ここちゃんにとって、初めてのクリスマスを迎えた。
12月になってから、クリスマスツリーを出して、 美優と心美は、一緒に飾り付けをした。
キラキラ光る金銀の飾りに、お星様、
ライトを付けたり、かわいい飾りに、ここちゃんは、 興味津々。
クリスマスイブは、洋平のフットサル『蹴り納め』ということで昼間に試合があるから…と、美優と心美も久しぶりに一緒に観戦に行った。
3月に出産を控えている、なっちゃんと久しぶりに会った。
「なっちゃ〜ん!」
「美優ちゃ〜ん!」と、お互いに手を振る
「随分お腹が大きくなったね。」
「そうなのよ、もうすぐ8ヶ月だから…」
万一のことを考えて、外は寒いし、危険球が飛んできてもいけないので、今回は、コート横のベンチまでは、行かず、ガラス張りの室内から観戦することにした。
「なっちゃん!まだ、誰にも言ってないんだけど、 私、2人目、授かったの。」
「そうなの?うわーおめでとう。良かったね〜」
「うん。予定より少し早いけど…」
「そっかあ、今だと、夏生まれかな?」
「うん、8月だね」
「そっか、きっと、授かるタイミングだったのよ。 産み分け法は、実践出来た?」
「あ〜それがよく分からなくて、洋平は、お肉いっぱい食べてたけどね。」
「ふふ、そっかーどっちでも楽しみだね。」
「うん、なっちゃんもね。」
「うん、なんだか、また男の子なような気がするんだけど…」
「そうなんだ!」
「お腹の出具合とか…前に突き出てたら男の子、 どしっと横に広がったら、女の子って、よくお婆ちゃんが言ってたのよ。」
「あ〜なんか聞いたことある!」
「なんだか前に出て来たような…もっと後期で、2人とも急激に前に突き出たから、これからかなぁ?とか…」
「そうなの?でも、後ろから見た時、どしっとしてるように見えたけど…」
「ホント?いっぱい着てきたから、着膨れしてる?」
「そうなのかなあ?ハハ、楽しみだね。」
「うん、楽しみだね。」
2人が会うと、やはり、そういう話で盛り上がる。
そして…
久しぶりに、航平くんに会った。
「おー久しぶり!」
「あ、久しぶり!頑張ってね。」と、だけ挨拶して、ロッカーからコートへ行った航平くん。
「で、義弟くんは?」
「あ、さっき久しぶりに会ったの。」
「そうなんだ。」
「お爺ちゃんのお通夜の時は、一瞬だったし、そのあと、洋平と一緒に買い物に行ったら、友達と居た航平くんと会ったの。」
「友達?」
「うん、あ、あの人、新しく入った航平くんの友達なんだって。」
「あ、そうなんだ。旦那が新しい人、入ったって言ってたわ。」
あちらの2人も、こちらを見ていたので、頭を下げる美優と夏希。
「ふ〜ん、なんかこっちを見て話してるね。航平くん、何か話したのかなぁ?」
「え?何を?考えすぎだよ、なっちゃん。」
「そうかなぁ〜?ま、いいか、その後、何もないなら…」
「何もないわよ。」
「何かあっても困るけど、ちょっと何かを期待してしまう悪い私も居る、ハハハ」
「もう〜なっちゃん!」
「でも、杉野家は無事に2人目が出来たなら、安心したよ。洋平さんとラブラブな証拠だよね。」
「う〜ん、でも、しばらくは、ずっと洋平、飲み会が続いてて、ちょっと険悪なムードだったのよ。」
「えー珍しい!」
「うん、今まではコロナで飲み会も中止だったでしょう?今年から増えて来て…」
「あー確かに!まあ、ウチは洋平さんと違って少ないけどね。やっぱり、外部との付き合いも色々あるんでしょう?」
「うん、そうなんだけど…記憶がなくなるぐらい泥酔して帰って来るから寝かせるのも大変で…」
「あーそれは、ダメよね。」
「そう!で、話して、結局、今はノンアルコールにしてくれてるの」
「また、極端な…」
「でしょう?だから、1杯ぐらい飲んでもいいよって言ったら、1杯飲んだらもっと飲みたくなるから我慢する!って…」
