橙桃です。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
なんでも許せる人向けです。
年齢操作あり→高校生
「なぁ…こんな言い伝え知ってる?
男女の双子って前世一緒になれなかった恋人同士なんやって____________」
桃side
橙「おはよっ!桃!!」
桃「おはよ」
通い慣れた通学路を歩いていると後ろから聞こえてきた大好きな声。
橙「今日もかわええなぁ♡」
桃「はいはい」
隣を歩く橙とは中学の入学式で出会った。
俺の前の席で人見知りな俺に明るく話しかけてきて、仲良くなり毎日一緒にいた。お互いに惹かれ合って中学3年生の頃に付き合い始めたのだ。
橙「あっっつい…」
桃「そろそろ夏休みじゃんおっしゃ〜」
橙「……そうやな」
桃「?どうしたんだよ」
いつもなら誰よりも夏休みを楽しみにしている橙なのに少し寂しそうな顔をしている。
橙「ッなんでもないっ!!」
桃「そう…?」
橙「今年も沢山遊ぼーな!!」
桃「、うん!!」
橙はにこっと笑いかけてきた。
さっきの顔は気の所為だったのかもしれない。
橙「桃!!帰ろ〜!!」
桃「おうっ!」
桃「そんでさ〜そのボスが手強くて…橙?」
帰り道。歩道橋の階段を降りようとすると橙が立ち止まった。振り向くと橙は俯いている。
桃「おーい、橙ー?」
橙「…」
俺は橙の顔の前で手を振る。
すると突然顔をバッとあげて笑顔を見せた。
橙「なぁ!今年は何処に行く?」
桃「は?夏休みの話?」
橙「うん!計画立てよ〜」
桃「立てなくたっていいだろ。好きなときに遊べばいいじゃん」
橙「ん〜そうなんやけど…俺さ、今年は8月は予定びっしりでさ〜7月しか遊べないんよ…」
桃「はぁ〜?大切な彼女よりも大事な用事なのかよ」
橙「そうそう…桃も大切なんやけど、本当に大事な用事なの!!」
桃「はぁ…しゃあねぇな〜なら7月は毎日遊ぶ!いいな?」
橙「うん!!」
夏休みが始まり、7月の約2週間ぐらいは毎日ぶっ通しで遊びまくった。ゲームしたりお泊りしたり、海に行ったり夏祭りに行ったり…今年は本当に満喫できたと思う。
だが8月に入った途端、急に橙との連絡が途絶えた。まぁ忙しいんだなと思っていたのだが数日経っても一向に連絡は来なかった。
桃「あっつ…アイス食いてぇ…でも買いに行くのめんどくせぇ………、やっぱ買いに行くか」
近所のコンビニでアイスを買い、近くの病院の前を通る。
丁度病院から出て来た人と目が合う。
桃「橙の…母さん」
橙母「あっ…桃ちゃん…」
橙の母さんだ。橙の母さんは俺の顔を見た瞬間に顔を青ざめた。
桃「体調わるいんですか…?」
橙母「………ッ私じゃないわ…」
母さんではないということは家族の誰かだろうか…父さんか?いやでも橙の父さんって転勤で確かこの町にはいなかったよな…だとしたら
桃「橙…………?」
橙母「………」
桃「橙に何かあったんですか?!無事なんですか?!?!」
橙母「………言わないでって言われてたんだけどね………」
看護師「ちょっとそこ君、走らないで!」
桃「はぁ…はぁ…ッ」
橙母「橙ね…昔から難病だったの…一時期は回復してたんだけど…最近また症状が出て来てね…橙…………
余命があと数日なのよ。」
あんなに笑ってたじゃないか。バカやって、アホみたいに騒いで。あんな奴が死ぬなんて。
そんなの…嘘に決まってる。
俺は橙のお母さんから聞いた部屋番号を見つけて勢いよくドアを開ける。一人部屋らしい。
桃「橙ッ!!!!!」
橙「?!?!…も、桃…」
俺がドアを開けると橙は本を読んでいた。
俺を見ると橙は目を丸くした。
病室に入り、橙のもとに駆け寄る。
桃「なぁ!嘘だよな?お前、俺のこと置いて死ぬなんて、嘘だよな…?ねぇ、嘘って言ってよ…ポロポロッ」
橙「……ッご、めん………」
桃「バカっ…ばかやろう…、なんで…もっと早く言わねぇんだよ……俺、知ってたらずっと一緒に居たかったのに…………」
