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⚠️注意
お名前をお借りしているだけで本人様とは何も関係はなく、全て捏造になります。
ーーー
佐野勇斗は山中柔太朗に恋をしている。
それは、思いを寄せられている当の本人以外には周知の事実であり、周囲の人間の悩みの種でもあった。ちなみに、思いを寄せている佐野勇斗自身は、周りに自分の気持ちがバレているなんて一ミリも思っていない。 そこがまた、これまた厄介だった。
「なーあ、柔太朗。これちゃんと付いてる? 後ろ見えないから、よく分かんなくてさ」
「ん? あー、待って。俺、やったげるから」
ネックレスを受け取った柔太朗は、そのまま勇斗の背後へ移動した。鏡台の前に座る勇斗の衣装を鏡越しに確認しながら、首に手を回す。
すっと首筋に触れた柔太朗の手から伝わる体温に、勇斗の鼓動が少しだけ速くなった。
「はい、完璧。勇ちゃん、これ最近お気に入りだよね。よく付けてるの見るわ」
ネックレスの留め具を指先で弄びながら、柔太朗はぽつりと呟いた。視線だけは鏡越しに、勇斗の首元で光るネックレスへ向けられている。
ふと、動いた柔太朗の視線が少し上へずれ、鏡越しに勇斗の目を射抜いた。
真っ直ぐな瞳。
心まで見透かされそうで、慌てて勇斗は目を逸らす。
「た、確かに最近はこればっかかも。前、柔太朗が好きだって言ってたブランドのやつなんだよ。気づいてた?」
「もちろん。てか、俺も買おうか迷ったやつだし。勇ちゃんが付けてんの見て、尚更いいなと思ってさ。……勇ちゃん、シルバーなら俺ゴールドにしよっかな。お揃いにしてもいい?」
「お揃い」という言葉に、ごくり、と喉が鳴る。
メンバー全員で一緒に買ったものや、他のメンバーとのお揃いはいくつかある。けれど、柔太朗とは今まで持っていなかった。
好みの違いもあるし、なにより勇斗から面と向かって誘うのが、とんでもなく気恥ずかしかったからである。
今、勇斗の首元で光っているネックレスも、デザインはもちろん気に入っている。けれど、柔太朗が持っていたらお揃いになるかも♪――そんな少しの下心もあって購入したものだった。
「マジ? 俺は全然いいけど……」
「やった。じゃあさ、今度買い物付き合ってよ。土曜日、オフだって言ってたよね?」
勇斗の肩を掴んだまま、横から覗き込むように柔太朗は顔を寄せた。
何気ない仕草と提案だったが、それだけで、どっどっと鼓動が速くなったのを感じる。
柔太朗はただのメンバーとして、仲の良い友達としての提案だろう。
けれど、そんな提案に心を躍らせてしまう自分が、浅ましくも、嬉しくもあった。
「全然いいよ! また連絡するわ」
「うん、約束ね」
にこ、と柔太朗が微笑んだタイミングで、楽屋の扉が開いてスタッフが顔を出す。
「山中さん! 佐野さん! スタンバイお願いしますー!」
「お、来た来た」
「よし、行くかー」
柔太朗が手を離したのを名残惜しく感じつつ、勇斗も立ち上がって衣装を整える。
今日は雑誌のペア特集の撮影だ。
柔太朗の隣に写る自分は、常に完璧で、誰よりもかっこよくありたい。
先に楽屋から出ようとした柔太朗が、ふと振り返った。勇斗の全身を上から下まで眺めると、ふっと笑う。
「……ん、勇ちゃん今日もかっこいいね」
……馬鹿野郎。
そんなのって、反則だ。
「……だっる……」
「見てられへんよ、もう~!」
「完全に二人きりの世界って感じやったな……」
「柔はともかく、勇ちゃんは俺らがいること完全に忘れとったな」
「見た? 柔太朗に『かっこいいね』って言われた勇斗の顔。恋する高校生かってくらい真っ赤なの!」
「勇斗が覚悟決めるか、柔太朗が気づくかしてくれんと進まんやろな、あれは」
「はぁ……はやく付き合ってくれ……」
コメント
1件
ネックレスを付けるシーン、鏡越しに交わす視線と鼓動の描写が繊細で、こちらの胸までときめきました…!「お揃いにしてもいい?」って柔太朗くんがああいう形で提案してくるの、ずるいですよね(笑)。最後の「勇ちゃん今日もかっこいいね」で完全に持っていかれました。楽屋の外でヤキモキしてるメンバーたちの空気感も好きです🌷