「そっか…自分の意思なら良いんじゃない?」
「うん、そうだね。早く帰って来てくれるから、嬉しいけど…」
「家で飲めばいいのよ」
「うん、そう!だから、ウチ飲みは、OKにしてるの。」
「仲良くする秘訣だね。良かったじゃん。」
「う…ん」
「ん?まだ何かあるの?」
「やっぱり、飲むとね、お酒臭いし、イビキが煩くて…」
「あーそりゃあ、そうよね。しかも、妊娠中は特に匂いに敏感になるからね。」
「そうなのよね、だから…その…」
「キス出来ない?」
「あ、うん…そうなの。だから、飲まない!って言ってるのもある。」
「ハハハ、やっぱり、洋平さんは美優ちゃんが大好きなんだね〜良かったよ、ラブラブな2人が、そんな感じだったとは思わなかったから…なんだ!なら良かったよ。」
「お爺ちゃんが亡くなった時は、私、洋平に全部頼りきってたの。さすがだなって、見直した。なのに、あんなに酔っ払っちゃって…」
「そっかあ〜普段の憂さ晴らしかな?でも、ちょっと幻滅してたんだね。」
「う〜ん、たまには良いのよ。でも、私も妊娠に気づかず、イライラしてたから、あーそのせいか!って思って…」
「そっか、じゃあ原因が分かって、仲直りしたのね?」
「うん」
「良かった、良かった。杉野家は、ラブラブじゃないと…ふふ♡」
「なんか恥ずかしいなあ」
「何言ってるのよ、お互いが大好きなんだよ♡きゃあ、照れる〜」
「なっちゃんちだって…」
「まあ、仲良しだけど、あの人は最初からイビキは煩いし、オナラなんてすごいし、もうキスなんて長い間してないよ、拒否拒否!」
「そうなんだ…」
「まだ、美優ちゃんが出来るってことは、やっぱり大好きなんだよ。きゅん♡」
「ヤダ、もう〜ふふふ」
「あ、試合始まるよ!」
「うわ〜久しぶり!楽しみ〜」
「また、惚れ直すんじゃない?」
「ふふ♡」
試合が始まると、美優は、のめり込んで観戦する。
「あー」
「行け行け!」
「Nice shoot」
「あははは、相変わらず、試合になると熱いなぁ〜」
「あ!ホントだね、ハハ」
「好きなんだね、サッカー!」
「うん」
そして、洋平が1点決めた!
「洋平さん、入れたよ!」
「うん」
「ハハ、やっぱりイイ笑顔」
わざわざ、こっちを向いて親指を立てている洋平
美優も拍手しながら、親指を立てる
ふと、その横にいた航平と目が合ったような気がする
お互い笑顔だったから、ま、いいか…
その後、航平も続けて、何点か決めた。
拍手を送る。
「やっぱり、いちいち、こっち見てるのよね〜義弟くん。」
「そう?」
美優も気づいていた。やっぱり、そうだ!って…
変わらず、拍手を送る。
1試合目、勝利した。
何試合も観るのは、カラダへの負担を考えて、止めておこう。
なっちゃんと子ども達と車へ戻った。
まだ、なっちゃんと少し話したくて…
洋平の車に乗った。
ここちゃんは、すぐに眠ってしまい、
なっちゃんの子ども達は、後ろの座席で、おとなしくゲームをしている。
なっちゃんも、美優が何か話したそうにしているのは 分かっていた。
「義弟くんのこと、気になるよね〜」と、
なっちゃんから言ってみた。
「気になるって言うか…気にされてるよね?」
「うん、明らかに、露骨に、ヒシヒシと伝わる熱い視線だよね。あれは、間違いなく、《《愛》》だね」
「はあ〜やっぱり、そっか…」
「美優ちゃんは?」
「えー?義弟だよ!それ以上には、思えないよ。」
「なら、いいんじゃない?今まで通り、洋平さんだけを思っていれば…」
「うん、そうだけど…」
「あまりに、露骨すぎて、気になっちゃった?」
「うん、最近は2人になることはないから、何を言われたわけじゃないけど…」
「いや、他人の私が見ても分かるぐらいだからね〜 美優ちゃんなら、もっとだよね。分かるよ。」
