※今回は、暴力表現が出てきます。この作品において番外を出さない限り暴力はこの話にしかでてきませんし、出しません。結構アニメとかのカッコいい暴力じゃないのです。なので、暴力系苦手な人はご遠慮ください
「…い」
「ん〜…」
「おい」
「だあ!うっせえなんだ?!」
「客だ」
「…客?」
客…2択だな。一方最悪だけど
「お、アビスじゃん」
「おはようございます…えっと、さっきのは…」
「名前を聞かない方が絶対幸せだぜ?」
「えっと…遠慮しておきますね」
「是非そうしてくれ。あーワースは…」
「アビス!悪い待たせた」
「いえ。さ、アベル様にも説明しないと」
「あ〜…」
「俺しとこうか?」
「いや…兄貴の方に気つかってください」
「ヒュ〜カッコいい〜」
「〜//いくぞ、アビス!!!!」
「あ、待ってください、ワース!!」
「朝ですよーって…」
「おはようございます」
朝から勉強とか…てか、お前勉強する意味あるか…?
「…勉強しておくに越したことはないでしょう」
あ、読まれてる〜
「じゃ、オーター。飯、食おうな」
「…先ほどいただきました」
「今タナトスが作ってるけど」
「…はあ」
「おはようございます、タナトスさん」
「…タナトスでいいぞ?」
「癖…なのでお気になさらず」
「パンとご飯と麺。どれがいい?」
「…」
「おにぎりで」
「了解」
『いただきます』
「…ワースは、食べてませんよね?」
「あー先に持たせた」
「…そうですか」
「ちゃんと食え〜」
「量が、多いんです」
え〜一個120gだぜ?
「…ま、そんなうっすい腹になるわな」
「…すみませんね」
「…オーター」
「おいクソジジイ黙ってろ」
「まだ何も言ってないだろう」
違う。なんとなく喋らせてはいけない気がする
「えっと…なんですか?」
「お義父さんってよんではくれんのか」
「はっ?!/////」
「クソジジイー!!!」
見事に、タナトスは床に沈んだ
「はー部活ねー」
「決めたんですか?」
「んにゃ全然」
俺とオーターは、部活動見学に来ている。来週までに決めなければいけないらしい
「…昼寝部でも作ろうかな」
「履歴書に何書くんです?」
「睡眠の質をどうすれば向上できるか真剣に瞑想してました」
「まかり通るとでも?」
「デスヨネー」
「…運動部とか、どうなんですか?」
「つかれたくねー」
「そうですか」
「なんかあった?」
「いえ…レナトスは運動神経もいいですし…絵になるんじゃないですか?」
「そう?…あ、オーター、茶道は?」
「なんでまた…」
「みたい」
「…」
ジト目可愛い。てか、想像してみろ。着物着て、身だしなみも綺麗になったオーター…!絶対に可愛い。なんなら淹れて欲しい
「あーマジどーしよー」
「…タナ「ごめん絶対無理」」
「そう、ですか…」
引かないで、オーター。悲しくなってきた。…てか、あいつの学歴どうなってんだろう。学力は問題…なかったと思いたいが同類であって欲しい
1時間半後…
「あ“ー決まらずに下校時刻になった… 」
「今日逃すと後2日しか見学できませんね」
「…最終日になってもきまんなかったら、タナトスに聞くか」
「ですね。送迎が必要な部活もあるみたいですし」
「費用もなーかかるもんはかかるからな…」
「要相談ですね」
「兄貴!!」
正面から、ワースが走ってきた。よく見ると、鼻から血が出ていた
「ワース?!どうしたんです、その怪我!」
「何があった?! 」
「俺のことは後でいい…!でも、タナトスさんが…!」
何があった?!なんで、こんなことになってる…?あれ、生きてる、よな…?
「なんで…」
「ようやく見つけた。こざかしいことを…」
「親父…」
「下がって、ワース」
「オーター…お前か、たぶらかしたのは」
「…」
「返事をしたらどうだ?!」
「返す言葉はないと言っています。お引き取りください」
「…!」
「なんだ、その口の聞き方は?!」
「もう一度言います。お引き取りください。もう、貴方達のもとへは帰りません」
「兄貴!やばい、このままじゃ…タナトスさんが死ぬ!!!!!!」
「っ!レナトス!救急車を…レナトス!!!」
(クソっ…俺のせいだ…俺の、せいで…)
ワース視点
「ただいま…ってそうか。仕事でタナトスさんはいないんだっけな」
兄貴とレナトスさんは、部活動見学に行っていて、遅くなるそうだ。俺は、パソコン部に入部した。なんか楽しそうだったから
ピンポーン
「誰だ?配達か…?」
ピンポーン
「はーいいまいきまーす」
このとき、開けてしまったのが始まりだった
「え…」
「ワースだけか」
「ガハッッッ」
「どういうつもりだ?!何故家を出た?!オーターはどこだ?!」
最悪…親父、とお袋…生ゴミと、粗大ゴミ…
「知らねえつってんだろ…!」
「〜っっ!どこまでも生意気だな?!」
「っ!」
やばい、死…
パシ
いつまで経っても、痛みはこなかった
「人んちの敷地内で何をしている」
「タナ、トスさん…すみません…」
「お主は悪くない。…で、コレらが生物学的には親になるものか」
「人様の問題に首を突っ込むな…ひっこんでいろ」
「いいや。生憎他人じゃない」
「口答えするきか?」
「はっきり言う…我のむすこたちに手を出すな」
「何を言っているのだ貴様…!」
「我は、レナトスの、オーターの…ワースの父親だ。邪魔をするな」
え…
