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えー、世間はもう春休みを迎えたと言うことで、毎日投稿なるものをやってみようかなと思っております。
期間は3/26-4/6の12日間にしようかなと思っております。
色々初めてで至らないところもあると思いますが、あたたかぁい目でやさしぃく見守っていただけると嬉しいです🥹
注意書きはあらすじをご覧ください
赫side
席替えなんて正直どうでもいいと思ってた。
適当に周りに合わせて、ヘラヘラ笑っとけばそのうち時間が過ぎる。
大体、1ヶ月しか関わらないんだからそんなに親しくする義理もないだろ。
黒板に書かれた名前で騒いでいる周りに混ざり、俺も軽く目を通して、適当に過ごす
はずだったのに、
「まじかよ…」
思わず声が漏れる
俺の隣はたぶん、このクラスで1番関わり方がわからないやつだ。
名前はいるま。
いつも教室の1番後ろの窓際で座ってる。
話しているところはほとんど見たことがないし、笑っている顔なんて多分、ここの誰も見たことがないのではないだろうか。
それに、
「あの人、前の学校で問題起こしたらしいよ」
「なんかキレたらやばいって聞いた」
おっかない噂付き。
真偽は知らんけど、確かめようとも別に思わない。
まあそんなだからみんな何となく距離を取ってる。
俺もその“みんな”の1人だった。
「えーっと、…よろしくな、?」
自分でもびっくりするほどの間抜けな声。
返事もなければ反応もない。
空気が、微妙に重くなる。
(あれ、?これちょっときつくね?)
いつもならどんなやつでもそれなりに続く会話。
でもこの日、俺は初めて“どうしたらいいかわからない”感覚に陥った。
その日の授業中。
プリントが配られて、ふと自分の机を見ると
ない。
(あれ、?足りてない?)
前のやつに伝えようと手を伸ばした時、横から紙が差し出された。
無言で。
「……え?」
思わず隣を見るとそいつはこっちを見ないまま、プリントを持った手だけを伸ばしていた。
「余分にあるから」
小さく、ぼそっと。
初めて聞いた声は、思っていたよりも柔らかくて、少しだけ低かった。
「まじ、サンキュ」
受け取るとそいつはすぐに目を黒板に戻す。
それだけ。
それだけなのに、なんかちょっと引っかかった。
放課後。
スマホを見ながら帰ろうとしてたら、昇降口の外でそいつを見つけた。
小さい子供がそいつの服の袖を掴んでいる。
「にぃちゃん、これとれない」
見ると、子供のリュックの金具が引っかかってる。
そいつはしゃがみ込んで無言で丁寧に外してやる。
外れた瞬間子供がぱっと笑った。
「ありがと!!」
その時だけ、ほんの一瞬。
そいつの表情が、少しだけやわらいだ気がした。
(…なんだよ、それ、)
怖いとか、関わりにくいとか。
勝手にそう思ってたのは、多分俺も同じで。
でもーー
今日、プリントくれたやつと、
今、目の前にいるやつが、
同じじゃないわけない。
「なあ」
気づいたら、声をかけていた。
そいつがゆっくり振り向く。
「さっきの、サンキュな」
少し間が空いて
「…別に、」
無愛想に短く返ってくる。
それだけ。
それだけなのに、
次の席替え、ちょっとだけ、悪くないかもしれないと思った。