「美優ちゃんは、何も応えられないんだから、今まで通りでイイと思うよ。」
「うん、そうだよね。」
「何か苦しくなったら、私に吐き出してね。美優ちゃんは、何も悪くないんだし…ただ、思われているだけだから…」
「うん、ありがとう。なっちゃん。」
「洋平さんと険悪なムードだった時、もしかして、義弟くんのこと、思い出したりした?」
「ううん…あ!でも、男の人として…じゃなくて、優しくされた記憶として、思い出したことはあるな。」
「あーそうなのよね〜現実逃避だね。ほんの少し、《《今》》が嫌になって、私にだって、優しくしてくれる人ぐらい居るんだよ!ってね…」
「あ、そう!なっちゃんすごい!」
「だよね、何も浮気して、そっちへ行こうとか思ってるわけじゃなく、旦那に|蔑《ないがし》ろにされたようで…」
「そうそう!私にも…っていう変なプライドみたいな感じかなあ〜」
「だよね〜私にもあったよ。旦那があまりにも私のことをバカにしてるような気がして、何でも当たり前だと思ってるの?って、頭に来て…私にだって…って」
「なっちゃん、そういう人、居たの?」
「あ、いやいや、居ないよ。ただ、近所のお店の人に優しくされたりするだけで、もちろん、あちらは、商売だし営業の一貫なんだけどね、勘違いしちゃうのよね。ちょっと優しくされると…」
「そっかあ〜」
「だから、あんなに露骨に目から♡が出てる人を見ると、ある意味羨ましいよ。もちろん、ダメだけどね。美優ちゃんだって大好きな旦那様が居るわけだから、何も無いと思うけど、気になっても仕方ないと思うよ。」
「だよね…何もなくても気になってしまう。
以前なら、私、鈍感だから何も思わなかったのに、 前によろけて抱きしめられた時に、さすがにドキッとした。」
「そりゃあ、旦那以外の人に抱きしめられたら、誰でもドキッとするわよ。」
「そうだよね。」
洋平から『2試合目も勝ったよ。どこに居るの?』と…メールが届いた。
「2試合目も勝ったんだって。探してる、どこに居るの?だって…」
返信する美優
「愛されてるなあ〜ウチなんか何の報告も無ければ、探しもしない。」と携帯電話を見るなっちゃん。
「次も勝ったら決勝だよね。」
「そっかあー強いなぁ、てか…やっぱり航平くんの力が強いなぁ、このまま和気藹々と楽しく続くといいなぁ。航平くんが来にくくなったら、また戦力が落ちるものね〜」
「うん、揉めたくない。それだけは、ずっと思ってる。」
「航平くんは、フットサルに来れば美優ちゃんに会えると思ってるだろうし…」
「そうなのかなぁ?」
「まだ、2人目のことは知らないんだよね?」
「うん、まだ、洋平も話してないと思うんだけど…」
「それを知った時の反応が…」
「え?大丈夫でしょう?夫婦なんだし…」
「そうなんだけど…ここちゃんの時と違って、好きになってから出来た!ってことは、やっぱり色々想像しちゃうでしょう?」
「えー!そんな…ヤダ〜そこは、夫婦なんだし…」
「だよね、もちろん放っておいていいけど、もし私の好きな人が2人目の子どもが出来た!って聞いたら、ごめん、ちょっとショックかも…」
「そういうものなのかなぁ?」
「うん、まあ、美優ちゃんたちは、付き合ってるわけじゃないから、気にしないで!ただ…想像しちゃう、ごめん、ハハ」
「なっちゃん!」
お天気は良いが、やはり外は寒いので、3試合目が終わるのを待った。
『次、決勝だよ』と、また洋平からメール。
「最後は、観に行こうか?」
「そうだね。ここちゃんも起きたし…」
また、コート手前ののガラス張りの場所から観戦することに…洋平が気づいて手を振っている。
こちらからも手を振る。
いよいよ、最終の決勝戦。
相手もオジさんも居れば若者もいる混合チーム。
『洋平、頑張って!』
美優は、洋平の健闘を祈る!
