西川side
(結構遅くなっちゃった・・・)
私はあの後谷地さんとお風呂に入り、今は泊まる教室に向かっている。
『あ、そういえばーーー』
谷地「ーーー!え?!ーーーー?!」
『そうそう。笑 でね・・・ぶへっ!』
曲がり角を曲がった瞬間、何かにぶつかる。
赤葦「! ゆりさん。ごめんね。」
『京治さん。平気ですよ。・・・ってあれ?』
『月島くんと・・・どなたですか??』
そこには赤葦さんと月島くん。そして見覚えがない人が二人いた。
『そっちは・・・髪色的に木兎さんですか』
木兎「おー!西川!あたり!!」
(てことはメンバー的に・・・)
『・・・黒尾さん、髪下ろすとかなり雰囲気変わるんですね。』
黒尾「ん、そーでしょ。」
黒尾「寝癖がないとイケイケなんですよー?」
『え、あれ寝癖だったんですか』
木兎「ヘンだよな!!」 黒尾「表出ろ」
『月島くんと京治さんは髪が短いからあんまり変わらないですね。』
月島「西川もそんなでしょ。」
『・・・あ、そういえば京治さんに聞きたいことがありましてですね』
谷地「じゃあ私先行ってるねー!」
『ん、ありがとう。おやすみ。』
谷地さんを見送り、私は書類を出して赤葦さんの近くに寄った。
『えーとここが・・・』 赤葦「うんうん」
すると木兎さんが私の肩に顔を乗せる。
(えっ?!いや、近・・・!)
木兎「なーんか西川落ち着いてるねー」
木兎「声とか喋り方とか」
『えへへ、眠いとこうなるんです。』
『不快であればテンション上げましょうか?』
木兎「いや!これも良いから大丈夫!」
『は、はあ・・・』
(これも・・・?良いってなんだ?)
黒尾「じゃあお嬢さん今結構おねむ?」
『おねむ中のおねむです。』
『変なこと言いそうなんであんまり話しかけない方がいいですよ。』
黒尾「へーー笑」
(なんか・・・嫌な予感が・・・)
黒尾「お嬢さんさー、俺この髪の方がかっこいいと思いません?」
(・・・あ、良かった、割とまともだ。)
そう。私は眠くなると思ったことを結構口に出してしまうタイプである。
黒尾(ま、さすがに眠くても・・・)
『まあ思いますけど、普段の黒尾さんもかっこいいと思いますよ。』
黒尾「・・・・・・ん?」
『黒尾さんはもともとのお顔の出来がいいんですから、もっとそれを生かすべきです。』
黒尾「あ、え・・・エェ??」
黒尾(このコ真顔で・・・!!)
木兎「はあぁぁ?!俺の方がかっこいい!」
『・・・そうですね。どちらの方が上かは分かりませんが、木兎さんもかっこいいです。』
木兎「ん”・・・・・・?!」
『例えばスパイク中の姿勢がすごく綺麗で、木兎さんの綺麗な体のラインもあわさってよく見惚れます。』
木兎「ん”ん”っ・・・!!ギ、ギブ!!!」
(・・・?何か変なことを言っただろうか?)
赤葦「ゆ、ゆりさん?少し自制を・・・」
『・・・京治さんはお顔はもちろん声がとても素敵ですよね。』
『落ち着いていて聞きやすく、すごく好きな声です。まあ京治さんは他のところも素敵ですけど。』
赤葦「うぐぅっっ・・・・・・!!」
壁に向かって頭をうちつける3年生組と、屈んで初めて聞くような声を出している赤葦さん。かなりカオスである。
(私がこうさせてしまったのだろうか・・・?)