橙「…桃に言ったら……桃は優しいからきっと泣いてしまうと思ったから…。俺、桃には笑っていて欲しいんよ。桃が泣いたら、…俺まで悲しくなるから……死ぬのが怖くなるから………だからさ、桃。笑ってや……?」
そうか…俺が泣いたら、橙が悲しくなってしまう。だから俺は頑張って笑顔をつくった。
桃「毎日ここに来る。最後の日まで一緒にいる。」
橙「いいんか…?」
桃「何言ってんだよ…俺、…お前の恋人だろ、?」
橙「ッ!!!うん……ッポロポロッ」
それから毎日俺は橙の隣にいた。橙の家族も毎日朝早くから夜遅くまでいる俺の事を心配してくれていた。でも俺は全く苦じゃなかった。だって恋人だから。橙の隣りにいると安心する。
1人になってしまうと苦しくて、悲しくて涙が溢れてきてしまう。でも俺よりも橙の方がもっと苦しいし悲しいだろう。だから俺は橙の前ではいつも笑顔でいた。
ピピッピピッ_______
病室に俺が嫌いなあの音が鳴り響く。
橙母「桃ちゃん…」
桃「……、大丈夫ですニコッ」
夏休みの終盤、橙の容態はどんどん悪化していった。
ある日俺がいつもどおり病室に入ると必ずと言っていいほど毎日先に起きていた橙が眠っていた。俺が変に思い、看護師を呼ぶと看護師は焦った様子で医者を呼びに行き、橙の身体中に沢山のチューブが付けられた。
昏睡状態に陥ったらしい。
橙母「グスッ…」
橙父「母さん…少し外の空気を浴びに行こう。桃くんも…無理はしないでね」
桃「はい…」
病室にただ1人。瞼を閉じている橙に話しかける。
桃「橙……?橙の大好きな俺がいるのに、いつまで眠っているんだよ。起きてよ…起きて、また好きって大好きって、愛してるって言ってよ………………」
橙「…ぅ、……」
桃「?!だ、橙?!起きたの…?看護師さん呼ばなきゃ…!」
橙「も、も……まっ、…て…」
橙は掠れた小さな声で俺に話しかけてくる。
橙「さ、いご…だから………きい、てほし、い、…」
桃「な、なに…?」
橙「か、あさんと、とう、さんには…そだてて、くれて…あり、がとうっ…て……
とも、だ、ちには…なか、よくして、くれてあ、りが、とう…って…………
そし、て…」
桃「……」
橙「もも、あいしてる、…おれ、ももと、であえ、て…よかっ、た………ポロポロッ」
桃「うんっ…ポロポロッ俺も、橙と出会えて良かったよ。大好き。愛してるよ。ポロポロポロッ」
橙「な、かない…で…え、がお…みせ、て…?」
桃「グスッ………ニコッ」
橙「か、わいい…ありが、とう」
桃「うん…ありがとう。」
その言葉を最後にまた橙は眠りについた。
そしてその日の夜。静かに息を引き取った。
悔いは無い。最後まで一緒に入れたから。
橙の恋人として。
橙「…ていう感じかな〜って思うんやけどどう?」
桃「どうって…お前の想像力えぐすぎ」
橙「え〜本当かもしれへんやん!!」
桃「馬鹿じゃねぇの?大体それは“男女”の双子の場合だろ?俺らは男同士だろ。」
橙「そうやけど〜もしかしたらあり得るかもやん!!」
桃「あり得ねぇよ。そろそろその脳内お花畑直せよ。」
橙「お花畑やない!!弟のくせに生意気やな〜!!」
桃「弟って言ったって1分2分の差だろ。てかお前みたいなやつが兄とか口が滑っても言わねぇわ。」
橙「なんやと〜?こちょこちょこちょ〜!」
桃「あははっwwwや、やめwろって!!w」
橙「ふんっ!兄を舐めるからやで!!」
桃「はいはいwさーせんした」
橙「よろしい!!」
桃「ゲームやろうぜー」
橙「えー桃上手いからヤダー」
桃「マリカーならいいだろ?」
橙「まぁ…ええよ」
桃「えーと、どこやったっけな…、」
橙「…全部本当のことなんやけどな」
桃「あったあった!ん?なんか言った?」
橙「なんでもないっ!!!」
コメント
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泣いたᐡ ߹𖥦߹ ᐡ うわぁぁぁん🥺🥺 さとみくんも最後まで一緒にいられて良かったね!
うぅ(´;ω;`)泣ける(´;ω;`) 今車の中に居るから頑張ってこらえてたけど駄目だった(´;ω;`)後ろで良かった… まじで神だブクマ失礼!