開始早々、やはり軽やかに動き回り、相手から簡単に得点を奪ったのは、航平だった。
「Nice shoot!」と拍手する
「さすがよね〜」と、なっちゃん。
「うん、すごいね〜」
次は、洋平が入れた
「Nice shoot〜!」
思わず大きな声を出して言ってしまった
他のメンバーももちろん頑張っているが、
やはり、目立つ杉野兄弟
また、航平くんが入れた!
「Nice shoot!」
結局、試合は勝って優勝した。
「すごいね〜また優勝しちゃったよ。」
「なんだか兄弟対決みたいになってたよね」と、 なっちゃんは、笑う。
最高のクリスマスカップ戦になった。
洋平が嬉しそうに走ってきた。
「やった〜!」
「おめでとう〜良かったね」
「うん。観た?俺の shoot!」
「うん、観たよ。」
「カッコ良かったですよ、洋平さん!」となっちゃん
「だろう?」と、満足気に笑ってる。
「うん、カッコ良かったよ。」
「ふふ〜ここちゃんも観てくれた?」
こういう時は、少年のように喜んでいる。
「シャワー浴びてくるね」
「うん」
航平くんもコートから出て来た。
「おめでとう〜」
「おぅ!」
「Nice shootだったね」
「まあ、兄貴たちより5つも若いから、頑張らないとね…」
「そうだね、頼りになるね」
「1番元気だし…」と自分で言う航平。
なんと返せばいいのか分からず、
「ふふ」と、愛想笑いをする
「ココ〜」と、ここちゃんのほっぺを触り、
航平くんもシャワー室へ
なっちゃんは、旦那様と話していた。
終わったら、近くのお店でクリスマス会をするらしい。
『え?皆んなで? 子ども達は、喜ぶね。』
ファミレスのパーティールームを借りていたらしい。
「え?そうなの?知らなかった。」
「なんかね、自分達で全部用意するから、何もしなくていいって言われて…」と、なっちゃん
「そうなんだ。」
「美優〜今からファミレスでクリスマスパーティーするからね。」
「うん、今なっちゃんに聞いた。知らなかったからビックリだよ。」
「2人とも妊婦さんだし、今年は、何もしなくていいように…」
「そうなんだ、ありがとう!子ども達、喜ぶね。」
「しかも、蹴り納めに相応しく、優勝出来たし、お祝いだ!」
そう言って、皆んなでファミレスへ移動した。
洋平の大学時代の同級生、フットサルメンバーの 岡田さん、宮本さん、橘さん、横野さん。
皆んな結婚しているが、奥様方は、フットサルには、 ノータッチなので、美優と夏希以外、女性は居ない。
子どもも3人だけなので、手厚くもてなしてもらえる。
高橋ファミリーの横に、杉野ファミリーで座らせてもらった。
ふと、横を見たら航平くんが座った。
『え?』と一瞬、驚いてしまい、なっちゃんと目があってしまった。
まあ、杉野繋がり?と、思いながら、
その隣には、航平くんの友達も…
とりあえず、初期メンバーの岡田さんから乾杯の挨拶。と、言っても皆んな車だからノンアルコールだけど…
洋平は、そもそもノンアルになったし…
美優となっちゃんが飲めないのは残念だけど…
優勝のお祝いと、子どもたちにメリークリスマス!
