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ドガンッ
激しい爆発音に、すまない先生は目を覚まし、飛び起きた。
目に映るのは、瓦礫の残骸と、気絶している博士の部下。
そして、空をふわりと飛んでいる少年が。
「・・・え、何これ」
思わずすまない先生はそう零すと、少女がすまない先生に駆け寄った。
「すまない先生・・・!お兄様が!!お兄様がッ・・・!!」
「落ち着いて?お兄さんがどうしたの!?」
すると、赤子が口を開いた。
「・・・あいつの能力は、強いが、制限がある。・・・1分以上使うと、体が持たない」
「!?」
それにすまない先生は起き上がり、少年の戻元に駆け寄ろうとした、だが、体が上手く動かない。すると、
「すまない先生!大丈夫ですか!」
と、ブラック達が駆け寄った。
「大丈夫・・・けど、あの子を止めないと」
すまない先生は動かせない体に無理やり鞭を振る。
「無茶だ!すまない先生、猛毒がまだ残ってるんですよ!?」
と、すまない先生の体を支えながらバナナがそう叫ぶ。
すると、すまない先生は笑顔で答えた。
「・・・大丈夫。・・・それより、あの子を止めないと、もうこれ以上、誰も殺させないために」
と、すまない先生は少年の元に駆け寄った。
✵✵✵✵✵
瓦礫を掻き分け、瓦礫を踏み、なんとか手が届く所までたどり着く。
すると、
ゴボッ
少年の口から血が溢れる。恐らく1分以上経ったのだろう。
すまない先生は少年の手を引き、抱きしめた。
「・・・もういいよ、大丈夫だよ。・・・殺したいなら、僕を最後にすればいい」
そう優しく微笑み、頭を撫でた。少年はその暖かさに、目がゆっくりと落ちていき、瞼が閉じる。
すまない先生はほっと息をこぼす。その途端、
グシャッ
「・・・ぇ」
後ろからすまない先生の胸に刃の先が飛び出した。少年にはかすっていないが。
すると、後ろから大笑いの声が
「なんと、なんとなんとなんと!!致死量の猛毒でも死なないなんて!!こいつのDNAでもなんでもいい!手に入れれば死なない生物兵器になる!!」
と、刃を胸から引き抜く。血がごぼりと溢れた。すまない先生は、それが少年の顔にかからぬようにする。
博士は狂ったように笑い、その血を舐める。それをすまない先生はただ無表情で見ていた。すると、
「・・・ァ・・・アアアアアアアアッ!?!?」
博士は突然苦しみ悶えた。その瞬間、博士の口から大量の血を吐き出し、地に伏せた。その光景に皆、ポカンとなっていると、すまない先生は答えた。
「あーあ・・・僕の血は“猛毒”なのに」
と、すまない先生は、感情も何も篭っていない瞳でその博士の死体を眺めていた。
コメント
2件
止められて良かった……確かに生物兵器(?)を作る博士にとってはすまない先生は超好都合でした……(気づくの遅っ) 博士…これは仕方がない結末ですw