寝れない…寝れない!!
学校が終わって直ぐに昼寝をしてしまった為か12時を過ぎても目が冴えて寝れない…
ん~…なにか眠れるいいものないかな
…あそういえば、母さんから前ホットアイマスクを貰ったんだ。
机に置いてある紫のパッケージのアイマスクを手に取る。袋を破いてアイマスクをつけるアロマの匂いが鼻を優しく刺激するその匂いがどこか心を落ち着かせる…
暖かい感覚が目元を包む。5分もするとすぐに瞼が落ちた
…
「たかいたかーい!!」
sh「あははっもっとして~!」
幼少期の頃の記憶だろうか、思い出そうとしても思い出せなかった父の顔が夢の中で鮮明に映し出される。…そういえばこんな顔、してたっけ。
sha「おれ、大人になったら父さんみたいに力持ちでかっこいい人になる!!」
「んふふ、そうかあ!!俺の息子だもんきっとなれるよ」
そう言われたのが嬉しかったのか俺を軽々持ち上げて抱きしめる。その感覚が心地よくて…。
父との記憶が次々に夢に綺麗に描写される
家族3人でピクニックに行った記憶
水族館に行った記憶、旅行に行った記憶…
…こんな事もあったけ。
次に描写された光景は曖昧だが今の俺も何となく覚えていた。
包帯と全身に繋がれたチューブ、そんな痛々しい父さんの隣で疲れきって寝る母さん。寝ずに付きっきりで面倒を見ていた母さんは、俺がお見舞いに来る度に椅子に座って寝ている、家に帰って寝ればいいのに。過保護な母さんは父のことを心配して家に帰れないのだろう。父が交通事故で記憶を失ってしまった、それからもう何日、何週間経っただろう。もう父が目を覚ますことにすら期待していない。息をしているだけでそれが奇跡だと思った。
ある日いつものように病院に見舞いにいくと父さんのベッドの周りを沢山の大人が囲んでいた。もしかして父さんが目を覚ました…!?目を覚ますことを心のどこかで期待していたかもしれない。淡い期待を心の内に秘め、平然を装い父さんのベッドに足を進める。どんどん近づいていくと、何やら啜り泣く声が聞こえた。
sha「…?母さん…??」
父の白い手を握り啜り泣く母
父さんにいつもついていたチューブも酸素マスクも外れていた。どうして?
幼い俺にはその意味がわからなかったかもしれない。
心電図はもうずっと0を示している。
…あ死んだんだ。父さんは。
心電図を見た途端にこの状況をようやく理解出来た。
心臓がきゅうっとなるが涙は出なかった
…
葬式が始まると、次々と父さんの友達、知り合いがお焼香をして涙を流す
なんとなく俺も父さんの顔を見に前に出てみる。
sh「…。」
俺の目に映る亡骸は寝ている父さんの顔と何ら変わらない気がした。
まだ父さんが死んだという状況を頭が理解しきっていないのか、哀しくても涙は出ない。ただ棺の前で呆然と立つ俺を遠い親戚の顔も知らないおばさんがゆっくり席に戻してくれる
「辛かったよねえ…」
「おばさんも辛いよぉ…」
心にも無い台詞を次々と吐き出すおばさんの顔はなんだか俺を嘲笑っているように見えた。
葬式が終わると、母さんが優しく俺を抱きしめる
「母さんがんばるからね。」
そんな母さんを俺も抱き返す。泣いているようだった
「…俺もがんばる」
慰めるように俺もそう言う
火葬した後に骨になった父さんは小さな骨壷に納められた。大きな背中が今では俺の手に収まるサイズになってしまったその感覚がなんだか変な感じだった。
ふっと景色が暗転する
…
sha「…」
今日はいつもよりすっきり目覚められた気がする。後味の悪い夢だった。
骨壷に小さく包まれた骨を見る
もう、骨の形も残っていない。
sha「ぁ…。」
夢のことを思い出すと何故だか涙が溢れてくる。
なんでお別れの言葉も言わずに逝ってしまったんだろう、俺が大きくなった姿見てほしかった。夢の中に映し出された父さんの顔はまだ脳裏に鮮明に焼き付いている
頬を伝う涙を袖で拭き取って、落ち着かせる。少しリラックスするとやっと落ち着いてきた。
…
気持ちを切り替えるために、少し外を散歩してみる。
sh「…」
切り替えようと思ってもずっと脳裏にこびりついて離れない。
rbr先生に会ったら忘れられるかな…
ポケットに入れておいたスマホを取り出す
mineを開くとrbr先生のトーク画面を開く
〈おはようございます〉
直ぐに既読が着いた
〈おはようsha〉
〈先生、早いですけどもう来てもいいですか?話したいです〉
…時刻は11時半、やっぱりまだだめかな。
〈いいよ、おいで〉
そのメッセージに既読をつけると早足で家に帰ってパジャマから私服に着替えた
案外許してくれるんだ、優しい…
こんな我儘でも許してくれるrbr先生に何故だかたまらなく逢いたいと思った