「乾杯〜!」
「乾杯〜‼︎」
グラスを合わせる。
航平くんが「あれ?呑まないの?」と…
「あ、うん。」とだけ言ったら…
「皆んな呑んでなかったら、呑みにくいか?」
と、独り言のように言う航平くん。
そのままにしておこうと思ったのに…
洋平が聞き逃さなかった。
「あ、美優、今呑めないの。」と、ニコニコしながら言った。
なっちゃんが興味深々で、航平くんの顔を見てるのが分かった。
察したのか、「へー」とだけ言った航平。
『洋平!まだ安定してないから言わないで!』と、 美優は、思った。
それ以上は、言わなかった洋平。
『良かった。何ホッとしてるんだ、私…』
と思った美優。
子どもたちは、パパ達が用意してくれたプレゼントをもらって、とても喜んでいる。
ここちゃんは、好きなキャラクター物のおもちゃをもらって、ニコニコ喜んでいる。
隣りに居た航平くんに、『開けて!』と言わんばかりに、おもちゃを渡している。
「ココ、開けるの?」と優しく対応してくれる航平。
「開ける!」と、ここちゃん。
仲良く遊ぶ、ここちゃんと航平。
洋平は、どんな顔で見てるのかなあ?と、思ったら、 ニコニコしている。
それより、ガン見してる、なっちゃんにビックリしてしまった。
美優に気づいて、ニヤっと笑ってる。
あとで、きっと何か言われるなぁ〜
洋平が、「いや〜しかし、優勝出来て良かったよなぁ〜」と高橋さんと話してる。
「おー、やっぱり嬉しいよなぁ〜俺あんまり役に立ててないけど…」
「いやいや、ディフェンスしてくれてるし、やっぱり経験者だから安心してられるよ。」
岡田さんが、「洋平たちが入ってくれてから一気に強くなって俺らも嬉しいよ。」
「おーそれなら良かった。」
「少し前は、もっと人数居たんだけど、徐々に集まらなくなったから、今、楽しくて…」
「そっか、良かった。」
「洋平が海外赴任になって、クルーザーにも乗らなくなったし、会う機会が減ったし、結婚して、またこうして会えるようになってホント奥さんに感謝だよな。」
「えー」と、驚く美優!
「だよな、美優がサッカー好きだから、フットサルへ行くって言っても寛大だし、有り難いよ。」
「いえいえ、そんな…私は観たいだけだし…」
「ふふ、それが良かったんだよ。」
「そっか…」
なっちゃんがトイレに行こう!と言うから、
一緒に行くことに…
「ここちゃんもオムツ替えようね」と一緒に…
なっちゃんも下の子を連れて…
「美優ちゃん!やっぱり、航平くん、すごい顔してたよ。たぶん察したんだと思うから、ショックだったんじゃない?」
「そうなのかなあ?」
「だって、それまでは、にこやかに話してたのに、急に『へー』って…分かりやすいよ!」
「ここちゃんが居てくれて良かった。相手してくれるから…」
「だよね〜まさかのピッタリ隣の席だし…」
「あ〜もう、何も気にしないようにしよう!」
「の、割に、いちいち顔に出てるけどね〜」
「うそ〜やっぱり?」
「うん♡」
「なっちゃん楽しそうだね。」
「あ、ごめん。楽しい〜ふふ」
「平常心!いつも通り!ここちゃん、オムツ替えよう。」自分もトイレを済ませて席に戻る。
そろそろ、お開きの時間。
パパ達が頭割りして払ってくれた。
「ご馳走さまでした。ありがとうございました。」
皆さんにお礼を言って、バイバイした。
なっちゃん達にも…「またね〜ちょっと早いけど、良いお年を…」
「ホントだね、良いお年を…じゃあね〜」と、手を振る。
そして、航平くんにも、「またね〜良いお年を…」
「おー!正月は?帰って来るの?」と、一応、
洋平に聞く航平くん。
「うん、美優んちは喪中だから、派手には出来ないけど…挨拶には…」
「分かった!じゃあ〜」と、別れた。
なんだかホッとした。
「帰ろうか?」
「うん」
「美優〜」
「ん?」
「どうだった?」
「何が?」
「何って、今日のオレ!」
「ふふ、ナルシスト?」
「酷っ!」
「カッコ良かったよ♡」
喜んでる
「また、惚れ直した?」
「うん♡」
『一瞬、なんて答えるのが正解か?悩んだけど、 ここは、真っ直ぐに…』
「美優〜♡」
『ダメだ、やっぱり♡の目になっている』
「チューしたい!」
「ダメよ!」
「分かってるよ、今はね…帰ってからね♡」
「ふふ」
『そうなんだ…少し悪阻もあって、今は、あんまり求めてないんだけどな…』
「ふふ」
妙に、ニヤついているなぁ
『帰ったら、唇を奪われるのか?え?唇だけだよね? え?ヤダ〜無理だよ…』
何を1人で妄想してるんだ…私は…
そっと手を握る洋平
いつまでも、ラブラブだなぁ〜
ぎゅーっと恋人繋ぎをする洋平
『え?やっぱり?』
こういう風に繋ぐ時は、《《やりたい》》時って、 聞いたことがあるけど…
あ、何を高校生みたいに考えてるんだ私は…
乙女でもないのに…
繋いだ指だけで…敏感になっている
いつまでも、ラブラブで居たいけど…
一度、酷く酔っ払った姿を見たり、お酒臭かったりすると、悪阻中の美優にはツライ。
そのうち加齢臭が混ざってくるのか?
