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◎孤爪研磨
今日は、音駒高校の合宿1日目の夜。
私と研磨くんは、晩御飯の担当だったので、調理室でカレーを作っていた。
「🍊ちゃん。これ、どうすればい?」
人参を片手に聞いてくる研磨くん。インドア派だから、あまり料理はしないのかな?
「あ、それ私がやるよ。研磨くんは、こっちやって。」
他愛のない話をしながら、料理を進めていく。
「ねぇ。」
研磨くんが後ろから、話しかけてくる。
「ん?なに?」
呼ばれたと思った直後、研磨くんが、私を後ろから包み込む。
研磨くんの口が、耳に近づく。
「ちょ、危ないよ。包丁持っているのにぃ。」
私に抱きついたまま、少し沈黙が続いた。すると、ゆっくりと研磨くんが話し始めた。
「、、、ねえ、🍊ちゃんってさ、好きな、人いる?」
急な質問に、戸惑う。
「え、まあ。」
実を言うと、私の好きな人は、研磨くんだ。なのに、その本人に聞かれるなんて、、、。
「だれ?」
「んっと、まあ、ね。」
焦りすぎて、あやふやに答えてしまった。
すると、研磨くんは、私の耳元で、囁くように言った。
「おれ、🍊ちゃんのこと、す、好きだから。その、、、。」
告白!?
二人だけの調理室に、また、沈黙が流れる。
がらがらと音を立てて、ドアが開く。
「あーら、お二人さん、イチャイチャしてます(笑)?」
急に黒尾さんが入ってきた。
二人ともびっくりして、固まってしまった。
「お邪魔でしたかぁ。んじゃ。」
冷蔵庫の中に入っているスポドリを取って、戻って言った。
「、、、ごめん、なんか。今のは、、忘れて。」
そしてまた、調理室は沈黙に包まれた。
🍊🧡