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もう大体のストーリーは決まっているので茶子さんは次回作に出します。
ウパパロンside
探索中、突然めめさんが不思議そうに首を傾げた。
「ウパさんってここ出身なんですか?」
「そうですよ、っていうかそれしかないでしょww」
するとぱあっと効果音がつきそうなくらい笑顔になって
「ようやくさっきみたいに笑ってくれた」
といった。
「時々,辛そうなんですよ」
気づかなかった。この人は人のことをよくみてるなぁ。
「よく気づきましたね!では特別に俺の過去を教えてあげましょう!」
めめさんはうげえという顔をして
「絶対暗い話じゃないですかーまあいいですけど」
「俺、好きな人がいたんですよね」
正直、俺は人を信じれなかった。14才の時、友達と2人で遊んでいた時だった。都が一望できる少し外れの崖、それが俺たちの遊び場だった。その日もいつも通り遊んでいると近くの陸地に誰かいることに気がついた。今はもう大丈夫だがまだ人魚に危害を加える人間がいると聞いたので俺と友達は息を潜め近くの岩陰に隠れて様子を伺った。
「♫〜〜♪〜〜」
綺麗な歌声が聞こえてきた。そしてちらっと顔を上げて覗くと、可愛いらしい少女がいた。まだ向こうはこっちに気がついていないようなので友達と少し聞いていくことにした。
その日からほぼ毎日少女はきて歌っていた。それを静かに友達と聞いていた。ある日友達が
「俺、人間の足が欲しい。人間になりたい。」
と相談してきた。昔に魔法使いだと言ってしまったのを覚えているのか「そんな魔法はないか?」と聞いてきた。あるけど…
「わかった、契約しよう。ヒレを足に変えてやる、その代わりに声を奪う。目的を1週間以内に達成できなければお前は海の泡になる。」
「いいよ」
「目的は…あの子と付き合うことか。頑張れよ」
俺が言った途端あわてだして
「なんで知ってるんだよ!」
という。そりゃ知ってるさ俺も惚れたし、何年友達やってると思ってるんだ。
「内緒、ほら行ってこい」
結論から言うとダメだったらしい。予想通りだった。あいつが成し遂げるなんて信じてなかった。5日目に告白したが「好きな人がいる」と言われ撃沈。そしてそのまま泡になった。実はその子を俺の持っているこのナイフで殺せば泡にならずに済んだ。でも俺は言わなかったし渡さなかった。結局あいつとあの子の命を天秤にかけてあの子が勝った。だから言わなかった。あいつの声は瓶に入っている。遺族は悲しんだし俺を恨んだ。当たり前だが俺が責められる筋合いはないと思う。
「信じて!違う!俺は呪ってなんか!」
「信用できない」
自分が信じてない相手に信じてることをこう。なんて惨めなんだろう。そっからのこと魔法使いがバレ殺されかけ虐められた。どうせ好きだったあの子には好きな人がいる。俺が入れる場所はあいつみたいにない。ならいいじゃないか、人を殺しても。脳裏にその考えがよぎる。そこから簡単だ。水温をちょっとずつ下げていって凍死。
「一度でもいいから話したかった。でももう人を殺した俺はあの子と話せる権利はないか…」
「いやあ怖いですね恋って」
うんうんと唸りながらめめさんは言った。
「でもまあスッキリしたならいいんじゃないんですかね?いやまあ他人事なんですけど」
俺は言い返せない。確かにあれで区切りがついたのは本当のことだ。
「これからあなたがどう考えるかは知りませんが、お疲れ様とだけ伝えときますね」
変な慰めも同情もない、あなただから言える言葉「お疲れ様」。嫌だった、「大変だね〜わかるわかる」
そんな言葉が。嬉しかったんだ、受け入れて理解してそこから導き出した言葉。なんだか気持ちが振り切れた。
人を信じれなかった俺はあの人を信じてどんな行末でもついていきたい、信じきって死ぬ時に「後悔はない!!」と大声で言える人生にしたい!!