青春の汗の匂いは好きだったのになぁ〜
まあ、今はどれも無理だけど…
家に着いて、消毒。
眠ってしまった、ここちゃんを布団に寝かせる洋平
綺麗に手を洗ってまた、消毒して、
うがいをし、口腔ケア液で念入りにケアしている。
『ふふ、一生懸命で可愛い〜』と思ってしまった。
でも、自分も同じのを使わないと、メンソールの刺激がキツイと嫌だ。
同じように丁寧に手を洗い、ケアをした。
待ってたように
「美優〜」と、抱きしめられた
そして、《《念入り》》にキスをする
「大丈夫?」
「うん」大丈夫だった、良かった。
途中でまた、オェってなると傷つけてしまう。
「どしたの?」
「頑張った、ご褒美でしょう♡」
『やっぱり、子ども…』
「はいはい」と、ママのような心境になる
『ママは、こんなキスしないけどね〜』
「愛してる♡」
『愛されてる♡』
朝から出かけて、フットサル観戦からクリスマスパーティーだったので、すっかり家での食事をどうしようか?考える暇もなく忘れていた。
せっかく、『何もしなくていいように…』と、開いてもらったパーティーだったから、おウチでのパーティーは、良いか…と思ったが、晩ごはんを食べることに変わりはない。
全くかけ離れた和食にするのも気が引けて、やはり、今日は洋食にしようと美優は思った。
ターキーならぬ骨つきチキンは、昼間に食べたので、 エビ、チキンドリアにしよう!
コーンスープは、液体パックのを買ってあるので、 温めるだけ。
サラダでクリスマス感を出そう!
お皿に、ブロッコリーでリースのように飾り、ミニトマトを飾り、コーンを散らし、星型に切ったチーズ、ハム、くるくる巻いた薄切りサーモンを飾る。
「良し!可愛くなった。」
一緒に遊んでいた、ここちゃんと洋平が、2人でキッチンへ見に来た。
「うわ〜美優すごいね〜クリスマス〜!」と喜んでいる、ここちゃんも洋平のマネをして、
「すご〜い!」と、ニコニコ笑ってる。
「お昼にパーティーをしてもらったから、ドリアにしよう。あとで食べる時に焼くね。」
特にケーキを買うつもりもなかったので、
ホットケーキミックスにココアパウダーを入れて、 焼いたパウンドケーキに、買っておいた絞るだけの生クリームとイチゴを飾る。
イチゴは、ここちゃんが喜ぶようにサンタさんのように上下カットして、間に生クリームを挟んだ。
洋平が「サンタさん!」と喜んでいる。
ここちゃんも「サンタしゃん」と喜んでいる。
「冷やしておくね」
まだ、晩ごはんまでには、早いので、しばらく休憩。
「美優、疲れただろう?あとで、食べる時、俺が仕上げするから言って!」
「うん、ありがとう。」
ソファーに座って休憩。
「大丈夫?腰マッサージしようか?」
「あら、優しいお言葉、嬉しい!」
ここちゃんに、おもちゃを与えて、見える場所で遊ばせる。
ソファーで腰をマッサージする洋平。
「あ〜気持ちイイ〜」
「う〜そこそこ」
「ふふ」
「ん?」
「もう、美優ちゃん、声だけ聞いたら…ふふ」
「もう!何言ってるのよ‼︎」
「ここか?気持ちいいだろう?もっと〜♡?」
「あ〜!あは、バカッ」
「ハハハハ」
面白がる洋平。
『やっぱり、この人は中学生で止まっているのか?』と思った美優。
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