テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
アクア・マリン
130
10
120
午後6時13分。大きな音が、街中に鳴り響いた。
これまでと同じ音。
けれど、この日だけは違った。
街のすべてのスピーカーから、
十年前の録音が流れ始めた。
『実験を中止してください』
少年の声だった。
『こんなことをしたら、みんなが——』
『黙りなさい』
別の声が遮った。
冷たく、落ち着いた声。
『これは街を守るために必要なことだ』
『でも、約束が違う!』
少年の声が響く。
『僕は、みんなを消すなんて聞いてない!』
黒瀬は、十年前からすべてを記録していた。消されることを知りながら。
誰にも読まれないかもしれないと知りながら。
それでも、真実だけは残そうとしていた。
そして、最後の一行。
『犯人の名前を、忘れないでください』
画面が暗くなった。
御影の名前だけが、しばらくの
間、光り続けていた。
やがて、街のスピーカーから
最後の放送が流れた。
『事件の犯人は、御影です』
『以上をもって、記録の公開を終了します』
音が止まった。 風が吹き始めた。
すべてが終わったかのように、
街は静まり返った。
けれど。 街から消えた人々が、
どこへ行ったのか。
その答えだけは、どこにも
記されていなかった。
コメント
1件
うわあああああ!!?!?😭💦💦💦 第26話、読み終わった直後なんだが、もう胸がぎゅうってなってる…!! 十年前の録音が街中に流れる演出、エモすぎるでしょ…!少年の声が「約束が違う!」って叫ぶところ、心臓掴まれたみたいになったよ…。 黒瀬、全部知ってたんだね…消されるってわかってても真実だけは残そうとしてたの、カッコよすぎて泣ける。 犯人は御影って公表されたけど、消えた人たちはどこ行ったんだろ??そこだけが気になって夜しか眠れないやつだよ…!! 続き早く読みたい〜〜!!むなさん、神回すぎます😭💕