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あいつがあいつに告ったとか、
あいつがあいつと付き合ったとか、
そんな話を聞いても僕は全く分からなかった。
遊んで勉強をそこそこしていれば、
なんかいい人生送れると思ってた。
僕は真田苳也。
中学一年生だ。
ついこの間テストが終わって今のんびりと授業を聞いている。
僕は悩みが一つある。
人を好きになるということがわからないということ。
最近では多様性とか何とか言って
男が男を好きになるとか女が女を好きになるとか言ってるが僕はそれ以前に好きという
感情がわかんなかった。
友達とは違うのか、尊敬とは違うのか。最近はそのことばかり気になった。
授業が終わり真っ先に友達のとこへ向かった。
「トイレいこーぜ!」
「ん」
最近この穴山五郎は好きな人ができたらしい。
そりゃ友達だから応援はするがあまりよくわからない。
「好きってどういう気持ち?」
「何急に」
うざそうな顔で僕を見つめた。
「知りたいから。」
真剣な眼差しで見つめ返す。
「…」
しばらく黙り言った。
「人生が終わるその時にその人と一緒に居たいってこと。」
よくわからない。
僕は人生が終わるんだったら美味い物を食って寝たい。
こいつはやっぱりおかしいんだろうか、
そう思いバシッと肩を叩いた。
「アホかお前は」
体育大会の練習が始まった。
クラスでも団結を深めようなどとクラスLINEを作っている。
僕も一応入った。
「みんなーちゃんと入ったー?」
竹林昌子という女子が率いていた。
彼女はなかなか積極性があり結構評判が高い。
その反対にいるのが穴山五郎であった。
2人はいつも喧嘩していて仲が悪い。
今回のLINEも結構言い争っていた。
放課後穴山と帰ると案の定愚痴をたっぷり聞かされた。
どーでもいいように感じた。
練習も本格化し、
どっと疲れが溜まった。
リレー練習でこけてしまった。
結構恥ずいのですぐその場から逃げようとすると後ろから服を掴まれた。
「大丈夫?」
竹林さんか、と穴山に言われた愚痴を脳裏に掠めながら
「うん平気平気」とすぐ退散しようとしたら次は思いっきり肩を掴んだ。
「絆創膏使って」
結構力強いなと感心しお言葉に甘えた。
彼女は穴山が言うような変態女子ではなさそうである。
体育大会も終わりまたのんびりとした期間が始まった。
相変わらず穴山と竹林さんは喧嘩をしていた。
だが今回は少し危ない。
止めに行くかと席を立った瞬間竹林さんが少しよろけて僕の方へ倒れた。
支えようと持ったがその時すごい新鮮な気持ちがした。
それと同時に女子ってこんなに柔らかいんだなと思い少々心臓が止まった気がした。
我に帰ると心臓は速くなり汗も出てきた。
「ごめん!大丈夫?」
また心配された。
「うん」
「穴山女子をこかすなよ!」
今日の僕は竹林さんの味方だ。
あれから少し月日が経ったが最近はどうも竹林さんと話すのが楽しいらしい。
彼女は結構なイタズラ好きで僕にも何度かイタズラを仕掛けた。
その度に何か嬉しいと感じ、楽しかった。
ただ少々彼女は男子への警戒心が皆無でよく肩を掴まれたり手を握られたりした。
僕は恋というものがわからないだけで女子は意識するのだ。
そこら辺はちゃんと考えてほしいと彼女に思った。
もう2学期の終わりに席替えをするらしい。
もうこの席が一年生最後だという。
何か面白いことが起こる席だといいなと願った。