう、見てはいけないものを私達は見てしまっているのではないでしょうか。
王子二人の後継問題というより、この王様を玉座からはやくおろしたい問題な気がしてきた……。
「まあ、そういうわけだから、ありがとさーん! 俺行くわ」
「だから、逃がしませんよ」
二人の攻防をあとにして、私達は謁見から逃げ出した。
出ていく前に、気になったハーフィ王子のルミナを見る目が、とても優しくて好きな人を見てるような……、見なかったことにしよう。うん。
ーーー
「え、魚人は人の半分?」
「そう、寿命が大体半分なんだ。成長は二倍はやい。ただ人の二十歳くらいで一度成長が止まって死ぬ前に止まっていた成長が一気に動き出すんだ」
そういえば、あの夜も沢山の人がいたけれど皆若かった。
「じゃあ、ハーフィ王子やクレス王子は産まれてまだ」
「九年と八年くらいかな」
「アミスさんやルミナちゃんは」
「八年と三年くらい?」
「あの王様……は、わからないのか」
マルのお家に戻ってきた私達は、部屋で衝撃の事実をアリスから聞いていた。
命短しって本当の意味だったんだ……。あと五年もすればルミナも今のアミスと同じになるんだ。そっかぁ、魚人さんの恋愛観は人とは全然違うのかもしれない。あの王様はあれだったけど。
「それで、リサ様。約束のお話は?」
ルードが椅子に腰かけながら聞いてきた。
そうだ、きちんと話すと言っていたんだ。あ、でもどうしよう。カナちゃんのこと、アリスにも伝えてないことがあるけれど。
「隠さずに、全て話してくださいね」
ルード、アリスが、二人揃ってこちらに視線を向ける。
「あ、えっとですね」
どうしよう……。少しくらい誤魔化しててもいいよね。
コメント
1件
王様まさかのあの金髪お兄さんだったのウケたwww「命短し恋せよ俺ー!」って叫びながら逃げようとするの面白すぎる😂 フィルムーナ様の登場で一瞬でビビるところもツボった〜! でもハーフィ王子がルミナを見る目が優しかったっていう描写、それ絶対好きな人を見る目だよね…?😳 魚人の寿命の話も切なくて、あと5年でルミナが今のアミスと同じ年齢になるって考えると胸がギュッてなった🥺 リサが隠し事しようとしてるところも気になる〜!次回が待ちきれない!