(んー・・・ねむい・・・)
『・・・?月島くん?何その顔ー』
月島「いや・・・君はもうちょっと自分の容姿とかを知った方がいいと思う。」
『ふふ、月島くんもね。』
『月島くん、自分の顔がかっこいいこと分かってないでしょ?かっこいいんだよー』
月島「っ・・・」
月島(分かってても無理だ・・・これ、)
黒尾「ど、どうする・・・このまま部屋まで送りたいが、その頃には屍になるぞ・・・!(小声)」
赤葦「い、1度おふ、落ち着きま、しょう」
木兎「お前が1番落ち着いてない!(小声)」
月島「代わりに効かない人呼べばいいんじゃないですか・・・(小声)」
黒尾「いや、西川と二人きりで帰らせるのは無理だ。普通に妬く。(小声)」
黒尾「か、かくなる上は・・・!(小声)」
(? 何話してるんだろ)
黒尾「お前ら数分耐えてくれ!!!」
さっきまでコソコソ何かを話していたかと思えば、全力疾走で男子部屋の方に走って言ってしまう黒尾さん。
赤葦「ちょ、おい、待て!」
月島「あの人仲間を捨てやがった・・・」
木兎「まあ黒尾のことだし、なんか秘策とかあるんじゃねぇのー?」
赤葦「・・・妙に冷静ですね木兎さん。」
木兎「まあ俺は事実かっこいいし!!この3人の中だったら1番褒め言葉に耐性があるはずだからな!!!」
赤葦「そうなんですか。」
『・・・あの、』
赤葦「あ、うん。どうかした?」
赤葦(褒め言葉はやめてくれ・・・)
『ちょっと・・・、かなり眠くて・・・どなたか背中を貸して貰えないですか・・・、?』
木兎「え?!なんで?!」
『よ、寄りかからせてもらいたいなー・・・と、』
『あやっぱなんでもないで・・・』
赤葦「俺が貸しましょう。さあどうぞ。」
気持ち悪いかなと思い断ろうとすると、赤葦さんに遮られる。
木兎「あ!!ずりぃあかあし!!!」
『え、え・・・でも・・・』
赤葦「いいから、さあ。どうぞ。」
『じゃ、じゃあ失礼いたします・・・』
私は赤葦さんの自分より大きい背中に体を寄りかからせ仮眠した。
赤葦(・・・ああ、今日命日かな・・・)
木兎「ずりぃずりぃあかあし!!俺も!!」
赤葦「うるさいです木兎さん。ゆりさんが起きちゃいますから黙って。」
黒尾「・・・おーい!待たせた!」
木兎「お!黒尾ー!」
月島「結局何してたんですか」
黒尾「これを見なさい」 赤葦「なるほど。」
黒尾さんの手にはスポンジ耳栓。
赤葦「確かに名案ですが、一体誰からこんなものを?」
黒尾「研磨から。だいぶ渋られたけど」
黒尾「とりあえずこれで無敵です。」
みんなに耳栓を配りキョロキョロする。
黒尾「ていうか・・・西川は?」
赤葦「ああ、ゆりさんなら俺の背中に。」
黒尾「え、なに寝てる?どゆこと??」
木兎「西川が眠いから寝背中貸してほしいって言って、赤葦に先越された!」
黒尾「うわ、俺もいればよかった。」
黒尾さんは悔しがり私を優しく揺さぶる。
黒尾「ほら起きろお嬢さん〜」
『ん”ん・・・・・・』
黒尾「ダメだ起きないな。」
赤葦「仕方ないのでこのまま俺がしょって行きましょうか。仕方ないので。」
黒尾「いややりたいだけでしょそれ」
木兎「な!ダメだ!!あかーし背中貸したんだから次他のやつ!!!」
木兎「俺がおぶる!!」
黒尾「木兎は論外だ。絶対危ない。」
黒尾「公平にジャンケンにしよう」
赤葦「・・・分かりました。のります。」
月島「・・・・・・」
黒尾「ほら月島も手ぇ出せ!」
月島「え・・・僕は別に・・・」
木兎「いいからいいから!よし、せー・・・の じゃーんけーんぽい!!」
月島「・・・あ」
勝者は月島くん。一人勝ちだ。
赤葦「チッ・・・」
黒尾「木兎よりかはマシだが・・・」
月島「はぁ・・・じゃあまあ、」
月島「西川、早く乗って。」
月島くんはしゃがんで私に向かい背を向ける。私はぼんやりとする視界の中で月島くんの背中に乗り再度寝落ちした。
『ふふ・・・つきしまくんあったかぃねぇ・・・』
月島「・・・・・・💢」
黒尾「じゃあ行きますかー」
その後は無事、4人に女子部屋へ連れてってもらった。
終わり.
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