昨日寝落ちする前に準備しておいたお泊まり用の荷物を持って、玄関の鍵を閉める。 rbr先生の住所をスマホで見ながら足を進める。画面には徒歩20分程と書いてある
…この道を右に曲がって、それでこの信号を真っ直ぐ…。どんどん複雑になっていく道に、迷路感覚で恐る恐る足を進めていく
歩き始めて20分、もしくはそれ以上の時間が経っただろうか。
短い横断歩道を渡ると、大きなマンションが見えた。ここら辺では珍しいマンション。rbr先生の部屋のインターホンを押すと中からrbr先生がでてきた
rbr「おはようsha」
sha「おはようございます…あの、早く来ちゃってごめんなさい」
rbr「いいよ、気にしてない 」
と、俺の荷物を軽々持つ。するとエレベーターのボタンを押す。
五階の階で止まると1番奥の角部屋に入る
「…おじゃましまーす」
rbr「いらっしゃい」
玄関に入るとrbr先生の匂いが全身で感じられた
rbr「にしてもsha急に来たいってどうしたの、俺に会えなくて寂しかった?」
今朝の夢のことで心のどこかに穴が空いた気がして寂しくておかしくなった俺はつい、「寂しかった」と言ってしまった
rbr「え、」
sha「寂しかった、寂しかったよせんせいぃ…!!」
rbr先生のいつもの声を聞いて安心して、何かから開放された気がして、その場で泣き崩れてしまう
rbr「sha…大丈夫だよ。」
そんな俺を抱きしめてそっと背中をさする
抱き締められるとなんだかもっと涙が止まらなくて。
sha「…うぅッ…」
rbr「何があったか、話せる…?」
少し落ち着くと、まだ俺を抱き締めながら
そう言う
sha「怖い夢見て…怖くて不安で、会いたくなったのそれだけ…」
やっぱり可笑しいかな気持ち悪いかな…
そんな不安が俺の脳内を駆け巡る
rbr「そーかそーか…」
そんな不安がる俺を安心させるように頭を撫でる
rbr「怖かったよなぁ…」
sha「…ぅん……」
こんなに変な理由で甘える俺を許してくれるrbr先生は本当に偉大だと思った。
rbr「…sha、もう落ち着いた?暖かいものでも飲もうか。」
そう言うと先程まで俺を包み込んでいた手がぱっと離れる
sha「…ぁ」
rbr「sha何飲みたい?ココアとお茶と珈琲があるけど…。」
キッチンに立つrbr先生がそう俺に問いかける
sha「おれココア飲みたい 」
rbr「今から作るからそこに座って待ってね」
学校以外で話すrbr先生は学校の時とはまた違うオーラを纏っているような気がした
なんというか、学校の時より優しくなってスキンシップが増える感じ。
なんとなく、本心とかじゃないけどプライベートのrbr先生の方が好きだと思った。
優しく包み込んでくれる暖かい腕の感触がまだ忘れられない。
rbr「ココアできたよ」
そう言うとマグカップを2つ持って俺が座っているダイニングテーブルに向かってくる
コトン、とテーブルに置く。
マグカップを手に取りココアを1口啜ってみる…
sha「…あちっ」
やっぱり出来たてのココアは飲めない…
rbr「あははっ、shaって猫舌なんだな!」
sha「はぁ?別にそういうんじゃないし、今のはたまたま。」
rbr「んふふ」
sha「先生なに飲んでるの?」
rbr「ブラックコーヒー。お子ちゃまのshにはまだ早いだろ? 」
sha「まぁ別に?飲めないこともないけど」
rbr「ほんとかぁ…?」
ニヤニヤでこっちを見るrbr先生になんだかイラッとしてムキになってコーヒーが入ったマグカップを手に取り1口啜ってみる
味わいもせずにすぐごくんと飲み込む
…あれ、案外…そう思ったが後に来る苦さの刺激が口内を駆け巡る
sha「ぅ”ぇ…」
rbr「あはは、やっぱりダメじゃないか」
sha「今のはたまたま苦かっただけです…!」
rbr「たまたまってなんだよ」
sha「もぉそんなのいいからこの苦さを消す食べ物くださいよ〜!!」
rbr「あーはいはい、お子ちゃまのshaにはチョコレートをあげますよ 」
個包装のチョコレートをポイと投げやられるとすぐに口に放り込んだ
口の中の気持ち悪さを上書きしてくれるような甘味が直ぐに口内で溶けだした
sha「おいしぃ…」
rbr「んふ、そりゃどーも。」
深夜テンションで作った話を朝で書き終えた。うーん、て感じだよこの回は😿
どの投稿も不定期になるかも‼️マジごめん‼️明日あげるとか言って全然あげんだったね‼️謝罪‼️‼️‼️‼️
コメント
7件
一気見させていただきました! いや、もう、どうやったらこんなストーリーが思いつくんですか…!! 天才すぎて頭禿げ散らかしてます…
一気 見 し ました ! マ ジ で こ の 小説 好 み です !
初コメ失礼します!!!!! 一気読みさせてもらいました!! はぁ?尊い、すこ、(語彙力とわ?)続き待ってますッッッッ!!!