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視点:須藤亜樹 11月28日
「その傷はなんなの?」と問われたら 正直に答えるしかなかった。
そしてそれから僕は今まで受けてきた暴力の話をした、今回が初めてだったと言って。
「嘘…….そんなことが…」
そう言い優里は顔面蒼白になる。その白さは不謹慎かもしれないが、もう少しで降ってきそうな気配がする粉雪のような色だった。
「いや、気づかなくて当然なんだ、ずっと僕は隠してきたんだ。優里は何も悪くないよ。」
「だ、だとしたら!これから私の家に住まない⁉︎」
「いや、申し訳ない。お金も払えないし。」
「お金なんてどうでもいいよ!私は!亜樹の体を心配してるの!」
すごい剣幕で怒鳴られた。だが、優里は怒っているのではなく本気で心配しているのが伝わってきた。
「ご、ごめん、でもやっぱりお金も払わず居候なんて…」
「いいから!」
さっき以上の剣幕で言われ思わず身震いする。
「わ、わかった、じゃあ、居候、させてもらうな?」
「それでいいのよ!」
なぜか少し優里は照れていた。こんな優しく可愛い人をただの私事に巻き込むわけには行かない。
奴を殺したら、僕はどこか遠いところへ逃げよう。それが僕にとっても彼女にとっても幸せになる方法だろう。
そんなこと、勝手な決めつけだと思うがそれが最善策なのだ。
僕は幸い傷が浅く、1週間後には退院できた。そして今は優里の家に向かっているところだ。
「本当に心配したんだからね!いきなり倒れたかと思えば家庭内暴力だなんて!初犯だったとしても絶対に良くない!」
そう怒っている優里は可愛らしさもあるが本当に怒っているようだ。
「まぁ、今回が初めてだったんだ。何か衝動的なものだったんだろ。」
否、そんなわけがないのだ。もはやアザが青紫になっているものがある。これをみて気づかないわけがないのだ。
(…、もっと…早く打ち明けていたらなぁ…)
そんなことを考えながら僕たちは優里の家の方向へ足を向けた。
視点:愛染優里 11月28日
亜樹が寝たあと、私は心の中がぐちゃぐちゃだった。暴力を受けていたという事実、そしてずっと気になっていた亜樹の隠し事はこれだったのかと思うと同時に、、私も、、亜樹に対して暴力を振るいたいと、、思ってしまったのだ。
(あぁ!今すぐにでも亜樹を殴りたい!蹴りたい!亜樹の!恐怖で歪んだ顔を!目の前で見てみたい…)
そんな感情が私の心を黒く染め上げてしまった。
第2章 閉幕。