「…黙って聞いておれば…ふざけたことを抜かしやがって!!!!!!!」
スローモーションで見えたのは、タナトスさんに向かっていくナイフで。ドサッッッっという音がして。そこには、血溜まりを作っているタナトスさんがいた
何時間、たっただろうか。あれから、タナトスさんは立った。立ってしまった。もう、ぴくりとも動かない。そりゃそうだ。腹にナイフを刺されて、その後も動いて、周りの奴らに捕まって、傷口を抉られて。いくらタナトスさんが神だったとしても、今は人間で。人間の痛みの限界だって、高くなくて。それを分かった上で、執拗以上に、タナトスさんを刺し続けている。殴り、蹴って。鼻が、壊れたかと錯覚させるような、むせかえるような濃い、血の匂い
気づけば、俺は逃げていた
想定、してなかったわけじゃない。むしろ、そうなるかもなって…なのに、事態は悪い方へ進んでて
「レナトス!、」
「っ!!」
「タナトスの意識がない!」
「帰るぞ、オーター、ワース」
「…は?」
「刃向かえばその男のようになるぞ」
「本当に、救えない屑ですね…なにも、思わないんですか 」
「お前は車に轢かれた虫ケラに墓をたてるのか」
なんて言った?こいつ
「っ黙って聞いていれば好き勝手言いやがって!この人のなにを知って…」
「躾直しだ愚図が!!」
「兄貴!!」
ザシュッッッ
「…!っレナトス!!」
「っ…大丈夫…」
「あぁ…ごめんなさい、本当に、私は…」
「…オーター。後のこと、全部任せていいか」
「何を…。…分かりました」
「ん」
「最後です。お引き取りを」
「まだ刃向かうか…!」
「フッ」
ドサッッッ
「貴様!何を…?!」
「俺は優しいからさ、殴りはしない」
「貴様誰の上にのって…!」
「ビービーよくなく豚だなぁおい」
「誰が豚だと…」
「テメエ以外いんのかよ…?え?人間失格なんだから、次は家畜だろ?」
「こんなことが許されるとでも思っているのか?!」
「そっくり返してやるよ…」
「っ…誘拐犯めが…」
「…誘拐?」
「誘拐でもされなければ…そうだ、私は誘拐犯から自分の息子達を助けようと…」
「…随分都合がいいなぁ?」
「そうに違いない!なにか弱みを握られて従っているんだ」
「…本気でいってんの」
こいつが喋る度に、ドス黒い何かが、腹の底から込み上げてくる
「なあ、そうだろう?!なんだ、何を握られた?!」
「…貴方が一方的に痛めつけた人は、私の恋人の父親で、今の私たちの父親です」
「恋人…?ふざけてるのか?!男が相手だと?!気持ち悪い」
「…」
「ソッチの趣味があるなら娼館にでも行って足広げてこいよ!!その方が何倍も得にな… 」
「レナトス!!!」
「ひぃっっ!!、!、!、!、」
「…離せ」
「ダメです」
「オーター…」
「ダメ、です」
「… 」
この5分後、救急車が到着し、タナトスさんも一命をとりとめた
その後、警察に録音データを渡した。法律上、3回帰るようにいって帰らなかった場合、罪に問えるらしい。まあ、そんなことが必要なかったが。そして、オーターの両親ともども逮捕。身内から縁を切られ、寄るべのないオーターたちを、意識が戻ったタナトスは、二つ返事で2人の戸籍を俺たちにうつした。ようは養子として引き取った
「失礼します」
「オーター。毎日ありがとな」
「いえ。これくらい」
オーターは、毎日見舞いに来るようになった。というのも、学校側が憂慮してくれたらしい。流石ウォールバーグさん。ワースは、庭の掃除を買って出てくれた。ひと段落すると、ワースも必ず一回は見舞いにくる本来、2人は休ませてやるべきなのだろうが、そうさせてやれないのがなんとも世知辛い
「…あの、」
「気にするな。顎の傷が残るくらいだ。…そなた、怪我は?」
「…別に。額に残っちまったがな。小せえし、目立たねえよ」
「…」
「気にすんなって。大丈夫。前世もあったし」
「ですが…」
「時にオーター」
「はい?」
「其方、こう言う顔が好みなのか」
「「え…?」」
「顔に傷のある男が好きなのか?」
「えっと…そう言うわけでは、ないです」
「そうか」
「今の質問に何の意味があった」
「単に顔の好みの有無が気になった」
「なんだそりゃ」
「久しぶりぶりの我が家だな」
「元気だな…」
「ああ。ったい…」
「大丈夫かよ…」
あの後、タナトスは一瞬で傷を治して行った。主治医いわくヤバいらしい
「今日、日曜日か」
そう。もう、あの日から10日以上過ぎている
「「ただいま」」
「「おかえりなさい」」
「「…?」」
「あーGPSっす」
「…オーターの入れ知恵か」
「もうしませんよ」
「タナトスさん、怪我は…?」
「…ちょっと痛い」
『ダメじゃねーか』
「ただ、」
『?』
「おとうさんって呼んでくれたら元気出る」
『…』
「…そうか」
「…改めて、おかえりなさい…とうさん…」
「?!マジかよ」
「あ…えっと…」
まさかの一番手に動揺しまくる俺とワース。いや、わかるわけないじゃん
「別に親父でもいい。なんならタメで構わん」
「よろしく親父」
ええー?!裏切られた?!マジかよ
「…其方が残るのか」
「へーへーわろーごぜーましたー。…無事で良かったよ、親父」
「!」
今日一日、タナトス改め親父は、顔が緩みまくり、もはや別人だったとか
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