道枝side
長尾、どこにおるんやっ…!
いつもの公園には、長尾の姿はなかった。
『や、やっぱり、そうだ、み、みんな、僕を捨てるっ、好きなひとがいるとっ、何かを言い訳にして、僕はいらなくなって、捨てるんだ…っ』
違う、違うの、長尾。
言い訳やないの、康二くんにくっつきたいからとか、そういうのじゃなくて。
長尾には、俺はあわない、ただそれだけなの。
はぁ…はぁ…どこに、いるの…
………みんな。
助けを、求めていいのかな…
俺のせいやから、俺が長尾を探して、安心させないとやけど……
頼って、ええ?
『もしもし』
「丈くんっ!助けてっ!」
『!?どーした!』
「長尾が、いないの…!俺に捨てられたと思っててっ!」
『…あとで詳しく聞くでなっ!仕事ない人にも聞くから、みっちーは探してて!俺もすぐ行く」
「お願い、します…」
長尾、ごめんね、ごめん。
電話、かけてみよう。
「おかけになった電話番号をお呼びしましたが…」
いいよ、何度もかけるから、君が、出てくれるまで。
「おかけになった電話番号は……」
どこにいるの!長尾!はよ出てやっ!
俺に捨てられるなんてありえへんやんっ!
俺をなんやと思ってるんや!
「おかけになった電話番号をお呼びしましたが、おでになりません……」
駿「もうっ!」
………………あれ?
あれ………長尾?
屋上の上に、立っている人影……
長尾!!!
何…、してんの?
屋上……立ってる……
じ、自殺やっ!!!
もう、飛び降りようとしてる…!
今から屋上行っても間に合わへん!
ど、どうしよう、どうしよう……!
「長尾ぉぉぉーーーっ!やめてぇぇー!!」
喉が痛くなるくらい叫んでも屋上にいる長尾には届かない。
もし、ほんとに飛び降りたら……
ここは6階建てやから…
し、死んじゃうんじゃ……
だ、だめ!絶対だめ!俺には長尾が必要や…
やめて…!
その時だった。
長尾が、
屋上から、飛び降りた。
コメント
2件
とっても面白かったです! 続き待ってます!